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Assertion (アサーション) ー 1

Yoko Marta
06.07.23 10:17 AM Comment(s)

Assertion (アサーション) ー 1

日本で使われているAssertion(アサーション/自己表現を論理的に易しく行うこと)という言葉は、他の英語でのことばの概念(Freedome, Equality, Equity)と同様に、日本語に置き換えられると、全く違うものになってしまいます。


ただ、Assertionは、ヨーロッパで生きていく上では欠かせないし、恐らく日本でも必要です。
まず前提として、年齢・性別・社会や企業での地位・民族・心身障害等の有無等に関わらず、誰もが同じ権利をもつ、対等な人間であり、誰もが同じように尊重されるべきだという考えがあります。
小さな例えでは、会社の社長と平社員であっても、社長が平社員に何を言ってもしてもいいというわけはなく、ひととしては対等であり、同じ権利をもっています。違うのは、会社と言う限られた場での職務上での権限や役割だけです。
日本的な、権威のある人には機嫌をとり忖度し、自分よりも目下だと判断した人々には何を言っても許されるという甘えを当然だとする慣習は、Unlearnする必要があります。
ひとに上下はありません

その上で、Assertiveness(アサーティヴネス)は、簡単にいうと以下のようになります。
「(不当な扱いを受けた時等に)自分のために立ち上がることができ、自分の意見や感情は考慮され、他の人がいつもその人の思うようにばかりにすることをさせない」です。これは、攻撃的であることとは、全く違います。これは、何をあなたが期待しているかを明確に述べ、あなたの権利が考慮されるよう主張することです。

このアサーティヴネスは、小さい頃から親や周りの人々を見て学びますが、過酷な家庭環境やひどいいじめ等で自尊心が育てられなかった場合、ひどく傷ついた場合、学ぶよいモデルが身近にいなかったり(例/親が自分自身の感情を制御できない未熟なひとで、常にまわりや子供に怒鳴ったり暴力をふるっているが、強い人々にはぺこぺこする等のとても悪い例しかなかった等)、児童虐待でとにかく自分を殺して生き延びるしかなかった人々には、身につけるのが難しいことです。

アサーティヴネスを発揮できない場合、周りから悪く扱われても抵抗する術を知らず、それがデプレッションにつながる場合もあります。また、「No」と言うことがとても難しく、搾取・利用されてしまう機会が多くなる可能性もあります。(もちろん、搾取する人々が100パーセント悪いです。ただ、搾取する人々が存在するのが現実なので、対応法を知っておく必要があります。)

日本では「抵抗する」ことは、何よりも悪いことだとして教え込まれますが、ヨーロッパでは、不当なことに抵抗することは非常に大切であり、尊敬され、また多くの協力者も出てきます。この協力者たちは、自分たちに直接不当なことが起きていなくても、自分たちの内側にあるモラルに従い、他のひとに起きている不当なことにも一緒に立ち上がります。

もし、あなたが不運な状況に育ったり、不運な目にあったとしても、変わることは十分可能です。

以下が、イギリスのカウンセリングで使われていた「The Rules of Assertion(アサーション・ルール)」です。

私には、以下の権利がある。

  1. 年齢、人種、階級、性別、性的傾向、身体障碍、或いは、わたしの仕事が無給か有給かに関わらず、平等な敬意をもって扱われる

  2. 自分自身の感情と意見を表現する

  3. 回答、返答、反応を求める

  4. 聞いてもらうこと、反対意見をもつこと

  5. ほかの人たちとは違う要求や望み(希望、夢)を持つこと

  6. 「No」ということ

  7. 他人に対して建設的な批判をすること

  8. 自分に対しての批判の内容を知ることと、その批判に対して自分の意見、感情を述べること

  9. 気を変えること(決定を変えること)

  10. 何かを決定するときに、考える時間をもつこと
    例)相手が即決しろと言っていても、自分に必要なだけの考える時間をもつ権利がある

  11. 間違えること

  12. 分からないときには「分からない」と言い、必要な情報を聞くこと

  13. 自分がほしいもの(やりたいこと、望むこと)を要求(はっきりと明言)する

  14. ほかの人々の問題に対して、自分が解決方法を見つける責任があるかどうかを判断する
    例)あなたがフェアな言動をして相手の権利を侵害していない限り、他のひとの行動や反応(あなたが「No」と言ったことにがっかりしたり、怒りを感じた等)に対して、あなたの責任はありません。その人自身が、成熟した大人として、自分の感情を受け止める必要があります。

  15. 自分の行動に責任をもつ

  16. ほかの人々が承認するかどうかに左右されない
    例)人の意見なんてさまざまで、それを基準にして行動するのかは、動いている砂の上に建てる城のようなもの。大事なのは、自分がどう思うか、自分がどうしたいか)

  17. ほかの人からみた私の役割(母、恋人、娘、父親、介護者)に関わらず、人として自分自身の優先順位をもつ

  18. ほかの人々をけなしたり、こきおろしたりする行動や態度に対して(正当性など)説明を求めること、意義を唱えること

  19. 楽しむこと

日本語に訳すと今一つ意味がぼんやりするものもあると思うのですが、詳しくは、次の記事で。

たとえ周りの人に「あなたは要らない/必要ない/価値がない」等のひどいことを言われていたとしても、それは、ただの意見であり、真実や事実からはほど遠く、信じる必要も理由も全くありません。

この世の中にいる誰もが、かけがえのない大事なひとなのです。

Yoko Marta