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Bridge of Spies (スパイの橋 2015年公開映画)

Yoko Marta
28.10.22 02:06 PM Comment(s)

Does that help? (それは何かの助けになるのかね?) - Bridge of Spies (スパイの橋)

「スパイの橋」は、2015年に公開されたアメリカ映画です。東西冷戦のさなかの1960年代にあった実話をもとにした映画で、アメリカでソビエト連邦(現在のロシアがまだ周辺の国々を連邦としていたころ)のスパイとされ逮捕された画家と、ソ連で拿捕されたアメリカ兵+東ベルリンで逮捕されたアメリカ人学生を人質交換することに、普通の一般市民の保険弁護士が巻き込まれ成功させた話です。主役の保険弁護士は、トム・ハンクスが演じました。

保険弁護士は、Principled Personでフェアで勇敢な決断を下し、難しい状況にあっても、法の下で公平にロシア人スパイの弁護を行います。このロシア人画家は、一生刑務所にいる可能性があるかもしれないのに、いつも飄々としていて、刑務所の中でもいつも絵を描いています。この彼がいつも答えるのは「Does that help? (それは何かの助けになるのかね?)」東西冷戦の真っ只中で、スパイとして使われるようになったのも、やむを得ない事情があったのかもしれないし、ロシア人画家の背景ははっきりとはしませんが、彼は自分の置かれた位置に一喜一憂せず、「今」を生きています。いろいろとアドバイスをされたり、なぜこの状況で、そんなに冷静なのかを聞かれても、同じ答えです。彼が処刑されるのか、一生刑務所で終わるのか、彼自身にはコントロールがありません。彼はそれをよく分かっていて、自分にコントロールのできないことにとらわれていても仕方がない、と思っていたのではないかと思います。

ふと、何か、或いは自分自身を深刻に捉えすぎていることに気づいたとき、この「Does that help?」を思い出し、自分に問いかけます。そこで、自分にコントロールがあること=自分がポジティブな影響を与えられることに集中して、自分にコントロールしようがないことは、とりあえず目の隅には入っているけど、そこにはエネルギーを使わない、ということを思い起こさせてくれます。

週末のお休みに、翌週のことを考えて不安になって、「今ここにいること」を楽しめないときは、ぜひ「Does that help?」を思い出してください。心配していることは起こるかもしれないし、起こらないかもしれません。でも、週末に心配して考えても、起こることが変わるわけではありません。しっかりと「今ここにいる、この時間」を楽しんで、自分にとって充実した休日を!

翌週に思ってもいなかった良いことが起こるかもしれないし、チャレンジングな状況が起こっても必ず解決方法はあります。特に、週末しっかり休んでいれば、チャレンジングな状況をさらにうまく扱い、チャンスに変えることができるはず。

Have a good weekend :-) 

※古い映画ですが、スパイ交換にいたるまでの政治的な複雑なやりとりを果敢に、かつ共感をもって解決していく弁護士は見どころがあります。「現実は小説より奇なり」ということで、ヨーロッパや北アメリカ等の間のDiplomacy(外交手腕)を観察するのも興味深いです。ヨーロピアンは本当に交渉上手だと感じさせられますが、複雑な歴史の上では不可欠なものだったのでしょう。

Yoko Marta