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ヨーロッパで働くー日本との違い(病欠とホリデー)

Yoko Marta
06.04.21 03:59 PM Comment(s)

人間だから、誰でも病気になることはある

 ヨーロッパ全般では、2,3週間のホリデーを一年に数回取るのはごく普通です。私がロンドンで働き始めたときに驚いたのは、病欠日数はホリデーから引かれないこと。人間なんだから、風邪をひいたり、病気になることもある。だから病気のときにきちんと休めることは、誰にとっても大事な保障。もちろん、給料は通常通り支払われます。3日以上続けて休む場合は医師からの診断書が必要な場合が多いですが、医師も体調が悪いのに無理に仕事に行くことは勧めません。イギリスは西ヨーロッパ内では労働者の権利が弱い傾向があるため、契約書に病欠日数の上限(7日等)を設けている場合もありますが、長期に渡って病気で休まざるを得ない場合は、政府からの保障があります。ドイツでは、労働者の権利が比較的よく守られているため、私のドイツ人の友人も風邪で扁桃炎になったときは3週間程度休んでいましたが、給料も通常通り支払われホリデーを失うこともなく、同僚やマネージャーたちから同情されることはあっても、日本のように周りから責められることはまずありません。

 また、日本と違い祝日(Bank Holiday)はかなり少ない傾向にあります。2021年はイギリスでは10日(土日の2日分を含む、月~金勤務の場合は実質8日)、イタリアは13日(土日の7日分を含む、月~金勤務の場合は実質6日)。日本の約16日と比較すると、実質イギリスでは半分、イタリアでは半分以下ですが、勤務開始1年目でも、通常20日程度のホリデーがあります。日本のように病欠の日数を保持しておく必要はないので、誰もがきっちりとホリデーは計画的に楽しみ、同僚やボス達も喜んで送り出してくれます。自分の仕事の持ち分は明確なので、マネージャーと相談し、2~3週間動かす必要のないものは関係者にホリデーでいないことを連絡し、動かす必要のあるもののみをマネージャーがチームメンバーに適切に割り振ります。少なくとも私自身、私の友人や知り合いも、ホリデーを数週間取ることで仕事の進捗に悪い影響が出たことはありません。ホリデーに行くことで、心身ともに元気になり、新しいアイディアが湧くこともあり、ホリデーから戻ってきた同僚たちのリフレッシュした様子を見ながらホリデーでの話を聞くのは、こちらも幸せな気分にしてくれます。

Yoko Marta