国連のお墨付きの21世紀植民地政策 ー 「いわゆる」和平計画 ー ガザ

Yoko Marta
24.11.25 05:29 PM - Comment(s)

国連のお墨付きの21世紀植民地政策 ー 「いわゆる」和平計画 ー ガザ

先日(2025年11月17日)に、国連安全保障理事会で、アメリカのトランプ政権が推すパレスチナ自治区ガザの和平計画が採決されました。
でも、多くの人権専門家は、この「見せかけの和平」に警告を発していることには注目する必要があります。
この和平計画に含まれる内容は、完全に国際法違反(パレスチナ地域の違法分割を認めている(ガザの半分以上は廃墟のまま残されそこにパレスチナ市民を集中させ、残りの半分はアメリカ・イスラエルが管理しそこではリゾート地などの開発を行うー既にイスラエルが資金・戦略共にサポートし続けているイスラム教過激派の一員でもあるパレスチナ人ギャング(殺人や泥棒などを長年行っている犯罪者たち)がイスラエルの保護のもとにこの地域に配置されているーイスラエルの占拠に抵抗するパレスチナ人たちを抑圧するため)、虐殺を行ったイスラエルやアメリカの責任はまったく問われず虐殺を行った国々が平和協議会としてパレスチナ人ぬきで統治を数年行うーこの統治が終わらせるには非現実的な条件つきで、いつまでも外国がパレスチナの資源を盗み続け国際法では合法である占領に対する抵抗組織の完全な非武装化を主張しているなど)であり、これに国連安全保障理事会で認めたということで、法律的にこの和平計画が正しい、といった印象をつくりだしたことは、国連の歴史でも、最大の恥として長年残るとみられています。

このトランプ政権主導の計画が発表されたのは、コロンビアのペトロ大統領がUniting for Peace (ユナイティング・フォー・ピース/平和のための結集会議)の可能性を述べた後で、これが実現することを妨害するために、素早くトランプ政権案が出てきたと考えられています。
(平和のための結集会議についての、私の記事はここから)

今回の「いわゆる」和平計画の前に、アメリカが信用ならない仲介者であることにも留意しておく必要があります。

アメリカは、イスラエルに対して、停戦条約を守らせる立場にいますが、2025年10月10日に停戦条約が有効となったのにも関わらず、イスラエルは、毎日停戦条約を破り、パレスチナ人を殺し続けています。
イスラエルによる、パレスチナ人虐殺、エスニック・クレンジングは、ガザでは規模が少し小さくなっただけで、続いています。
中東のメディア、Al Jazeera(アル・ジャジーラ)では、2025年11月11日の記事で、停戦後一か月の間に、イスラエルに殺されたパレスチナ人市民は、少なくとも242人、負傷者数は622人としています。
この停戦条約違反は以下を含みます。

ー イスラエル兵がパレスチナ人市民を88回、狙撃
ー 市民が住んでいる住宅地(イスラエルが侵入禁止とされている地域)に、イスラエル兵が襲撃
ー イスラエルによる、ガザ市外への爆撃124回 
ー イスラエルによるパレスチナ人市民の家屋の破壊 ー 52家屋以上
ー イスラエルによる、23人のパレスチナ人市民の誘拐と拘束
ー 救援物資をブロック (例/寒くなり雨のシーズンがはじまり、多くのテントは水浸しで、寒さで眠るどころではなく、子どもたちの多くが肺炎などの病気で死ぬこととなるープレハブや冬用のテントなどはガザのすぐ外側に行列しているトラックにあるのに、イスラエルが許可しないためにガザに届けることができないー病院も破壊されていて、医師や看護師などもイスラエルが徹底的に狙って殺したり、牢獄に罪状なしで閉じ込めているため、病院が正常に機能することはとても難しいので、死ぬことが防げる病気でひとびとは死ぬこととなる)
ー ひとびとが生きるために最低限必要な施設(浄化施設、上下水道施設など)の破壊を続けている

イスラエルによる、ガザのパレスチナ人ジャーナリストに対する狙撃も続いています。
多くは、ジャーナリストが家族と一緒にいるところを狙い、家族とその周りにいるひとびとを一緒に殺しています。

ここ2日ぐらいで、レバノンのパレスチナ人難民キャンプ(当然、自分を守るための武器すらもっていない)がイスラエルのドローンによって爆破され、子どもを含む15人近くが殺され、多くが負傷しました。(レバノンやカタールには、イスラエル建国時に暴力や殺人で追い出されたパレスチナ人たちと、その子孫たちが、今も無国籍で難民キャンプに暮らしている)

このほかにも、以下が指摘されています。

ー 拘束されたパレスチナ人に対する、イスラエル兵による組織的なレイプ(イスラエルのパレスチナ人虐殺、エスニック・クレンジングによるイスラエル建国からずっと続いている)→ 実際、「ユダヤ系イスラエル人には、パレスチナ人をレイプする権利がある」ということで、イスラエル人レイプ犯たちは市民や軍隊の支持をえて人気があり、これを調査しはじめた法務官が逮捕されている。

ー イスラエルが返還したパレスチナ人遺体は、内臓や目の組織などが取り除かれているケースが多く見られる(長年、起こっている、イスラエルがパレスチナ人を殺した後の臓器密売)

ー イスラエルが返還したパレスチナ人遺体は、両手や足を縛られているケースや、頭を撃ちぬかれている(処刑されたことが明らか)ことも多く、イスラエル側はそれを隠そうとすることがないくらい、impunity (インピュニティー/何をしても罰せられない・責任を取らないで済むこと)が浸透している。西側主流メディアは、イスラエル人の遺体については、一人一人報道するものの、これらのパレスチナ人遺体については、全く報道しない。

ー イスラエルの牢獄では、多くの拘束されたパレスチナ人が殺されているーここ1年で少なくとも90人以上(イスラエルは、裁判や罪状なしで多くの子どもを含むパレスチナ人を牢獄に閉じ込めているーイスラエルはアパルトヘイトで、イスラエルの法律ではこれは合法ー国際法では完全に違法)

ー ウエストバンクでは、エスニック・クレンジングが加速していて、多くの人々が自分の家から追い出されホームレスとなり、かつ、通学途中にバスを待っていた14歳の少年がイスラエル兵に突然、襲われ、片目の視力を失い、壊れたあごの手術を何度か行った。
これは、珍しいことではなく、なんの脅威も示していない子どもや市民たちに、イスラエル兵や違法ユダヤ人居住者(イスラエル市民で多くはイスラエル軍で軍役を行ったーイスラエル政府により武装されている)たちが、残虐な暴力をふるう・殺害を行うことは、イスラエル建国以来、ずっと続いている。(ウエスト・バンクでは、パレスチナ人からの支持はほぼないパレスチナ自治政府が、イスラエル政府の手先である警察組織として機能していて、パレスチナ市民は自衛のための武器でさえもつことが許されず、パレスチナ自治政府が正当な権利であるイスラエルの占領に抵抗するひとびとを逮捕・拷問しイスラエルに引き渡している)

ー エスニッククレンジングの一環として、チャリティー団体と見せかけたイスラエル主導とみられる団体(エストニアのユダヤ系のひとによって運営されている)が、ガザの人々に、お金を払わせて、ガザから出ることだけを約束し、行き先をつげず、南アメリカなどに飛行機をチャーターして送り込んでいる。イスラエル空港では、パレスチナ人パスポートに出国の判子や記録を残さず、到着先では出国の記録がないパスポートをもっているひとは原則できないため、空港で立往生となる場合も。
南アフリカでは、チャリティー団体が間にはいり、とりあえず短期的にステイする場所はあるものの、長期的にはどうなるのか不明。既に300人近くが、このやり方でガザから取り除かれたとみられている。
「パレスチナ人は、ガザから出ることに合意した(だからエスニック・クレンジングではない」とするジャーナリストもいますが、ガザは冬が近づき、雨も降る中、プレハブ住宅やテント、医療品や食料もガザに入ることをイスラエルに止められていて、このイスラエルが人為的につくりだした、生きることが不可能な状況で、合意は行えないことは明白

ー イスラエルの医師団は、ガザの病院施設をすべて破壊するようイスラエル政府に求める文書に多くの医師が署名して提出。(多くの医師は、軍隊の予備軍としてガザで虐殺を行ったり、ウエスト・バンクでのエスニック・クレンジングにも関与しているーイスラエルで重要な地位につくためには、軍役を終えている・予備軍である必要がある)

ー 経済的な封鎖ː パレスチナ人の銀行口座の凍結電子ウォレットの停止現金がガザに入ることを禁止、現金が少しでもしわになっているとマーケットでは現金として受け付けてもらえない、など。
ガザに入ってくるトラックの多くは、商業用の商品(=救援物資ではない)で、異様に高い価格で、多くの普通の市民には買えない値段 → イスラエルが、パレスチナ人への飢餓を人為的に起こすことを続けながら、商業品をガザにいれる(もうかっているのはイスラエルや西側諸国の企業)ことで、物資の搬入をブロックしていないとみせかけるイスラエルの戦略。

また、イスラエルとレバノンの停戦条約では、アメリカが停戦条約の保障国ですが、1年以上にわたり、イスラエルはほぼ毎日、レバノン市民を殺しています。
この停戦条約は、2024年10月に締結されましたが、いつものように、イスラエルが一方的に停戦条約を毎日破り続け、レバノン側は条約を遵守しています。
最近でも、市役所の役員を爆撃したり、学校の校長先生を殺したり、国際連合レバノン暫定駐留軍を何度も攻撃していますが、アメリカは何もしません
本来なら、条約を破り続けるイスラエルに対して、武器の輸出入禁止、経済制裁、政治的な関係を断つことなどをする義務がありますが、イスラエルに対しては、イスラエルが何をしようと好きにさせています。
ドイツ政府は、ガザでの停戦条約を口実に、一部を止めていた武器の輸出を開始することを発表しました。
イスラエルは、ガザ・レバノン・シリアを含めて、複数の地域を違法に攻撃・侵略し続けています

停戦条約は、イスラエルとアメリカにとっては、イスラエルは攻撃し続け、停戦条約を結んだ相手国は停戦条約を遵守することを指し、もし相手国がイスラエルの攻撃に対して正当な防御を行うと、アメリカがその国に対して制裁を行うとして脅しをかけます
アメリカが信用ならないのは、今までの行動で明らかです。

また、アメリカがコントロールを握っている多くのソーシャル・メディア・プラットフォームでは、イスラエルのガザでの犯罪の証拠がどんどん消去され、イスラエルのパレスチナ人に対する虐殺とエスニック・クレンジングをホワイト・ウォッシュするナラティヴをつくりだそうとしています。
ここには、イスラエルの犯罪を記録することを助ける団体のアカウントの停止と消去、Xでのヘブライ語の翻訳機能の無効(イスラエル人たちが自分たちの虐殺教唆や虐殺行為をソーシャルメディアにアップロードしているので、それを分かりにくくするためーヘブライ語のみが翻訳機能を無効にされている)などが含まれます。

これらのことに目を向けておくことはとても大切です。

今回のいわゆる和平計画に戻ると、国連から委任されている人権に関する専門家たちは、以下を指摘しています。

ー この計画は、国際法の原則を侵害していて、さらなる不正義と将来の暴力・不安定さを引き起こすリスクを内在している。
ー 緊急な和平をどんなプライスでも受け入れろと強制することは、法律にも正義にも反していて、パレスチナ人への抑圧を深めることになる。
ー トランプ政権が提案している、停戦後の暫定的な統治を監督する機関「Board of Peace/ ボード・オブ・ピース/平和評議会」は、植民地時代の慣習を思い起こさせるもので、拒否されなければならない。
ー International Stabilisation Force(インターナショナル・スタビライゼィション・フォース/国際安定化部隊ー停戦や治安の維持を担うという偽り)は、イスラエルの占領をアメリカの占領と置き換えるだけで、パレスチナ人のself-determination (セルフ・デタミネーション/自決権)の権利を侵害している。国際安定化部隊の目的は、パレスチナの占領で、パレスチナ人の占領に対する正当な抵抗の抑えようとすることであり、パレスチナ人の安全を守るものではない
ー この和平計画では、イスラエルの占領は違法であり、ガザ・ウエストバンク・東エルサレムからイスラエルは完全撤退しなければならない(期限は2025年9月)とした国際司法裁判所の命令を完全に無視して、イスラエルが6割近くのガザを占領することを明記している。
ー イスラエル国内で、イスラエル人による、反パレスチナ人・パレスチナ人殺人と虐殺を教唆することが多発しているにも関わらず、パレスチナ人のみに、de-adicalisation (デ・ラディカラィゼィション/脱・過激化)を強要している
 イスラエルが建国前後から今回の虐殺に続くまで、ずっと行い続けている犯罪に対してはなんの記載もなく、被害者たち(パレスチナ人)が正義を求めることを否定していて、イスラエルの虐殺、エスニック・クレンジングの責任を消し去っている。イスラエルの賠償責任についても全く記載はない。
ー この和平計画には、パレスチナ人は一人も参加を許されておらず、暫定的な統治にもパレスチナ人は関われない
ー パレスチナ人市民、パレスチナ人機関にも、この和平案は拒否されている。
ー 虐殺にあわないこと、占領されないこと、包囲されないこと、水や食料・安全に住める場所などは基本的な権利で、それらが、何かと引き換え(人民抵抗団が完全に武器を手放すことと引き換え)になるべきではない
※イスラエルがパレスチナ人に対して虐殺、エスニック・クレンジングを行い続けているのに、イスラエルに対しては武器を手放すなどの要求は全くされていない
イスラエルは、世界でも有数の軍事国であり、中東で唯一の核兵器所有国で、どの国際機関からの監査も拒否し続けている上に、イスラエルが国家存続危機に陥ったとみなした場合、すぐに核兵器を使う仕組をもっていることで知られている

国際人権弁護士であり、国際連合で30年以上働き、最終ポジションとしては、国際連合人権高等弁務官事務所のダイレクターだったCraig Mokhiber(クレッグ・モキバー/モカイバーと発音されることもあり)さんが提案している、公平な案は以下です。

1.イスラエルのパレスチナ地域占領を終わらせ、パレスチナ人を占領から解放する
2. 過去77年(パレスチナ人虐殺、エスニック・クレンジングによるイスラエル建国から現在まで)、特に過去2年間、イスラエルがパレスチナ人に対して行った犯罪への責任をとらせる
3.パレスチナ人への賠償
4.パレスチナ軍隊を設置し、パレスチナ人の保護と安全を確保する

 
クレッグさんは、パレスチナ人には「和平計画」は全く必要でなく、彼らに必要なのは、「Justice Plan(ジャスティス・プラン/正義にかなった計画)ーパレスチナ人が主導し、責任性・自決権を確保する構造をつくる」であるとしています。
パレスチナ人たちは、自分たちで自分たちの未来を切り開くことができます。
クレッグさんは、不正義で固めた和プロセスの幻想を受け入れることをやめるべきときだとしています。
また、国際法を完全に無視したトランプ政権の和平計画にお墨付きを与えたことで、国連自体が、存在する意義を失っているとしています。

ただ、コロンビアの、Uniting for Peaceはまだ生きています。
トランプ政権の、和平計画と見せかけたパレスチナの占領・植民地案に多くの国々が賛成したのはとても残念なことですが、国際安定化部隊へ兵士を派遣することは多くの国々が躊躇していて、実現しない可能性もあります。
最悪なパターンは、アメリカが、報酬目当ての私営軍事企業の兵士たちを派遣(※1)することですが、これらが実現しない場合は、国連安全保障理事会(アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアが拒否権をもつ、とても不公平な仕組)ではなく、誰もが基本的には対等に投票できる国連総会で、Uniting for Peace(国連総会の3分の2が賛成する必要ありー拒否権はどの国にもない)を求める動きが発動される可能性が高まります。
アメリカ政府が、弱い立場の小さな国や貧しい国々に多大なプレッシャーをかけて、国連での投票をコントロールしていることは誰もが知っているものの、イスラエルのパレスチナ人虐殺に対する地球全体の市民たちの怒りが強いこと、第三世界の国々がBRICSや一路一帯などで連帯し始めてアメリカ政府の強要を振り払える力をつけはじめているので、国連総会での投票は、Uniting for Peaceに対して、3分の2の合意が取れると見られています。

それまでは、私たち市民は、イスラエル製品のボイコット(BDS)、文化的なボイコット(イスラエルの音楽バンドやスポーツ・ティームの参加を許さない、芸術家であればイスラエルでのコンサートやイベントには散会しない、など)や、自国の政府に対して、イスラエル政府への武器の供給の禁止・政治的なつながりをたつこと(イスラエル大使を国外追放など)・経済的な投資をたつこと(イスラエルの国債やイスラエル企業に投資しないなど)を求め続ける必要があります。

一つだけいえるのは、どんな帝国も、どこかの時点では滅びました。
どんなに不可能にみえても、普通の市民たちが行動を起こすことで、私たちの目には明らかにみえなくても、基盤にはどんどんひびが入っていて、どこかで壊れます。
そのためには、私たちがパレスチナの解放を求める行動をとめないこと、パレスチナで起こっていることから目をそむけないことが大切です。

スーダンで起こっている虐殺も、パレスチナでの虐殺とつながっています。
スーダンは、金などの豊富な資源を埋蔵している国で、スーダン国軍に対抗する民兵組織のRSF(即応支援部隊)をアラブ首長国連邦がバックアップして、抗争を悪化させています。
アラブ首長国連邦はアメリカや西ヨーロッパなどの帝国主義の国々のバックアップを受け、スーダンの資源の窃盗・搾取を行っています。
スーダンの多くの金は、RSFによって違法に採掘され、それはアラブ首長国連邦にわたされ、武器としてRSFに渡され、その武器が多くのスーダン市民を殺しています。
アラブ首長国連邦がここまであからさまに虐殺に関われるのは、イスラエルが帝国主義の国々(アメリカ、西ヨーロッパなど)がパレスチナ人の虐殺を2年以上にわたって行い続けているのに、誰も責任を問われていないことが影響しています。
西側諸国が、パレスチナ人への虐殺へ直接・間接的に加担している以上、これらの権力をもっている国々がアラブ首長国に対して虐殺の責任を問うことは、自分たちの責任を問うことにもつながるので、そうしないことは明らかです。
パレスチナには、パレスチナ海域に油田があることも分かっており、すでに西側諸国の石油企業が、パレスチナに権利があるにも関わらず、イスラエル政府が発掘の権利をこの企業に約束したことでも批判がありましたが、これらの西側企業も西側政府も、お金儲けができるなら、非白人が何人殺されようと気になりません。
でも、普通の市民たちは、全くちがいます。

また、アメリカがベネズエラの政権交代・ベネズエラへの主権侵害(ベネズエラ近くの海域で、多くの漁船を爆撃し市民たちを殺人ー完全な国際法違反で、アメリカ政府は麻薬密輸をしていると主張するものの、証拠はゼロ、たとえ密輸していたとしても、国際法・国内法で、きちんと調査が行われ、裁判が行われることが当たり前で、殺すことは許されない)を行っているのも、ベネズエラの世界で一番大きな石油埋蔵量が原因の一つだとみられています。
これも、西側政府・西側企業のお金儲けのためなら、非白人の命なんてどうでもいい、ということが明白です。
アメリカが、こういった帝国主義的な行動を数百年にわたって行い続けているものの、ここまであからさまになっているのは、ガザでの虐殺にアメリカを含めて誰もが責任をとらず、それがnormalise (ノーマライズ/普通のこととなり、誰もが疑問に思わない)されているからです。

なぜ、パレスチナが重要なのかというと、この帝国主義(植民地化は帝国主義から派生したもの)と資本主義(資本主義には帝国主義が必要ー中核となる国々や地域に富や利益を蓄積し続けるために、周縁のすべての地域のひとびとと資源を底なしに搾取する必要がある)とたたかう最前線で抵抗を続けているからです。
パレスチナの人々の闘いと、私たちの資本主義・帝国主義との闘い(なんにでもヒエラルキーをつくり、若いひとびとや女性・子どもをヒエラルキーの下において搾取する仕組もこの一部)はつながっています。

地球のさまざまな場所で起こっている、一見つながりがないようなことも、本質は同じであることに気づき、自分たちの周りに起こっていることとつなげて考えることは大切です。
私たちのヒューマニティーには、国境はありません。

(※1)アメリカとイギリスが行った、イラクへの違法侵略では、アメリカの私営軍事企業ブラック・ウォーターズが多くの戦争犯罪を行い、数多くの市民の殺人、拷問等を行っていたことが知られています。
私営企業のため、これらの犯罪の責任を問うことはとても難しい仕組になっています。
軍隊だと国の機関なので、軍隊裁判・国内裁判でも責任を問う仕組があるため、その責任を避けるためにも、私営軍事企業を使う可能性が高いとみられ、そうなると、無実のパレスチナ人の多くが殺され、誰も責任をとらない状況となることが、明白です。
また、イラクへの違法侵略では、テロリストを逮捕するためという名目で、多くの市民を拷問にかけただけでなく、賞金(アメリカでは大きな賞金ではなくても、違法侵略で多くが職と財産を失い、国土が破壊されたイラクでは大金)をかけたことで、テロリストとは全く関係のない人たちの多くが嘘の告白によって、アメリカ軍・イギリス軍・私営軍事企業によって逮捕され、殺されたということも分かっています。
外国の占領下では、生き延びるために、自分の友人・家族・親戚・近所のひとびとを裏切る(例/彼らがテロリストでないのに、テロリストであると嘘を告白するなど)ことを強要されることは、常に起こることです。
深刻な貧困や子供の重い病気など、とても弱い状況におかれ、自分のモラルを守ることがとても難しい状況にある人たちもいて、そういう人たちは最初に占領軍の標的となります。
「占領」という状況自体が間違っているのは、明らかです。

Yoko Marta