ノイズに惑わされず、構造を見抜くことの大切さ
日本語では、エプスタイン・ファイルと表記されているようですが、ジェフリー・エプシュティーンはアメリカ人なので、アメリカ英語では、エプシュティーン、エプスティーンが近いかなと思います。
アメリカのニュースでは、上記のように発音されています。
The UK(イギリス・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの連合4か国)だと、同じつづりでは、エプスタインと発音されることが一般的です。
アメリカで、自分を「白人」と認識するひとびとは、アメリカ大陸の原住民のひとびとを虐殺、エスニック・クレンジングしてマジョリティー・原住民として置き換わったヨーロピアン白人・キリスト教徒の子孫か、ヨーロッパからの移民なので、「白人」の枠に入るひとの苗字は、往々にしてヨーロッパの苗字と同じです。
エプシュティーンという名前は、ユダヤ系ドイツ人にはよくある苗字のようで、実際、彼の両親はユダヤ人で、彼はアメリカ生まれのユダヤ系白人アメリカ人です。
このエプスタイン・ファイルでとにかく取りざたされるのは、性的な暴力・性的なアビューズで、「性的」であることがとにかく強調され、煽情的になりがちですが、被害者であった子どもたち・若い女性たちが正義をかちとり、加害者たちに責任を取らせるようにするためには、「性的」にフォーカスすることは間違っています。
イギリスに拠点をおく、独立系メディア「Middle East Eye (ミドル・イースト・アイ)」は、西アジア(「中東」という名づけ自体が、帝国時代に大英帝国を世界の中心として、大英帝国が一方的につけた名前で、現在は、地球全体をみて、西アジアというのが一般的)でのできごとを中心に報道していますが、エプスタイン・ファイルは、イスラエルの元首相、エフード・バラクやイスラエルの諜報組織・軍事組織とのつながりもよく出てくるためもあってか、対談がくまれていました。
対談は、ミドル・イースト・アイの女性ジャーナリストと、人権活動家であるJaney Starling (ジャニー・スターリング)さんでした。
ジャニーさんは、イギリスを拠点として、Levelup(レヴェルアップ)という団体の運営しています。
ジャニーさんは、「性的」なことだけに注目して、煽情的にさせることで、失われるのは、システム的な問題(← ここが解決されないと、いつまでも起こり続ける)であり、注目すべきは、「Violence(ヴァイオレンス/暴力)/Abuse(アビューズ)」だとしています。
ジャニーさんが強調しているのは以下です。
性的かどうかに関わらず、ゴールは「Power(パワー/権力・力)」と「Control(コントロール)」で、その手法が「Violence(ヴァイオレンス/暴力)/Abuse(アビューズ)」であることに、フォーカスすることが重要です。
国際的に権力や富を圧倒的にもっているひとびとが加害者であり、加害の残虐さと、被害者を世界のさまざまな場所から連れてきて(誘拐も含む)、世界のさまざまな場所で加害するスケールの大きさ、被害者からの訴えは数十年前から起こっていたにも関わらず、信じられないくらい長期にわたって続いていたことなどが顕著であるものの、性暴力・性的アビューズは、私たち普通の社会に蔓延(まんえん)していて、特別・特殊なモンスターが加害を行っているわけではないことは、よく覚えておく必要があります。
このエプスタイン・ファイルに登場する世界的に権力や富をもっているひとびとが、特殊なモンスターで、彼らが社会から取り除かれれば、こういった残虐な加害がなくなると考えることは、大きな構図をみる視点を失わせ、権力者たちが、自分たち権力者同士を守る(=自分たちの悪行の責任を取らなくて済む)ことを助けます。
これが構造的な問題であり、ここに登場する個人たちは、Sympton(シンプトン/症状)に過ぎない、という視点を失わないことは重要です。
もちろん、すべての情報が公開され、その情報を緻密に調べて、彼ら/彼女らの行動について公平な裁判が行われ、加害者が加害に対する適正な責任を取らされることは、最低限、必要なことです。
多くの性暴力・性的アビューズは、身近な場所ー家族・親戚、学校・塾といった教育機関、職場などーで起こります。
加害者は、モンスターではなく、父親・夫だったり、先生、上司などの、どこにでもいる普通の市民で、加害が起こるのは、大きな力の不均衡がある場所です。
力の不均衡が、被害者の沈黙を強いるだけでなく、「性的」だと認識された暴力・アビューズの場合、「性的」だと認識されない暴力・アビューズと違い、地球上の多くの社会で、被害者に「shame (シェイム/恥)」だと思い込ませ、それがさらに、加害者の「impunity (インピュニティー/罪や犯罪が罰せられたり、責任を取ることが全くないこと)」を助長させ、加害者が、暴力とアビューズを長期にわたり続けることを可能にします。
社会の構造を変える(新たな法律機関や法律の制定・変更なども含めて)ことも必要ですが、同時に、普通の市民たちが、被害者の言うことをまず信じ、これは「性的」なタブーではなく、ジャニーさんが言っていたように、『ゴールは「Power(パワー/権力・力)」と「Control(コントロール)」で、その手法が「Violence(ヴァイオレンス/暴力)/Abuse(アビューズ)」であることに、フォーカス』することが大切です。
強盗や盗みだと、被害者の服装や被害者の日常の行動について騒ぎ立てるひとはいないのに、「性的」だとみなされる暴力の場合、加害者が消えて、被害者のみが責め立てられるのは、「権力が権力を守る仕組」が、私たちのように、権力がない市民のなかにも内在させられていて、無意識のうちに、被害者(ほぼ100パーセント、権力が弱い側)を犠牲にして、加害者である権力者を守っているからです。
これに気づき、この間違っていて有毒な刷り込みをunlearn (アンラーン/今まで当然だと思っていたことを捨て去り、新たに学ぶ)し、被害者側に共に立ち、加害者に責任を取らせることは、とても大切です。
「性的」であろうとなかろうと、権力とコントロールを自分より弱い立場の人たちに対して行使したいという欲望を、暴力を使って満たしている、という根本的な構図に違いはありません。
また、加害者には加害しない選択は常にありますが、被害者には、加害者の行動をコントロールする選択肢はもちえません。
エプスタイン・ファイルで顕著なのは、深く、長期にわたる「impunity (インピュニティー/罪や犯罪が罰せられたり、責任を取ることが全くないこと)」です。
多くの暴力・アビューズは、力の均衡が著しく偏っているところに起こるので、インピュニティーが生じやすいとはいえ、この場合は、スケールの大きさや、被害者たちが数十年前から被害を警察に訴えているにも関わらず、長期にわたる、組織的で政治的なカヴァーアップ、法律の悪用(NDA/Non Disclosure Agreement/秘密保持条約の濫用)による、インピュニティーの根深さが顕著であると指摘されています。
また、メールなどのやり取りにみられる、これらのパワフルな男性たちの間での、被害者である子どもたちやとても若い女性たちに対する非人間化(モノ扱い、命の価値はゼロ以下)、自分たちを誰よりも優秀な種族であるとするsupremacism (サプレーマシズム/至上主義ー特定のグループや民族・宗教などがほかのすべての人々よりも優れているとするイデオロギー)が顕著にみられることも、大きな特徴です。
ここでは、人間として許されないことをしていることを、自分たちにはなんでもできる権利と自由があり(=子どもや女性は人間以下)、それらが表にでたり、責任を取ることはないことを完全に信じていて、パワフルな男性同士の間で、子どもや女性を暴行するという行為を共有することで、ボンディングしていることが明らかです。
また、この文書で確認された加害者である男性たちの圧倒的に多くは白人男性ですが、加害者が非白人・非キリスト教徒(特にイスラム教徒)であれば、まるで非白人・非キリスト教徒のひとびと全体に問題・責任があるかのように煽情的に報道されますが、今回は、白人・キリスト教徒・ユダヤ教徒であることに全く触れることはなく、これも、メディア・社会に強く浸透している人種差別・白人至上主義が反映しているとみられています。
このエプスタイン文書の中には、世界で左派として尊敬されていた哲学者ノーム・チョムスキーさんが、エプスタインと「racial eugenics (レィシャル・ユージェニックス/人種的な優生学 ※既に科学的な根拠は全くないことが証明されている)」について語り合い、非白人(特に黒人)がいかに白人よりも劣っているかを気ままに話していることが記録されています。
ノームさんは、科学的な根拠の全くない「人種的な優生学」といったイデオロギーの最も反対にいるとみられていたひとで、そういう人でさえ、白人至上主義の考えを当然のように持ち続けていたことは、多くの人々を失望させたと同時に、西欧社会(人口では約2割の地球上の人口では少数派ーでも圧倒的な経済力・軍事力をもつ)に根強く残る白人至上主義を明らかにしたともいえます。
白人男性のprivilege (プリヴィリッジ/特権)が、残虐な加害の責任を取ることを長年避けることを可能にした大きな要素だとみられています。
日本のように移民が圧倒的に少なく、マジョリティー・パワフルな層が非白人という社会では、これは日本では起こらない外国でのこと、と思うかもしれませんが、権力の構造・ヒエラルキーの問題なので、日本だと、政治家や医師・大企業の要職についているといった男性たちが圧倒的な権力(=特権)をもち、たとえ被害者が訴えたとしても、まともに捜査してもらえない、信じてもらえない等の対応となり、加害者が責任逃れを長年にわたって、あるいは一生にわたって可能にすることと仕組は同じです。
ただ、一ついえるのは、この特権を可能にしているのは、社会の構造とともに、私たち一人一人の考え・行動です。
たとえば、日本では「特権」があるひとびとも、ヨーロッパやアメリカでは、非白人としてくくられ、劣っている人種として扱われることになります。
もちろん、それ(非白人は白人より劣っている)は事実でも真実でもありません。
社会の構造なので、「誰かがほかのひとより偉い/生まれつき優れている」というのは偽物で、どこかで、私たちに刷り込まれたものです。
この「特定のグループが生まれつき優れている」という考えは、同時に、そのグループに属さないすべての人々を非人間化し、ひと以下として扱うことを当たり前のようにする土壌をつくることを可能にします。
だからこそ、この刷り込まれた考えに気づき、人種・民族・国籍・性別・性的志向の違い・心身障害の有無などに関わらず、誰もの命が尊く、同じ権利と自由をもっている対等な存在であることを心から信じて行動にうつすことは大切です。
「人種」に関しては、日本だけに住んでいると想像しづらいかもしれませんが、科学的には全く根拠がなく、地球上の地域によっても「白人」という定義がかなり違うことからも、社会的に構築されたものであることは明らかです。
(例/イギリスでは、西アジア出身のひとびとは非白人で、アメリカでは白人と認識される。中央・南アメリカ出身の西ヨーロッパ白人侵略者の子孫は、イギリスでは見かけによっては白人とされても、アメリカではほぼ確実に非白人と認識される、など)
西ヨーロッパの白人・キリスト教徒が、帝国主義・資本主義の両輪での発展に伴い、15世紀以降に、資源、(壊しても責任を取る必要のない)自然、無料・格安の労働力、新たな市場を求めて世界中を侵略してまわり、地球上の8割以上の地域を植民地化(入植者植民主義も含む)した際に、邪魔となった原住民(=非白人)の大量殺人や奴隷化を正当化するために、西ヨーロッパの侵略者と世界中の原住民との間での目に見える大きな違いは、肌の色素であることから、「人種」という概念をねつ造しました。
「白人(=ヨーロピアン、ヨーロピアンの子孫)」は、非白人よりも生まれつき優れている人種で、非白人は資源や土地を管理できる能力はないから白人がそれらを奪い取るのは当然で正しく、(キリスト教の)神からの使命であり、非白人に文明を与えること(キリスト教徒に強制的に改宗させること、ヨーロッパの言語や服装・慣習・文化を強制することなど)は(優れているからこその)白人の重責である、としました。
15世紀には、中国や西アジアは、西ヨーロッパよりもずっと進んだ技術・科学・文化をもっていましたが、西ヨーロッパ出身の侵略者たちの目には、自分たちの文化や慣習・宗教と違うものは、すべて「野蛮」としかうつらず、これは、現在にも続いているものです。
これらの地域が優れた科学や文化をもっていたにも関わらず、西ヨーロッパに侵略されたのは、西ヨーロッパが圧倒的な殺人力・軍事力をもっていたことによります。
地球上のどの地域でも、一方的に侵略し、ひとびとを殺し、家や土地を奪えば、数世紀そこに住んでいるひとびとから抵抗があるのは当然で、それを力で抑え込むために、軍事力を発展させたのが、ヨーロッパやアメリカの、いわゆる「文明化」の歴史です。
歴史的パレスチナ地域でのイスラエルによるパレスチナ人虐殺、エスニック・クレンジングをみれば、これが続いていることは明らかです。
イスラエルは、アメリカやカナダのように、ヨーロッパからやってきた白人(イスラエルの場合は、白人かつユダヤ人)が中心となり、侵略・虐殺・エスニッククレンジングを通してイスラエル建国を行い、その後も、先住民であるパレスチナ人の土地や資源、命を奪い続けています。
アメリカやイギリスなどの西欧政府が、イスラエルの虐殺・エスニッククレンジングを止めるどころか、積極的に加担し続けているのは、非白人の命をゼロ以下としてしか見れず、西側企業の儲けになるのであれば、どれだけ非白人の命が失われようとどうでもいい、という原則がいつも通りに適用されているにすぎません。
市民たちと政府の意向は大きくかけ離れていて、市民からの抵抗(パレスチナでのイスラエルによるパレスチナ人虐殺への反対運動)が強くなっているために、虐殺を止めることを求めるジャーナリストをテロリスト法で逮捕、虐殺を止めることを求める団体をテロリスト指定(つい先日、高裁で、イギリス政府がテロリスト指定したことは違法、との判決ー政府はこの判決に反対し、控訴することを発表)などして、市民と政府との対立は強まっています。
市民からの抵抗を止めるために、見せかけの「停戦条約」、見せかけの「平和協議会」をでっち上げましたが、イスラエルによるパレスチナ人虐殺は全くとまらず、隣国のレバノン・シリアでも、多くの市民が毎日のようにイスラエルによって殺されています。
多くの市民は、これに惑わされず、デモンストレーションなどの抵抗を続けていますが、主流メディアは、もともと政府や大富豪によってキャプチャーされているため、イスラエルによる大量殺人やエスニック・クレンジングの報道は、ほぼゼロになりました。
独立系メディアなどで、何が起こっているかを確認する手段はたくさんあるので、いわゆる「権威」を完全に信用することなく、権威があるからこそ、疑ってかかることも重要です。
エプスタイン・ファイルに記録されている加害者は、「権威」があるひとばかりであることからも、明らかだと思います。
ばかばかしいイデオロギーであることは、特に非白人社会である日本では、多くのひとが簡単に見抜けると思うのですが、植民地化された多くの地域(地球上の約8割)と元植民地宗主国(イギリス、フランスなどの西ヨーロッパの国々)、入植者植民地国(アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどの、西ヨーロッパの侵略者が、原住民を虐殺・エスニッククレンジング・同化政策を通して、原住民・マジョリティーとして置き換わった地域)では、社会・経済・政治、教育機関・司法機関といったさまざまな仕組に組み込まれていて、このイデオロギーはいまだに根強く残っています。
エプスタインと、彼の周りにいたパワフルな男性たちーイギリスの元皇室メンバーやさまざまな国の力のある政治家たちも含むーから加害を受けた被害者たちは、すべての文書(メールや文書だけでなく、映像・写真も含まれる)を公開するよう求めていますが、現在公開されているのは、アメリカ政府がもっている資料のうちの約5パーセント程度だとするジャーナリストもいます。
市民たちからの公開へのプレッシャーが強まったままだったので、仕方なく公開したものの、公開しても権力者たちに大きく影響のないものだけを公開したと見られています。
公開された文書の内容の残虐さを鑑みれば、公開されなかった文書の中に含まれているものが、どんなにひどいものかは想像をこえているかもしれませんが、これらは公開され、加害者は公正な裁判を受け、適正な罰・責任を受けるべきなのは明らかです。
また、この文書の公開の仕方についても、「権力が権力を守る」典型的なパターンを示しています。
この公開文書は、通常なら、注意深く被害者の氏名や詳細を隠すのに、被害者の氏名や詳細が公開され、加害者の氏名や詳細は注意深く消されていました。
厳しい指摘があった後、被害者の氏名や詳細が消されたケースもありますが、最初の公開で、既に1200名の被害者の氏名や詳細(=被害者を特定できる)が公開されたそうです。
アメリカ政府の意図がどうであったかに関わらず、これは、被害者への脅し(=ほかの被害者へ、被害を訴えると、世界中に氏名や詳細を公開することを示し、黙らせる)と取られても仕方なく、加害者を注意深く守っていることからも、「権力が権力を守る」典型的なケースだと見られています。
本来なら、公開を行った司法機関は、被害者を守ることを怠ったことに対して、責任を問われるべきですが、現在のアメリカの司法機関は既に権力にキャプチャーされていて、それは起こらないと見られています。
でも、世界の市民からの突き上げが続けば、この状況は変わる可能性はあります。
現状がある状態だからといって、それが永久に変わらないわけではありません。
ただ、市民たちが何もしなければ、何も変わりません。
権力側は、自分たちに都合のいい状況を変える理由はどこにもありません。
もし、彼らにモラルなどがかけらでもあれば、もともと暴力・アビューズを行っていません。
だからこそ、権力側が自分たちで変わることを期待するのではなく、誰かやあるグループが圧倒的な権力をもつ状態をつくらない社会にすることが大切です。
ここには、帝国主義のアレンジメントを必要とする資本主義を壊すことも含まれます。
なぜなら、資本主義は、地球上の多くのひとびとを犠牲にして、少数のグループが富・力を蓄積する仕組みだからです。
現在、少数の大富豪や権力者に富が蓄積し続け、多くのひとびとが貧困に陥っていることを、ネオ・リベラル主義の台頭が問題で、「よい」資本主義へと回帰すれば、誰もが豊かになる、とするひとびともいますが、現在の状況は、資本主義が本来機能するように機能してきた結果であり、資本主義を追及する限り、少数のひとびとに富と権力が蓄積し、暴力やアビューズを責任を取ることなしに行い続ける状況は変わりません。
この暴力やアビューズは、国家的なレヴェルでみれば、一方的な戦争・紛争、経済制裁(爆弾を落とす物理的な戦争よりも死者を多く出す)、経済封鎖、虐殺なども含まれます。
先述したジェニーさんは、身近で緊急にする必要があり、できることとして、被害者を誰もが信じて話を聞く社会(=加害者を消し、被害者を黙らせる環境をつくらない)、性的暴力について家族・コミュニティーでオープンに話すこと、加害者に確実に責任を取らせること、現在ある組織(警察など)がうまく機能できないのであれば、別の機関を、子どもと女性に対する暴力に特化した機関を新たに設置することを求めること、などを挙げていました。
絶望的に感じるかもしれませんが、国連人権委員会は、先日、このエプスタイン・ファイルにあることは、「climes against humanity (クライムズ・アゲインスト・ヒューマニティー/人道に対する罪)」にあたる可能性が高く、国際法・国内法で裁かれなければならない、としていました。
このファイルからは、市民(民間人ーこの場合、被害者となった子どもや女性)に対する広範で、強制的なプロスティチューション(金銭やなんらかの見返りー見返りには、「言うことを聞かなければ自分の家族が殺される」という脅しで選択肢ががない状況も含むーを引き換えにした性的な行為)の組織的な攻撃が記録されていて、そこには、性的な奴隷・レイプ・トラフィッキング(国内であっても、別の場所にひとを移すことはトラフィッキングにあたる)・迫害・拷問・殺人を含むことがみられます。
地球上のほぼすべての国には、司法組織があり、この犯罪は地球上のさまざまな地域で行われているため、関わっている国々の司法組織(警察・裁判所)は、これらを綿密に調査し、公正な裁判を行い、加害者に責任を取らせる必要があります。
同時に、被害者に対して、適正な賠償を行うことも重要です。
国連の人権委員会の専門家は、とても明確に以下を述べています。
「(すべては過去に起こったことで、今さら蒸し返すことは意味がないので、これを忘れて)今は前に進むときです、というどんな提案も、完全に受け入れられないことです。それは、被害者たちに対しての責任をとれなかったことを示しています。」
「法律が適用されないほどの、富裕すぎる、権力がありすぎる、というひとは存在しません(=どんなに権力やお金があろうと、法律は誰に適用され、そこから逃れられるひとはいない)」
【参考】
Middle East Eye: Epstein survivors take on Pam Bondi | MEE Live
https://www.youtube.com/watch?v=vFmrjN79BuM
In Context: Race & Power in America Lessons from Epstein’s Network
https://www.youtube.com/watch?v=SeIwBygAytM
UN(国連): Flawed ‘Epstein Files’ disclosures undermine accountability for grave crimes against women and girls: UN experts
https://www.ohchr.org/en/press-releases/2026/02/flawed-epstein-files-disclosures-undermine-accountability-grave-crimes