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Patchwork Careerという考え方ーXing(ドイツ版リンクトイン)

Yoko Marta
13.07.21 04:29 PM Comment(s)

パッチワークキャリア

 パッチワークキャリアと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?ドイツ版リンクトインに興味深い記事があったので、ご紹介します。オリジナルの記事はここより。

 記事によると、ドイツでは、10年、20年前までは、大学や新入社員研修等で学んだことを中心に、定年まで一つの企業で一つの職種でキャリアを積み続けることは珍しいことではありませんでした。この状況は変わり始め、現在も含めて今後は、デジタル化、グローバル化さまざまな要因がからみ、常に学び続け、知識とユニークなスキルを更新し続け、変わり続ける労働市場に柔軟に対応していく必要があります。働く人々は、自律して、自分のキャリアを独自に作っていくことが欠かせません。そのため、キャリアの変更(会社の変更、職種の変更)、お休みをはさんだり、複数の仕事をやプロジェクトを同時に進めたりと、変化に富む多様なキャリアになる可能性が大きいとしています。ただ、常にCommon thread (一貫している共通の筋道)があり、それぞれのキャリアやお休みをつなぎ合わせてカーペットのようなパッチワークとなるだろうとしています。

 ヨーロッパでは、転職するのはごく普通ですが、よく見るパターンは、最初の10年ぐらいは何度か仕事を変わり(より良い条件やもっと高い職位、もっと自分に合ったもの)、その後は同じ企業、或いは同じ業界&職種にとどまることが多いです。ただ、ヨーロッパでも、日本よりは何十倍もましですが、子供が小さいときにはどうしても働いている母親に負担がかかりがちです。そのため、このようなパッチワークキャリアは女性にとっても不利となることが減り(例/子育ての間のブランクがあり、キャリアアップが遅れる等)、また男性にももっと子供とのかかわりを増やし、Empathy(共感力)の高い人々が増えるという良い効果も期待されています。 

 ただ、大事なのは、ランダムに仕事を変わるのではなく、注意深くキャリアを計画することです。上記で記載したように、Common threadが必要で、全体的に見たときに共通の筋道があり、それぞれの業界や職種で得た知識やスキルがうまくつながっていることが重要です。理想的には、短期、中期、長期の計画が必要です。私自身、きちんと計画があったようななかったような始まりで(美術館学芸員、教育出版系での編集等の方向は、就職氷河期で木っ端みじんに砕かれました)、日本でのいわゆる就職氷河期に国立四年制大学の美学・美術史を卒業 →ITエンジニアとしてコンピューターソフトウェアの会社に新卒入社 →プロジェクト単位でITエンジニアとして日本で5年ほど働く→ イギリスで語学学校に通いつつインターンシップや派遣形態での仕事を半年ほど経験 (この間に就職活動も地道に行う)→ イギリスでITエンジニアとして労働許可ビザで約5年働く (仕事が終わった後に大学の英語コースに1年通い、同様にジュエリー制作のコースにも3年ほど通い続ける、イタリア語のコースも少しかじる、タンゴを始める)→ 永住権に応募し、権利がもらえる →イギリスの大学で2年のジュエリーコース(後に働くこととなるイギリス人ジュエラーの工房でインターンシップ含)+イタリアで1か月ジュエリーの集中コース→ジュエリーデザイナーとしてイギリスのジュエラーの下で4年ほど働きつつ自分の作品作り+展覧会等 → 家族の仕事の都合で1年ほど休憩 → 先述の続きでパートタイムでのリモートワーク(リクルートメント)を5年ほど経験(その間にGold Smith College大学でアートセラピーのファンデーションコース修了、同大学でムーブメントセラピー等の短期コースも履行、イギリス人のアートセラピストの下でグループセラピーのアシスタントボランティア経験)したのち、同業種(リクルートメント)の別会社でフルタイム → 自分の会社の立ち上げと、既にいろいろな業界・職種を経験してきましたが、自分の中では一貫したCommon threadが存在しています。これは、自分が選んだというより、振り返ってみるとCommon threadがあると分析できたのですが、もしさまざまな理由でいろいろな業種や職種を経験されて、どうCommon threadを見つけて自分のキャリアの物語を語ればいいのか悩むという方はぜひ、ご相談ください。Job hopping(仕事を始終変わっている)とネガティブに捉えられるか、様々な経験があってスキルや能力だけでなく人間的にも一緒に働いてみたい人だとポジティブに捉えられるかは、自分が自分の経歴をどう見ているか、どう言語化、物語化できるかというところにあります。私自身は、どの仕事にも良いところがあり、自分も楽しみつつ顧客からも喜ばれて、かつ家族との時間も大切にできているので基本的には満足しています。

 最後に記事からの役に立ちそうなアドバイスを下記にピックアップしました。

  • あなたのキャリアについて、正直に、自信をもって
  • どの経験・行動特性を体系的に学び、深め、拡大しましたか?どのように?
  • 会社に対してどのような価値を加えられるのかを明確にしましょう
  • あなたの特有の資格やスキルはなんですか? (外国語、社交スキル、コンピュータースキル等)
  • 年代順に仕事を記載する必要はありません。履歴書はあなたのプロフェッショナルなモザイク画(ガラスやタイル、小石等の破片を組み合わせて作る絵や図像)です。一つ一つの仕事をモザイクの破片のようにとらえて、全体として一貫性・均一性のある絵にしましょう。
  • 新しい仕事において、あなたはどのようにポジティブなインパクトを与えられるでしょう?あなたは何をもたらしますか?どういうところに貢献できますか?雇用主はどのように 恩恵を受けられますか?

 パッチワークキャリアは、キャリアの流れが、垂直方向である時期もあれば、水平線方向のときもあることから恩恵を受け、長年にわたって、国際的な労働市場で求められるスペシャリストとして働くことになるでしょう。また、個人的にも、社会が変わり突然自分のやり方を変えざるを得ないという方向にプッシュされると感じるよりも、自律的に自分のユニークなキャリアを計画的に作り上げるほうがずっといいです。

 もし、既にさまざまな職種や企業、業種を経験したけれど、どう一つの一貫したパッチワークとしてつなぎ合わせるかをお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。ご相談は無料です。※イギリス在住のため、日本とは時差が夏時間の間は8時間、冬時間は9時間ありますので、返信が少し遅めになるかもしれません。ご了承ください。

    E-mail: info@thegreencatalyst.com        

Yoko Marta