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ジャグリング By Gandini (イギリスのジャグリング アーティスト集団)

Yoko Marta
28.10.22 02:45 PM Comment(s)

イギリスのジャグリング アーティスト集団

2021年6月9日の記事より。
先週に引き続き、Greenwich+Docklands International Festival。
今週末は、Dance Cityというプログラムで、テムズ川の北側にある、とても近代的なビルディングの立ち並ぶCanary Wharfで、アクロバット、ジャグリング、ダンスと様々なプロダクションが繰り広げられていました。ちなみに、グリニッジには、Foot Tunnelと呼ばれているテムズ川の下を通る歩行者・自転車用の地下トンネルがあり、テムズ川の南側のグリニッジから北側のCanary Wharfまで歩いて移動可能です。川沿いの散歩はとても気持ちいいので、ロンドンを訪れる機会があればぜひ。

ロンドンは、例年より気温低めで曇り日の多い8月でしたが、突然、28度を超える良い天気。
この中で、私の大好きなジャグリング集団「Gandini」のパフォーマンスがありました。
ジャグリングというと、サーカスの一部の、ある意味シンプルなものを思い浮かべるかもしれませんが、このジャグリング集団は、斬新なアイディアで、ジャグリングの既成観念を書き換えてきました。既に23年の歴史がありますが、コラボレーションは、数学者、サウンドデザイナー、コンピュータープログラム、バレエの振付師等、多岐に渡っており、演出もエレガントでアーティスティックなものです。
数人のプロダクションから50人以上のジャグラーが登場するものまで、規模もさまざまです。

彼らのウエブサイトでは、以下のように彼らの芸術を定義しています。

「私たちには、ジャグリングの作品を作る飽くことのない乾きと、コラボレートし、コミュニケートし、挑発したいという熱い思いを持っています。私たちは、観客との複雑なダイアローグ(対話)、観客の関与を要求、文化の壁を越え、想像力を刺激することで、ジャグリングを多才・多様で、魅力的であり、可塑性のある私たちの時代のアートフォームだと新たに規定します。これは、(ジャグラーと観客)お互いの成熟性を前提とし、観客に対して、探求する知性をしみ込ませます。」

確かに、彼らの作品は、美しい・楽しい・ユーモアがあって笑わせてくれる、というだけでない、ジャグリングとは何か、といった疑問も投げかけます。私自身は、演劇が大好きなのですが、その中でも特に、身体性を大きく使うアートフォームには特に惹きつけられます。言葉では簡単に嘘をつけても、身体の動きでは真実が知らないうちに出てくる部分があったり、身体を人間の限界まで徹底的に鍛えているダンサーやアクロバットの地球の重力を感じさせない動きや精確さ、言葉と国境を越えて共有できるその場での演技者と観客全体の一体感は、そこでしか経験できない貴重なものだと思います。

Yoko Marta