世界はつながっている ー 根っこの問題を扱うことの大切さ ②
現在(2025年12月3日)、アメリカ政府は、「ヴェネズエラ空域は閉鎖された(=アメリカ政府は侵略を起こす準備ができている)」という発表を行いました。
アメリカ政府は、ここ数か月で、ヴェネズエラ付近に、多くのアメリカ軍を配置し、侵略を行う意図があることを明確にしています。
それとともに、ヴェネズエラ付近の海域で、なんの証拠も、法律的な手続きもなく、漁船の爆破を繰り返し、80人以上のひとびとを殺しました。
漁船の乗組員の一人で、アメリカ政府による爆撃で殺されたコロンビア人漁師の妻は、現在、アメリカ政府に対して、「extrajudicial killing(エキストラジュディシャル・キリング/超法規的殺人ー政府による、司法手続きまたは法的手続きを踏まない殺人」だとして、アメリカ裁判所に訴えを起こしています。
後述しますが、アメリカが爆破した漁船のすべては、アメリカへと航海する能力のない船であり、エンジンが動かなくなり緊急の助けを求める信号を出していた船も含まれています。
アメリカ政府は証拠を全く示さないため(明らかに、漁船が麻薬を運んでいたとの証拠はもっていない)、確実なことはいえないものの、ほとんどは普通の漁船だとみられています。
ただ、たとえ麻薬を運んでいたとしても、確固とした証拠・法律的な手続きを踏むことが当然であり、麻薬を運ばされていた貧しい人々を、なんの法的な手続きをへずに殺していい、というわけはありません。
すでに、西側主流メディアは、これらの攻撃を「超法規的殺人」ではなく、「戦争犯罪」にあたる可能性がある、としていますが、これはアメリカ政府の行動を正当化するものであることに気づいておく必要があります。
ヴェネズエラは、アメリカに対して攻撃をしたことはなく、全く脅威はない状態であり、アメリカとの戦争状態にはありません。
アメリカは、現状で、ヴェネズエラに合法的に戦争を宣言することができないのは明らかです。
上記のアメリカ政府の行動は、国際法でも違反だし、アメリカの国内法への明らかな違反も含んでいます。
法律に詳しい必要はなく、普通に考えれば、アメリカに対して攻撃も侵略も行っていない国に対して、その国の主権を無視して、その国の海域の多くの漁船を爆破して多くの人々を殺したり、空を閉鎖したり、戦艦や多くの軍隊を配置すること自体が、おかしいことは明らかです。
ヴェネズエラは、アメリカからの経済制裁を長く受けている国で、経済制裁のせいで多くの人々が死んだり、移民せざるをえない状況をつくりだしてきました。
経済制裁は、爆弾を多く落とされる戦争よりも、死者をつくり出すことが多いことも指摘されています。
多くの経済制裁は、どうみても国際法違反ですが、アメリカやイギリスのように帝国的経済主義をつくりだし保持している国々が圧倒的に力をもっているため、これらの不正義は止まりません。
経済制裁には、ヴェネズエラに対する石油精製のための化学薬品や糖尿病などのよくある病気の薬などの輸出禁止といった一次制裁だけでなく、ヴェネズエラからの輸出品を受け入れた国は、アメリカ政府から(すべて、あるいは多くの品目について)とても高い関税をかけられる、などの二次制裁も含みます。
これは、ふつうの市民たちに対する暴虐な攻撃で、多くの死者を出しますが、爆弾が落とされて殺されるよりは見えにくい暴虐さとなっています。
アメリカやイギリス政府などの目的は、その国が経済的に立ち行かない状態をつくることで、その国の社会に不安定さをつくりだし、内部から社会・政治を崩壊させ、崩壊したあとに、アメリカやイギリス政府のいいなりになる傀儡政権をすえおき、その国の豊かな資源と労働力を西側政府や西側企業が搾取することです。
これで利益をえるのは、西側エリート(政府や大企業の経営者や株主、大富豪たち)と、資源の豊かなグローバル・サウスの国の一握りのエリート(大地主や政治・軍関係者など)のみで、その国の大部分のひとびとは、ひどい貧困状態に陥ります。
石油や鉱物などの資源は、その国のみんなのものであるのに、これらの国の一部のエリートたちは、自分と自分の家族が大きな利益を得られるのであれば、これらを西側政府や西側企業に売り渡す行為を進んで行います。
これは、「ヴェネズエラの(現政権への)反対派」と西側主流メディアで大きく取り上げられている、ノーベル賞もとった、Corina Machado(コリーナ・マチャド)さんの発言からも、とても明確です。
コリーナさんは、アメリカに住んでいて、アメリカ政府から多くの資金を受けていることで知られていますが、イスラエル政府やアメリカ政府に対して、「ヴェネズエラに侵略して、多くの爆弾を落としてほしい。自分(コリーナさん)を大統領にしてくれるなら、ヴェネズエラにある資源(石油、鉱物)や、自然(海沿いの美しい地域をアメリカ企業のリアル・エステートにする等)は、自由にアメリカや西側企業がつかえるようにする」と明言しています。
なぜ、彼女ひとりが、国民みんなの共有の大切な資源や自然について、決める権利があるのでしょうか。
南アメリカでは、南アメリカのひとびとの情緒をあらわすとされる、有名な寓話は以下だそうです。
「何かひとつお願いごとをかなえてあげる。そのお願いごとの2倍をあなたの敵に与えます」という妖精や魔人などに聞かれた場合、多くのヨーロピアンは、「自分に1億円ください(=敵には2億円わたる)」などというでしょうが、南アメリカのひとびとは、「私の片目をとってください(=敵は2つの目をとられ、完全に失明する)」というでしょう。
なぜなら、自分が何かを失ったとしても、自分の敵が、何かをうることはさらに許せないからです。
コリーナさんのような特権階級は、社会主義的な政策によって貧しい層が中間層へと移動してきたことが許せないというひとが多いそうです。
この政策で、特権階級が多くを失うわけではなく、今までずるして払っていなかった税金を、少し払うようになったり程度だそうですが、自分たちが特権階級の少数者でいられないなら、自分たちが少しくらい不利な目にあっても、ほかのひとびとを、さらにひどい状態においておきたい、という理不尽な感情や行動を抑えられない例は多いそうです。
また、ヴェネズエラ国内には、本当の反対党派も存在するのに、彼らには全く取材せず、この政党の存在すら、西側主流メディアでは報道しません。
なぜなら、ヴェネズエラは、「独裁政治(独裁政治では、反対政党を弾圧するために反対政党が存在しないことが多い→実際は存在する)」という印象をつくりだし、実際にはヴェネズエラの国民からはほぼ支持がない、海外にいるコリーナさんたちのようなひとびとが多くのヴェネズエラの人々を代表する声だという印象をつくりだしたいからです。
普通に考えれば、多くの国民たちが直接的・間接的な攻撃で死ぬことになる侵略を、特に虐殺を行っているイスラエル政府におおっぴらに頼むひとびとが、国民の支持を受けるとは考えられません。
たとえば、アメリカにバックアップされたイスラエル政府が、イランへの違法急襲攻撃を行った際、イラン政府への反対を唱え、刑務所に閉じ込められている政治犯のひとびとは、イスラエルの爆撃を批判し、即刻(違法)攻撃を止めることを求める声明を発表しました。
この違法攻撃では、イランの1000人以上のひとびと(多くは市民で、多くの子どもたちも含む)が、イスラエルによって殺されました。
イスラエル政府とアメリカ政府は、この違法攻撃によって、イラン政府への反対派がエンパワーされ、多くの人々がイラン政府に対する暴動・クーデターを起こすことを期待していたましたが、反対のこと(イラン政府への反対派も含めた国民全員が、違法攻撃に対して、現政府をサポートして団結)が起こりました。
多くの市民を殺したり、核施設を爆撃したり(多くのひとびとが死に、数世代にわたって悪影響がでる可能性が高い)、市民が最低限生きるために必要なインフラストラクチャーを壊したりすることで、「民主主義・平和・女性の権利・自由を助けている」というばかばかしいプロパガンダにだまされる時代は終わらなくてはなりません。
当たり前ですが、ヴェネズエラの多くの国民たちが、現在のマドゥロ大統領を取り除くために、アメリカがヴェネズエラに侵略し、多くの爆弾を落とし、多くの市民を殺してほしいと頼んでいるわけではありません。
マドゥロ大統領には、(現実には、存在しない)麻薬カルテルのリーダーであるとの嫌疑がアメリカによってかけられ、とても高い懸賞金(アメリカで同時多発事件を起こした首謀者とみられるアルカイダのリーダーと同じ金額ードローン爆撃でアメリカ政府によって殺された)がかけられ、それは、マドゥロ大統領が、暗殺・誘拐・拷問などにかけられる危険性がとても高いことを示しています。
その上に、アメリカのCIAが、ヴェネズエラ国内で、内部から崩壊させる戦略を行っていることも、アメリカ政府は公言しています。
この危機的な状況で、マドゥロ大統領は何をしているのでしょうか?
マドゥロ大統領は、多くの市民たちが集まるふつうの場所で、ひとびとと一緒に歩き、演説を行い、ときには舞台で市民のみんなと踊ったりもしています。
これらの演説やインタヴューで、マドゥロ大統領は、トランプ大統領へのメッセージは、と聞かれ、以下を答えています。
「Yes, Peace, Yes, Pease ー 平和にYes、平和にYes」
同時に、集まった多くの市民たちに対して、以下を語っています。
(スペイン語→英語訳からの直訳)
私たちは、アメリカとの間で、平和・和平を求めています。
でも、(平和は)主権(をもった国同士の対等な関係性で、どちらの主権も尊重される)という条件でのみで、成り立ちます。
対等性と自由。
私たちは、奴隷の自由を求めることもなければ、植民地の自由を求めることもありません。
植民地!決して!(=植民地になることは、絶対に受け入れない)
奴隷!決して!(=奴隷になることは、絶対に受け入れない)
このマドゥロ大統領のメッセージは、主権を重んじる国同士で同等の立場でのやりとりを求める平和的で、かつ、この状況下(国が侵略の危機にあるだけでなく、自分自身も暗殺される可能性が高い)で勇敢なメッセージだと思われますが、アメリカや西側主流メディアでは、マドゥロ大統領が弱いことを示していると馬鹿にされています。
西側主流メディアでは、既に戦争を正当化する、manufactured consent (マニュファクチャード・コンセント/製造された合意)をつくりだしています。
よくある例は、以下です。
「ヴェネズエラは独裁政治」
製造された合意: 民主主義と自由を国民に与えるために、アメリカが侵略するのは正しく、それで多くのヴェネズエラ市民が死ぬのは仕方ないこと。
マドゥロ大統領がアメリカの命令する通り、退任して、ヴェネズエラから出国して二度と帰ってこないと誓えば、アメリカは侵略する必要はなかったのだから、悪いのは、アメリカに従わなかったマドゥロ大統領。ヴェネズエラ市民の殺人の責任はアメリカではなくマドゥロ大統領にある。
事実: ヴェネズエラは、独裁政治的な面がないわけではないものの、民主主義は機能しています。
また、たとえヴェネズエラが独裁主義であったとしても、他国の主権を侵害して、アメリカが侵略を行っていい理由にはなりません。
アメリカでトランプ大統領が法律や通常の手続きを完全に無視して一方的に行っている多くのやりかたは独裁者的であり、かつ、アメリカの盟友である、中東の王政専制主義を行う国では、明らかに民主主義も行われていなければ、市民の自由も著しく制限されているにも関わらず、侵略もしなければ批判も行っていません。
既にトランプ大統領は、ヴェネズエラの石油とガス、鉱物を奪うことが目的である、と公言しているし、アメリカの政治家も、「ヴェネズエラに侵入すれば、アメリカ企業が死ぬほどもうかり、アメリカ国民が安くガソリンを買える」とニュース番組のインタヴューで明言していて、それに対する批判はありません。
アメリカ国民の7割以上は、ヴェネズエラ侵略に反対しているという国民調査もあり、アメリカの政治家は、本来なら国民の声を代表した政策を行うべきであるのに、ヴェネズエラの石油やガス・鉱物を数十年にわたって狙っているアメリカの石油大企業などの言いなりになっているとみられています。
上記の、ヴェネズエラ侵略ではアメリカ企業が死ぬほどもうかる、といっている政治家も、石油企業から多額の献金をもらっていることが分かっています。
当たり前ですが、ほかの国の豊かな資源を奪うために、その国の主権を侵害し、その国の多くの市民を殺していいわけがありません。
ほかにも、ヴェネズエラから多くのコカインがアメリカに流入している等の嘘もありますが、ヴェネズエラはコカインの生産地・精製地でもなければ、経路地ですらありません。
世界全体の5パーセント程度のコカインがヴェネズエラを経由しているという調査もありますが、それは、アメリカではなく、ヨーロッパにわたっているそうです。
ドラッグが問題でないのは明らかです。
なぜなら、つい最近、大量のドラッグ密輸でアメリカの刑務所に45年の禁固刑で入っていた元ホンジュラス大統領のフアン・エルナンデスさんは、トランプ大統領により、恩赦(おんしゃ)を与えられました。
フアンさんが大量のドラッグ密輸をしていたことは疑いようのない事実ですが、トランプ大統領は、先週のホンジュラスの選挙で、社会主義的な政策を進めていた主要政党が負けるよう、反対派である右派(フアンさん側の政党)に投票するようホンジュラスの国民によびかけました。
フアンさんの釈放は、多くのホンジュラス国民に右派政党に投票すれば、アメリカからの援助がたくさんある(もし現在の主要政党の左派が勝てば、アメリカが深刻な経済制裁をかけるなどの罰を与えることを示唆ー実際、トランプ大統領は、多くの国々に対して、関税を異様に高くしたり、経済制裁をひどくしたり、突然エイドを完全停止したりしている)というメッセージを与えることになり、選挙では、まだ結果は完全に出ていないようですが、少ないマージンながら左派が勝つとみられていたのに、右派が本当にわずかさ差で投票が多い状態だとみられています。
とちなみに、ホンジュラスの主要政党(左派)のリーダーは、2009年にアメリカがバックアップしたクーデターで取り除かれた、民主的に選ばれた大統領の妻です。
アメリカが、ほかの国々の選挙に介入したのは、今回が初めてではなく、最近だと、アルゼンチンでの選挙で、極右派のミレイさんの経済政策が非常に悪い結果をだしていて、選挙に負けることは確実だったにも関わらず、トランプ大統領が、ミレイさんが選挙で選ばれれば大きな補助金をわたし、そうでなければ、補助金は全く渡さないと公言し、ミレイさんへの投票を呼び掛けたところ、ミレイさんの右派の政党が勝ちました。
これは、あからさまなアメリカのほかの国の主権を侵害する選挙介入で、これが民主主義だとは全くいえません。
また、アメリカととても近い関係のエクアドールの現大統領である、ダニエル・ノボアさんの家族経営の大企業は、バナナを輸出する名目で、多くの麻薬をバナナでかくして密輸していることはよく知られていますが、アメリカ政府は、エクアドルに侵略するどころか、とても緊密な外交関係を続けています。
アメリカで現在問題になっているのは、フェンタニルという化学的に精製された麻薬ですが、これは中国などのアジア地域からわたってきているとみられています。
また、アメリカでのオピオイド危機を引き起こしたのは、アメリカの大きな製薬企業、パーデュー・ファーマ(大富豪のサックラー家族が所有・管理していた企業)です。
1990年代に、オピオイド系の薬であるオキシコンチンという、依存性がとても高く、大きな手術後などの特別な場合をのぞいて、痛み止めとして処方するのは適切ではないことを十分に知っていながら、利益が大きい薬だったので、医師や病院に大きな寄付を行ったりして、この薬をどんどん処方させ、多くのひとびとがオピオイド依存に陥りました。
少なくとも、アメリカでは10万6千人が、病院から処方されたオキシコンチンが原因で中毒へと陥り、死亡したとみられています。
この薬への中毒は今も続いていて、死者も出続けています。
アメリカでは、ひとの命より、利益優先の医療制度のため、医療にかかる金額はとびぬけて高く、病院での手術や検査などを受けることが難しい多くの市民たちは、痛み止めを処方してもらってなんとかやり過ごしていることが多い、という事情から、中毒者が大きく増えたと見られています。
経営者のサックラー家族は、初期からオキシコンチンは中毒を起こす可能性が非常に高く、痛み止めとして処方することは適切ではないことを知っていながら、利益がとても大きいために、そのまま、アグレッシヴに販売することを承認していたことが判明しています。
サックラー家族が選択したのは、賠償金などを抑えるために、このパーデュー・ファーマを破産させることでした。
中毒になったひとびとへの賠償金や、中毒を解消するのに役立つ薬づくりなどを提案していたようですが、実際に命や人生が奪われたひとびとのことを考えると、これらはとても小さなことで、責任を取ったとはいえません。
どう考えても、これは犯罪ですが、大富豪は政治家とも緊密につながっているため、サックラー家族が責任をきちんと取ることはないと見られています。
ほかの国々を責める前に、アメリカ国内での麻薬問題を扱うことが大切なのは明らかです。
また、国家政策として、麻薬密輸を歴史的に行った(大儲けできるから)のは、イギリス(中国に対して密輸を行い大儲け)、フランス(フランスの植民地だったヴェトナム・ラオス・カンボジアなどの広い地域でオピウムを製造させ、それをほかの国々に密輸することで大儲け)で、アメリカが力をもってからは、それにならい、アメリカ政府が、CIAなどを使って麻薬の密輸を行っていたことはよく知られています。
アメリカが、南アメリカでクーデターを直接的・間接的に起こし、民主的に選ばれた大統領や首相を暗殺したり、無理やり取り除いたあとにすえつけた傀儡政権の多くは、麻薬密輸にも関わっていることは知られているものの、彼らがアメリカのいう通りにしている限り、彼らは逮捕されることもありません。
いったん、彼らがアメリカの言いなりにならない行動を始めると、「麻薬密輸」を名目に逮捕を行いますが、アメリカ政府・大企業に都合がいい限り(=大きな儲けがある)、麻薬密輸がどうでもいいことであることは明らかです。
地球上のひとびとの多く、特に西側世界の住人だと、「アメリカは、自由で民主主義の国」と、ハリウッド映画や、小説やドラマ、ニュースなどから、思い込まされていますが、一歩離れて、実際に何が起こっているのかを、その思い込みをはずして、そのまま観察することは大切です。
英語圏だけでなく、ほかのヨーロピアン言語でのことわざにもあるのは、以下です。
「If it looks like a duck, swims like a duck, and quacks like a duck, then it probably is a duck/もし、(鳥の)カモのようにみえ、カモのように泳ぎ、カモのように鳴くのであれば、それは、カモだろう」
地域によって多少ヴァリエーションはあり、「カモのように歩き」が加わったり、「カモのように泳ぎ」が省略されたことわざもあるものの、言っていることは同じで、「たとえ誰かが(或いは多くのひとびとが)あるものである(=カモではなく、白鳥など)かのように主張したり、示されていたとしても、もしその多くの特徴がカモと一致するのであればカモである」ということになります。
多くの人々の言うことやプロパガンダに惑わされず、自分の目でみて、聞いたことをもとに判断する大切さを伝えています。
イギリスのジャーナリスト・作家のGeorge Owell (ジョージ・オーウェル)さんは、小説のなかで、以下のように記載しています。
「the party told you to reject the evidence of your eyes and ears. It was the final, most essential command/政党は、あなたの目と耳からえた証拠を拒否するように言いました。これは、最後の、最も大切な命令です」
自分の目でみたこと、耳で聞いたことを拒否して、権威者の言うことだけを信じ、言われるままに行動するよう訓練されることを受け入れれば、人生は楽かもしれませんが、自分で生きる意味はなくなり、ファシズムがはびこり、結局は、誰もがそれに飲み込まれ、どこかの時点で命を失うことになるでしょう。
ヴェネズエラに戻ると、証拠も法的な手続きもなく、漁船の爆破を命令したのは、アメリカ防衛庁のトップにあたるPete Hegseth(ピート・ヘグセス)さんです。
彼の前職は、極右派であるニュース番組Fox News(フォックス・ニュース)の司会者であり、政治の経験もなければ、国際政治も何も知りません。
ピートさんは、漁船を爆破したときに、最初の爆破で生き残った2人が、船の破片にしがみついているのをみて、二度目の爆破を指示した(=ダブル・タップ)ことで、国際法だけでなく、アメリカの国内法でも犯罪行為を行ったことが明らかとなりました。
それでも、法の解釈の悪用を通して、自分のやったことは間違っていない、と主張し、なんの責任もとっていません。
イスラエルが殺したパレスチナのひとびとの数があまりにも大きくて、この80人という人数に何も感じなくなっているかもしれませんが、彼らは、地元の漁師である可能性も高く、彼らには家族もいて、彼らを待っているひとびとがいます。
彼らには、生きる価値があり、誰にも彼らを殺す権利はありません。
非白人でグローバル・サウスに住んでいるからといって、アメリカ政府のひとびとより、命の価値が低いというわけでは全くありません。
たとえ、麻薬の密輸を行っている船があったとしても、まず麻薬の密輸を行っているという証拠をおさえ、そのうえで乗組員を逮捕し、裁判を受けさせる手続きをふむ必要があります。
アメリカが力をもっている国だからといって、国際法や法律を無視して、ジャングルの王のようにふるまっていいわけがありません。
先述したように、アメリカ政府は、マドゥロ政権に反対するひとびとに対して、大きな資金提供・武器提供を行っていることも証明されています。
Dropsite Newsによると、USAID(アメリカ合衆国国際開発庁)の記録では、アメリカ政府は、2024年だけでも、、1,800万ドル(約28億円)を、最近ノーベル平和賞をとったCorina Machado(コリーナ・マチャド)さんを含む反対派に渡したとされています。
アメリカ合衆国国際開発庁は、アフリカや南アメリカ、アジアなどで、自国の主権を重んじ、自国のひとびとの人間としての発展や自国の経済発展する政府を、内部からつぶすために、一見エイドと見せかけながら、USAID(アメリカ合衆国国際開発庁)を隠れ蓑に、政府への反対勢力をつくりあげ、プロパガンダのやり方や暴動の起こし方などの教育、資金と武器を与えて国内での動乱を引き起こしていることでも、よく知られています。
自国の主権を重んじ、自国のひとびと・経済の発展を試みる国々は、自国の資源を国有化し、無料或いは格安で、住居・食料・教育・病院などをすべての国民に提供することを行い、貧困を著しく減らすことでも知られていますが、これは、アメリカやイギリスといった経済帝国主義を行っている国には、許せないことです。
なぜなら、搾取できる国・搾取できる労働力が存在しないと、自分たちの富を蓄積する資本主義が崩壊するからです。
また、この仕組には、ヒエラルキーが必要であり、トップの数パーセント以外は、使い捨て可能な(使い捨て可能なレヴェルが違うだけ)労働力となり、この仕組みを保つために、使い捨て可能な労働力層の間で争わせ、本当の問題(経済的な帝国主義、資本主義)に目が向かないようにしていることに、気づいておく必要があります。
また、戦争への製造された合意については、日本のひとびとも注意しておく必要があります。
高市首相が、「中国が台湾への攻撃を行えば、日本の存立危機事態となる(=日本の集団自衛権をつかって中国を攻撃する)」との発言が、ヨーロッパでも大きく取り上げられましたが、この意味を歴史背景も含めて理解しておくことは大切です。
日本は、帝国主義に突っ走り、アジアの多くの国々に侵略し、多くの市民たちを殺し、占領を行った歴史があります。
中国では、1931年から1945年の間に、日本の中国占領への抵抗を続け、約3500万人の中国人の死傷者がでました。
かつ、中国の一部だった台湾は、日本が中国から奪い取り、1895年から1945年にわたって占領支配していました。
台湾では、台湾の原住民だったひとびとを、残虐に殺したことも知られています。
この中国での死傷者の数は、当時の中国の人口の約1割弱程度だとみられています。
死傷者の多くは、ふつうの市民たちです。
これらのことからも、高市首相の発言は、台湾が日本の一部であるかのような印象を与え、日本国内での戦争への製造された合意をつくりだしているとも見られています。
戦争は、大きな利益を一部のエリートたちにつくりだしますが、マジョリティーの普通のひとびとは、生き残ったとしても、長年にわたって苦しみます。
戦争を起こさないよう、外交や対話でよい関係を築くこと、好戦的なプロパガンダに惑わされないことは、とても大切です。
そのためには、歴史や、国際関係をよく知ることも大切です。
特に、日本や西ヨーロッパ、アメリカのように、多くの国々を侵略して暴虐をつくした国々の子孫は、それによって得ている富や特権(搾取して築いた富や、国際政治・国際経済での特権や優遇、裕福な国であることで多くの国をヴィザなしで訪れることができることも含めて)、どんな影響を侵略した国々に与えたか(現在にも続く影響を含めて)をよく知る義務があります。
二度と同じことを繰り返さないためにも、侵略された側の視点から語られることをよく聞く必要があります。
ひとの命の価値には、ヒエラルキーはなく、地球上の誰もが同等に生きる価値がある貴重な存在だということを、心から信じ、そう行動できることも大切です。(帝国主義は、白人至上主義や、民族至上主義ー日本だと日本人至上主義ーで、自分たちグループだけが特別だとし、ほかのひとびとを非人間化するものだから)
また、中国が脅威だというプロパガンダにも気をつける必要があります。
ヴェネズエラやメキシコがアメリカの脅威だというプロパガンダも嘘であるように、中国は、長い歴史の間、他国を侵略したことはありません。
他国へ攻撃したのは、中国が攻撃されたことへの正当な反撃であり、資源を盗むために、世界中へと侵略を行った西ヨーロッパ、アメリカ、日本とは大きく違います。
私たちは、アメリカや西ヨーロッパが世界の覇権を握り、ほかの地域やひとびとを搾取する世界を続けるのではなく(=多くのひとびとの犠牲の上に、地球上の約数パーセントのひとびとが巨額の富を築き続ける)、地球上のすべての国々とひとびとが、対等な立場で、お互いを尊重しながら、限られた地球上の資源をわけあって、善く生きていくことは、十分に可能です。
【参考】
ー https://www.aljazeera.com/gallery/2025/10/13/is-the-us-eyeing-its-next-latin-american-target
ー Dropsite News