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ヨーロッパで働くーマナー

Yoko Marta
16.07.21 04:48 PM Comment(s)

マナーの意図

 ヨーロピアンの同僚たちは、日本人のお辞儀や、上司に対しての受け答えのフォーマルさに驚いていましたが、ヨーロッパの中でもイギリスは特に形式に大きくはこだわらないと感じます。ただし、イギリスの場合は階級社会なので、特殊な階級にいる場合(皇室等)は形式にこだわるのでしょうが、普通の会社で働いていている日常的な人々の間では、とてもカジュアルです。

 ヨーロピアンの同僚や同じビルディングで働いている他の会社の人たちがよく驚いていたのは、日本人男性が他の人の目の前でドアを閉めたり、他の人がドアを開けて待っていたのに、「ありがとう」の一言もなく、まるでその人が存在しないかのようにその人とドアをすり抜けていくことでした。お昼に外出するときなど、働いているビルディングからドアを開けて出る際に、後ろに誰か来ていないかさっと確認して、男女に関わらずドアを開けて待つのは、ごく普通のことです。そのときの、お互いの笑顔での「ありがとう」と「どういたしまして」のやり取りも日常によくある景色です。形式ばったマナーや決まりに沿って動いているわけでもなく、他人からどう思われるかでもなく(実際、日本人男性も日本人男性上司には必ずドアを開けて待っているのを見ました)、すぐ後ろにきている人々のために数秒ドアを開けて待つことは、思いやりではないでしょうか。もしかしたら、後ろから歩いてきた人は病気で体調が悪くて重いドアを押すのは辛いかもしれないし、何か落ち込むようなことがあったのかもしれません。ちょっとした思いやりで、場所や気持ちがほんの一瞬でも晴れやかになるのは、素晴らしいことでもあり、マナーというのは形式ばった決まりなのではなく、周りの人々の存在認識と彼らのことに思いをはせることではないのでしょうか。

Yoko Marta