南アフリカのオットセイ:みんなで力を合わせてサメから自分たちを守る
南アフリカのオットセイ:みんなで力を合わせてサメから自分たちを守る
イギリス、恐らく世界中でもよく知られていると思われる、動植物学者で、ドキュメンタリー制作を行っているSir David Attenborough (デイヴィッド・アッテンバラー)さんの、新たな自然界シリーズが、イギリスの国営放送BBCで始まりました。
「 Planet Earth III - Series 1: 1. Coasts 」(地球という惑星ーシリーズ1:1. 海岸)から。
デイヴィッドさんは、自然界・動物界には驚異的な回復力や適応力があるものの、私たち人間が起こしている変化はとても大きいもので、自然界・動物界がもっている驚異的な力でさえ、適応し生き残っていくのは難しいといった内容のことを明言していました。
だからといって、デイヴィッドさんは完全に悲観的なわけでなく、彼のもてる力をつかって、私たち人間と自然や動物がハーモニアスに共存できる世界をつくるため、ドキュメンタリーをつくったり、世界気候変動でスピーチを行ったりと希望をあきらめることはしません。
今回の海岸編で、心に残ったのは、南アフリカ沖のCape Fur Seal(オットセイ)のお話です。
ここには、信じられないくらいのオットセイが集まり、子供たちもここで育ちます。以前は、捕食者も多くはいなかったそうなのですが、近年、Great White Shark(ホホジロザメ)が大群でくるようになり、特にオットセイの子供たちの多くの命が危険にさらされ、ここにいるオットセイたちの存在が危うくなってきました。
ホホジロザメにくらべると、ずっと小さく力のないオットセイたちに何かできるのでしょうか?
あっという間に、オットセイたちは行動パターンを変え、自分たちを防御することを始めました。
オットセイたちは一人一人は小さくても、ホホジロザメの数に比べると驚異的に多くの数が岬に住んでいます。そこで起こったのは、ホホジロザメがやってくると、みんなでホホジロザメを囲み、誰か一人を狙うことが不可能な状態にして、岬から遠い海へと力を合わせて追いやります。
オットセイたちに比べると、とても大きくて強いホホジロザメが、オットセイの大群に囲まれ追い込まれ、すごすごと深い海へ帰っていく姿には、なんだか笑ってしまいました。
もちろん、ホホジロザメも自分たちの生死がかかっているので、新たな手段を編み出してくるでしょう。
でも、それに対しても、オットセイたちは力を合わせて何らかの対応を見つけることでしょう。