ガザのナセル病院からのメッセージ ー イスラエル兵に囲まれ襲撃されている中で

Yoko Marta
16.07.25 10:53 AM - Comment(s)

ガザのナセル病院からのメッセージ ー イスラエル兵に囲まれ襲撃されている中で

ガザのNasser Hospital(ナセル病院)は、イスラエルから三方を囲まれ、イスラエル兵が病院複合施設に向けて射撃を行い、レセプション・エリアで背中を撃たれた患者もいます。
アメリカの独立系メディアのX(旧Twitter)に、今日(2025年7月11日のイギリス時間深夜の2時ぐらい)ポスティングがありました。
ガザのほとんどの病院が、何度も爆撃されていて、西側主要メディアは報道することすらほぼなくなりましたが、自分たちの生死をかけて、負傷した人々をケアするひとたち、彼ら・彼女らのヒューマニティーを忘れることはできません。

ガザのNasser Hospital(ナセル病院)からのメッセージ:

私たちは、今、病院で働いています。
戦車が、私たちから、たった2,3メートルぐらいの場所にいます。
私たちは、生きているより、死に近い状態にいます。
(イスラエル)兵士たちは、どんな慈悲もみせません。
子どもたちだけでなく、老人にも、医師にも看護師にも。
私たちは、ここ(ナセル病院)に残っています。
なぜなら、私たちは、ひとであり、私たちの使命は、ヒューマニタリアン(人道主義者)だからです。
もし、このravens (レイヴンズ/不吉の兆しとされる大型のカラス=イスラエル兵士)が、私たちの命をかすめとったとしたら..
どうぞ、私たちのことを忘れないでください
私たちを、ただの「数(顔も何もない、抽象的なただの死者数)」に変えないでください。
私たちは、人生を愛しています ー 私たちには、夢がありますーあなたたちと同じように。

私たちには、深く愛している子どもたち、配偶者たちがいます
でも、本当の意味で、ひとであるということは、私たちのヒューマニティーを必要とする人々(患者さんたち)を見捨てないということです。

自分たちが人道的であると主張するひとびと(=イスラエル兵士、イスラエルのひとびと、西側諸国のイスラエルの虐殺を直接的・間接的に支える多くのひとびと)より、もっとひとであることを、彼らに伝えてください。
彼らに、私たちは、私たちの高潔なミッション(病気・負傷した人々の治癒・面倒をみること)を捨てることより、死を選んだと、伝えてください。
私たちのことをheroes(英雄たち)と呼ばないでください
ただ単に、私たちは、本当にひとであるということがどういうことかを理解していたと、彼らに伝えてください。
あなたたち、みんなを知ることは、神の恵みでした...どうぞ私たちをゆるしてください。
私たちは、ただの数ではありません

ナセル病院複合施設の医療スタッフより

ガザでは、多くの病院で働くパレスチナ人たちが、イスラエル兵に大量に殺されたり、さらわれて拷問にあい殺されたりしていますが、それは、虐殺の証人を消去するためだと思われています。
ガザでは、過去の戦争とは比べものにならないほどの、多くのジャーナリストが狙われて殺されているのも、同じ理由です。
病院を爆破したり、病院関係者、ジャーナリストを殺すのは、戦争犯罪ですが、既にnormalise(ノーマライズ/普通・当然のこととされる)されていて、主要メディアのニュースにものぼりません。
でも、ウクライナ(ヨーロピアン白人が被害者)で同じことが起これば、主要メディアでは大きく報道されます。
これは、西側社会では、人種差別・帝国主義・イスラムフォビアなどで、パレスチナ人が長年にわたって、非人間化され、彼らの命は無価値だと思われているからです。
私たちは、地球上に住む人々の命が同等に貴重で大切なものであることを心からも頭でも深く信じる必要があります。
この虐殺を可能にしているのは、ひとびとの命の価値にハイラルキーをつける西側諸国のごうまんさでもあります。
ここには、帝国主義・植民地主義・移住者植民地主義・白人至上主義・人種差別・資本主義などが大きくかかわっています。
私たちは、これらを壊して、新たに、ひとびとの命を大切にする世界システムをつくる必要があります。
今、この地球上に生きている私たちには、そうできるし、そうする義務があります。

Yoko Marta