戦争のドラムに踊らされないことの大切さ ②

Yoko Marta
23.04.26 04:14 PM - Comment(s)

パターンを見抜く -「戦争以外に、選択はない」という製造された合意にのみこまれないために

歴史をみると、戦争・侵略へのドラムをたたくパターンが見えてきます。
見かけや手法が違っても、基本のパターンは同じなので、パターンを認識し、(戦争・侵略を起こす)動機を理解し、それに対応した行動をすることは重要です。

(ほとんどは国際法違反である)戦争・侵略・紛争を引き起こしているのは、アメリカやイギリスといった西側諸国で、狙われた国や地域は、資源が豊富な地域/戦略的に重要な地域(石油やガスを運ぶ船の経路など)であることは、よく覚えておく必要があります。

アメリカは、自国が戦場になったことはない、ということは重要な点です。
日本が行った、(アメリカ領)真珠湾攻撃が唯一の例外ではあるものの、アメリカ本土ではなかったこと、軍事施設への攻撃だった(=市民を狙ったり、市民を巻き添えにすることを目的とする攻撃ではない)ことから、自国が戦場になったことがない、という議論は、現在でも成り立つと思います。
これは、アメリカの国家主権が脅かされるような侵略や攻撃にはあったことがないということで、自衛のために闘っているという図式は成り立ちません。
逆に、アメリカやイギリスといった元植民地宗主国により、侵略・戦争・紛争を自国内で引き起こされた国々(多くはグローバル・サウスの資源が豊かな、元植民地国)は、自国の主権(国境を侵害されない、国内の施設や家・土地などを他国から破壊されない、経済・政治・司法などのコントロールを自国で保つ、国民の命を侵略者から守るなど)を守るために、自衛のための防戦を強いられてきました。

詳細や例は後述しますが、基本的には以下のパターンです。

資源の豊かな国々や地域が、経済的・地理的な独立をはかる
自国の主権を尊重し、自国の豊かな資源を自国のひとびとの人間的な発展、経済的な発展へと使う=アメリカや西ヨーロッパ政府・西側企業に好き勝手に自国の資源を盗んだり搾取させない+自国の人々を格安労働者として搾取させない
※多くの国々は、植民地宗主国から、政治的に独立した後、社会主義的な政策(教育や医療・住む場所・健康な食料へのアクセスが全員無料など)をとり、極端な貧困を一気に減らし、識字率を短期間で大幅にあげ、乳児の死亡率も大きくさげるという結果を出しています。
アメリカなどの西側諸国にコントロールされていた間は、その国の約1割のエリート(貴族や富豪、大地主、軍隊の上層部など)が多くの資源と土地を所有し、西側諸国の政府や企業から多額のわいろなどを受け取り、残りの9割のひとびとをとても貧しい状態においていました。
この政策で土地や資源が減らされ、西側企業や西側政府からわいろを受け取れなくなった人々が、自分たちの特権が失われたことに怒り(今まで、同胞の市民たちから資源を盗んで西側にわたすことで自分だけが利益を得ていたことは、自分のように特権をもって生まれてきた人には当然で、ほかのひとびとを犠牲にして自分だけが豊かでありたいと思っている)、西側世界に移民して、外側からクーデターを起こそうとしたり、西側政府や西側企業が、このエリート層をけしかけて、内部でクーデターを起こさせることも、よくあるパターンの一つです。
そうすれば、西側政府・西側企業が、再び土地・資源を独占し、ひとびとを搾取することが可能になります。
その国のリーダーを、「独裁者/テロリスト/共産主義者」とラベルを貼るのは、先述したことが起こっている証拠(国の資源を乗っ取るための前準備)です。

西側政府からの経済制裁 ・経済封鎖
ほぼすべての経済制裁は、市民が一番の被害を受け、死にいたることも多いため、集団懲罰として国際法で違反ーアメリカなど西側の経済的に大きな国々が、多大な資源のある経済力・国際社会での力が少ない国々に対して行うため、違法にも関わらず、止める義務のある国々は何もしないか、アメリカからの大きな罰金を恐れて、加担する。

経済的に難しい状況となる 
経済制裁は、市民が苦しむようにデザインされている
経済制裁は、アメリカやヨーロッパが中心となって行われるものの、多くの貿易は、アメリカ・ドルを通して行われるため、アメリカとは関係のない他国とも取引がほぼ不可能になり(国際取引に使われるSWIFTも使えない)、インシュリンといった基礎疾患の薬すら市民が手に入れることが難しくなる/経済制裁リストは一方的で、赤ちゃん用の粉末ミルクが軍事使用と民間使用の両方にあたるとして輸入禁止となったりする/ハイテック技術などを使った部品も輸入できなくなり、航空機や車の工場の機械の部品が手に入らなくなり事故が増えるなど。

社会が不安定になり、暴動やプロテストが起こる ー経済制裁は、社会を崩壊させ、絶望的になった市民たちが、政権交代を求めて暴動を起こしたり、内部で民族・宗教の宗派などでの分離・対立が起こして市民戦争が起き、国として機能できない状況をつくりだすことを目的としている
アメリカやヨーロッパなどの西側諸国が諸悪の原因)で、経済危機が起きているにも関わらず、インフレーションで生きるために必要な食料が変えない、銀行に貯金していたお金の価値がほぼゼロになるなどの状態になると、ひとびとは、冷静に考える能力を失うのは、よくあることで、アメリカのNGOなどが、この暴動を扇動することでも知られている。

「独裁者を倒して、民衆に自由と民主主義を与える」などのスローガンで、西側諸国、或いは、NATO(北大西洋条約機構)が大規模な爆撃・侵略・占領を行い、多くの市民を殺し、政府や経済機関などが機能できないようにし、西側の言いなりになる傀儡(かいらい)政権をおくか、それが無理であれば、国全体を混乱に陥れる
どちらの場合も、石油やガス・鉱物などを西側政府・西側企業が奪い取り、独占する。

地球上の多くの国々が、アメリカやイギリス・フランスといった西側諸国(元植民地宗主国/帝国主義国)からの攻撃に苦しんでいる/苦しみましたが、近年の例として、ここでは、リビアとイラクを挙げておきます。

同時に、日本のように、第二次世界大戦以後は、アメリカからの直接的な軍事介入(=多くの罪のない市民たちが多く殺される)がないのは、世界の少数派のグループであることも心に留めておく必要があります。
日本は、これらの(違法な)侵略・戦争により、帝国主義的なアレンジメントを必要とする資本主義が続いたことで、間接的に利益を受けた国々の一つです。
第二次世界大戦後、日本が急速に経済的に豊かになれたのは、グローバル・サウスの国々の豊かな資源の搾取・労働力を格安に搾取することで、グローバル・ノース側(日本や台湾を含む)に富や資本を蓄積する仕組みが続けられたことが大きな要因です。
グローバル・サウスの国々が、豊富な資源、優れた労働力があるにも関わらず、貧しいままなのは、上記のように、グローバル・ノースによって、貧しくさせられている仕組があるからです。
また、度重なるアメリカなどの西側政府からの軍事介入・政治介入で、軍事費や軍事への労働力を確保せざるを得ないこと、国が荒廃させられることも、経済的な発展を妨げる要因となっています。

リビア(1969年~2011年)
経済的・地理的な独立(=自国の主権を尊重し、自国の豊かな資源を自国のひとびとの人間的な発展、経済的な発展へと使うーアメリカや西ヨーロッパ政府や西側企業に好き勝手に自国の資源を盗んだり搾取させない+自国の人々を格安労働者として搾取させない)→ 西側政府からの経済制裁 → 経済的に難しい状況となる → 社会が不安定になり、暴動やプロテストが起こる → NATO(北大西洋条約機構)が大きな爆撃を行う → カダフィ大佐は殺され、リビアは崩壊状態となる。崩壊状態となったあとは、リビアの豊富な資源を西側企業が独占。リビアの巨額の資産(推定330億アメリカドル)は凍結され、リビアの苦しい生活を強いられている普通の人々にはアクセスできない。

リビアは、自国の豊かな金や石油を自国で管理していた西アジアでほぼ唯一の国で、カダフィ大佐が腐敗した王政を倒したあと、強大な福祉国家とし、教育・医療・健康な食物・住む場所などの、人々が人間として発展するために必要なものは全て無料で、西アジアの中でも高い教育率を誇り、豊かな社会を築いていました。
アメリカや西側諸国・西側大企業は、リビアの豊富な資源を奪うことを狙っていたこと、また、カダフィ大佐が、アフリカや西アジア圏に、アメリカドルを使わない石油の売り買いをする仕組(新たな通貨)をつくろうとしていたことで、リビア政府をつぶすことが、一方的にアメリカ・フランスなどの西側諸国によって決定されました。
詳細は、私の記事のここより。
(偽りの)プロパガンダは、『独裁者「カダフィ」がアラブの春で民主主義を求めて立ち上がった国民たちを化学兵器で攻撃する準備があるーリビア国民を独裁者から救い、自由と民主主義を与える責任がアメリカや西側政府にはある』でしたが、実際には、これは嘘であったことが明らかになっています。
この偽りのプロパガンダは、西側主流メディアや、西側の国営放送によって、まことしやかに報道されていたことは、忘れてはいけません。
偽りの報道であったことは、遅すぎる時点で、小さく新聞に掲載されたりしますが、それによって、責任を取ったひとはいません。
無実の市民が西側の爆撃により殺され多くの公共施設(電気・上下水道・学校・病院・港など)が破壊され、それによる間接的な死者が多く出たことも覚えておく必要はあります。
偽りのプロパガンダを行い、戦争へと導いたメディアには、戦争責任があります。

西側プロパガンダでは、カダフィ大佐が狂人のように報道されていましたが、現在でも、多くのカダフィ大佐の演説は意義の深いもので、西アジア地域・アフリカ大陸では、豊かな国(経済的だけでなく、人間の発展を成し遂げた豊かさ)をつくったリーダーとして人気があります。

現在は、かつてのリビアの豊かさの影もなく、市民たちは民族や宗派によって分断され、民兵たちが分断された地域を自分たちのルールで統括し、奴隷市場ができるまでに荒廃しています。
これは、アメリカや西側諸国の望んだことです。

これは、オバマさんが大統領だった時ですが、アメリカは、誰が大統領かに関わらず、同じように、国際法違反の爆撃・侵略・占拠などを行って、多くの市民(グローバル・サウスの非白人)を殺しています。
だからこそ、誰が大統領なのではなく、そのシステム・仕組を見抜くことが大切です。

イラク(2003年)
リビアとほぼ同じで、違いは、NATO(北大西洋条約機構)ではなく、アメリカとイギリスがメインとなり、国際法違反であることを誰もが認識しながら、違法侵略・違法占拠へと進めたことです。
イラクの豊富な石油を奪うことが目的だったことは、現在では明確にされています。
この侵略で、約100万人の無実のイラク市民が殺されたと見られています。
また、900万人が住む場所を失い、避難民となりました。
イギリスの国営放送BBCでは、「Once Upon a time in Iraq (イラクでは、昔)」というドキュメンタリーで、当時イラクに住んでいた普通のイラク人(多くは国内、近隣の国々で難民となった)へのインタヴューもあり、雨のように降ってくるアメリカ・イギリス爆撃の中を逃げ回る父親が、背中に背負った幼い子供に「こんな世界に生んでしまって、本当にごめん」と何度も謝っている姿を見たことが、忘れられない、と言っていました。
イラクでは、多くのアメリカ兵・アメリカ民兵・イギリス兵が、イラク市民に対して戦争犯罪を行ったことが判明していますが、ほぼ誰一人責任を取っていません。
イギリスの独立系メディア「Declassified UK」では、普通に暮らしていたイラク市民の家が、突然イギリス軍の爆撃によって破壊され、子供は殺され、母も重傷となったケース(←珍しくない)で、イギリスになぜ、そんなことが起きたのかを調査する訴えを起こしたことを記載していました。
イギリスでは、イギリス軍の戦争犯罪を調査するための機関が設置されましたが、調べる価値がない、ということで却下されたそうです。
Declassified UKでは、ほかにも、学校の先生だったイラク市民の男性が、突然、イギリス兵士たちに誘拐され、牢獄で拷問を受けて殺されたことも記事になっていましたが、詳細な調査でも、この男性はアメリカやイギリスの侵略に反対した民間軍事団体に入っていたわけでもなく、誰一人傷つけたことのない普通の市民であり、誘拐・牢獄にいれることは完全に違法であり、たとえなんらかの暴力をふるったとしても拷問は戦争犯罪なのですが、イギリスでの調査はさっさと打ち切られ、誰一人責任を取っていないそうです。
この拷問に関わったイギリス兵士の一人は「戦争だった(から仕方ない)/昔のこと」のような言い方で、全く反省していないのが明らかだったそうです。
侵略・占領された側の市民にとっては、突然、家族の多くを殺されたり、家を爆撃されすべてを失ったり、身体が不自由になったりと、侵略者・占領者がたとえ数年後・数十年後に去ったとしても、その結果を今も生き続けています。
ここには、不発弾が始終どこかで爆発して子どもたちを殺したり、化学兵器や毒性のある兵器が使用されたせいで、水や土地が汚染されて奇形児が生まれたり、漁業や農業ができなくなり、すべてを捨てて都会のスラムで日雇いの仕事をせざるを得ないことなども含みます。
これは、西側のナラティヴ(新聞などのメディアだけでなく、ハリウッド映画や小説なども含む)から、完全に抜け落ち、イギリス・アメリカ兵士たちは、「他国の民主主義・自由と人権のために命をかけて戦った英雄」として賞賛され、そのナラティヴに誰一人疑問も抱かなければ、数万人・数十万人もの無実の市民が自分たちの政府によって殺されたことについて、完全な無視を決め込むか、「多くの命(=西側の白人の命)を救うために、巻き添えになるひとびと(=非白人)がいるのは仕方ない」という議論にいきつきます。
でも、イラクは、アメリカやイギリスに対して攻撃したこともなければ、攻撃するキャパシティーも動機も全くないのは明らかで、この議論に正当性もなければ、理論も破綻しているのですが、普段は人権やひとの命の大切さなどを説くひとびとも、この議論が正しいものとして繰り返します。

自国に、他国の兵士が侵略・占拠を行った場合、侵略・占領者、彼らの指導者(多くは西側諸国の白人)は、その地の国民たち(侵略をうけるのはほぼ常に非白人がマジョリティーの国々ー地球上の約8割)のことばも慣習も理解する気もなければ、命の価値もゼロ以下で、非白人全体を「野蛮人」とひとくくりにしてみて、残虐に扱うことは、とても多く起こっていますが、加害者は、ほぼ責任を取ることはありません。
侵略・占領が起こると、爆弾や射殺で殺されるだけでなく、突然誘拐されて拷問にかけられるなども、よく起こることは、覚えておく必要があります。
また、占領されている側のひとびとが、先祖代々耕していた農地にいく、いつもの道に、突然占領軍の兵士が関所をもうけ、その関所を通ろうとしただけで射殺されることも起こります。
占領軍の兵士は、ほぼ全員が現地語を話さず、占領されている側のひとびとは、ひとではなく、「脅威/野蛮人」としか見られていないので、農民が農地に行く途中であることが明らかでも、関所で止まらなければ、車に乗っている全員を射殺、ということになり、当然、占領されている側からは、反発が強くなります。
また、イラクでは、侵略の前の長年にわたる、西側政府による経済制裁はとても深刻で、5歳以下の子どもが約50万人、経済制裁が原因で死んだとみられています。
生き延びた子どもたちも、栄養不足が長く続いたために、その影響が大人になっても続き、自分たちの可能性を発揮できなかった、失われた世代として知られています。
経済制裁では、軍事二次使用できるものとして、子供用の粉ミルクが輸入禁止になり、アメリカや西側政府が勝手に一方的に決めるこれらの経済制裁は、普通の市民を苦しめる・殺すことが目的であることも指摘されています。
アメリカで、英雄のように尊敬されている女性政治家のMadeleine Albright(マデレーン・オルブライト)さんは、この政策について聞かれ、「(アメリカの利益/安全を守るために)これらの子どもの死は価値があった(=アメリカの利益のためなら、イラクの5歳以下の子どもが50万人死ぬような政策を行うことは正当)」と答えたことでもよく知られています。
当然ですが、イラクはアメリカを攻撃したこともなければ、攻撃する予定もキャパシティーもなく、アメリカ市民・アメリカ政府への脅威はゼロでした。
理由がどうであれ、無実の市民や子どもたちを殺していいわけがありません。
皮肉なのは、イラクのフセイン大統領は、アメリカ政府のお気に入りだった時期も長く、その時期には、アメリカやイギリス・フランスなどのバックアップで、革命後の混乱期のイランへと侵略し、ドイツから提供された化学兵器を多くのイラン市民に使ったことでも知られていることです。
ほかの西側諸国も、ドイツが化学兵器を違法に提供して、それがイラン市民たちに使われることを知っていたものの、全く止めませんでした。
アメリカだけでなく、イギリスやフランス・ドイツなどの西側諸国がダブル・スタンダードである/ヒポクリティカル(高いモラルや民主主義・国際ルールなどを遵守していると言って、ほかの国々を説教して回っているのに、実際の行動は正反対)と言われる所以です
違法侵略の目的は、イランの豊富な石油や鉱物を奪うことであったことは明確になっています。

イラクのアメリカ・イギリスによる違法占拠は、紙面上では終わったことになっていますが、イラク石油の売上金は、アメリカの銀行にわたり、アメリカからの許可がないと、イラク政府にはアクセスできません。
長くなるので、別の機会に書きますが、現在、イラクでは、民主主義によって選ばれ、民主主義の規則に従って公正に首相に指名されたヌーリー・マリキさんが、アメリカ政府には気に入らないということで、アメリカ政府は、マリキさんが首相になれば、イラク石油の売上金を凍結すると脅しています。
イラクの収入の9割は、石油であり、凍結されれば、国全体の経済が立ち行かなくなり、再び、多くの市民が間接的に殺されることになります。

日本の主流メディアは、基本的に西側主流メディアの一部の記事の翻訳といった形が多いので、主流メディアだけをみていると、上記の現実に対して、何も疑問を感じないかもしれません。

でも、よく考えてみましょう。

もし、日本の首相がアメリカ政府の意向によって退陣させられたり、主要な貿易収入である車を海外に売ったお金がすべてアメリカの銀行へと保管され、アメリカの許可なしにアクセスできず、アメリカの言う通りにしなければ(たとえ、それが国益や、込み人の福祉にとって、完全に反することだったとしても)、その資金を凍結すると脅される状態であると、想像すると、どうでしょうか。
これは、国の主権を完全に侵害していると、理解するのは難しくないと思います。

これは、現在、ヴェネズエラに対しても、アメリカ政府が行っていることです。
ヴェネズエラの国家の収入源は、イラクのように約9割が石油で、石油はアメリカ政府・アメリカ企業によって管理され、売上金は、アメリカの従属国であるカタールの銀行へと入り、アメリカの許可がなければ引き出せません。
石油がどの国に売られるかも、アメリカ政府によって決められ、今まで助け合いでキューバに送っていた石油輸送船も拿捕され、アメリカ政府によって奪われました。
また、ヴェネズエラのゴールドは、イギリスの銀行に保管させられていますが、Covid-19と経済制裁でヴェネズエラが苦しんでいた時、このゴールドをヴェネズエラ政府がアクセスできるよう求めましたが、イギリス政府は拒否しました。
ゴールドは明らかにヴェネズエラ政府・国民のものなのに、アメリカやイギリスがそれにアクセスすることを拒否するというのも、主権をもった国に対して、考えられないことですが、実際に起きていることです。
だからこそ、グローバル・サウスでは、アメリカドル・ユーロ、アメリカや西側の金融機関をバイパスする仕組みづくりをすすめています。
中国も経済発展国の一つ(=グローバル・サウス)で、この動きをともに進めています。
アメリカドルの世界での独占性が失わると、多額の国の借金だけでなく、市民たちの借金もとても高いアメリカは、経済が破綻することが明らかで、だらかこそ、グローバル・サウスを脅したり、武力で侵略して、アメリカの支配下に置き続けることを狙っているとみられています。

キューバは、アメリカ政府による深刻な経済制裁に60年以上苦しんでいるものの、教育の質も高く、多くのすぐれた医師を養成し、医師が必要な地域へと医師団を世界中へ送り出していることでも知られています。
でも、現在はアメリカ政府による経済封鎖で、トランプ大統領が宣言したように「水も食料も、燃料も入らせない。キューバは終わっている」で、病院も燃料の節約をせまられ、子供のがん患者の生存率はとても高かったものの、この封鎖で生存率が既に落ちてきているそうです。
こんな、非人間的なことが許されて言い訳がありません。
ちなみに、トランプ大統領の発言は、イスラエの高官がパレスチナ人に対して言ったことと同じで、虐殺を示唆しているとみられます。
生きるために必要なものをブロックするのは、中世時代の包囲と同じレヴェルで、もちろん、国際法でも禁止されています。
普通に考えれば、どんな状況でも、市民の命を奪うことが許されて言い訳がありません。

アメリカ合衆国の財務長官、スコット・ベッセントさんは、つい先日、ミュンヘン安全保障会議で、イランに対して通貨の操作を行い、イランのドルが著しく不足する状況を作り出し、そのせいでイランの銀行が破産しかけ、イランの中央銀行が現地通貨のリアルを大量発行するしかなく、それが原因でハイパー・インフレーションが起き、市民たちのデモンストレーションが起き、それが暴動者たちに乗っ取られたことを、自分の金融政策がうまく機能した証拠だと自慢していました。
イランでは、100人以上の警官が暴徒(暴徒には、イスラム過激派やアルカイダなどの多くの外国人がいたことも判明している)によって殺され、家に帰る途中のいつもの道で暴徒によって残虐な殺され方をした市民たちも多くいましたが、この意味のない多くの人々の殺人を引き起こしたことを、「自慢」できるのは、イランの市民(非白人・非キリスト教徒)の命の価値をゼロ以下だと思っているからです。

同じミュンヘン安全保障会議で、アメリカのヴェテラン女性政治家、ナンシー・ペローシさんは、イランでの政権転覆が起こらなかったことを不満として、「(アメリカ政府は、イランに対して)もっとひどい経済制裁を行い、イランの市民たちにもっと苦しみを与えなければならない(そうすれば、もっと多くの人たちが政権転覆に参加する)」という内容のことを言いました。
彼らには、普通のイラン市民の多くを苦しめる・殺すことについて、なんのためらいもありません。
なぜなら、アメリカ政府のエリート白人たちにとっては、グローバル・サウスの非白人たちの命の価値はゼロ以下だからです。
アメリカでは、ICE(アイス/アメリカ合衆国移民・関税執行局)が、白人を含むアメリカ市民たちを虫けらのように殺して、アメリカ政府はICEの肩をもち、殺人者が責任を全く取らないことが起きています。
アメリカでは、非白人アメリカ人、特に黒人の命はゼロ以下のように扱われるのが当たり前だったものの、現在は、政府の意向に反対するひとたちの命の価値も人種に関わらずゼロ以下とされ、アメリカ政府・エリートたちのよって「命の価値がゼロ以下」と判断される範囲が大きく広がっています。

それでも、日本のようにアメリカに完全従属している国にはこんなことは起こりようがない、と思うかもしれませんが、経済は世界中でつながっていて、一部のエリート・大富豪が影響力のある国の政府をキャプチャーしてしまえば、日本だけで生きていても、ガザのいわゆる「平和評議会」のような世界(=海外の大富豪がすべての土地や資源を奪い取って独占し、先住民たちはすべてを奪われ、格安の労働力として搾取され、質の悪い住居や限られた質の悪い公共施設がある狭い地域に閉じ込められ、どこに行くにも何かを買うにもすべて監視・管理される)になることも、考えられないことではありません。
政府は、国民の面倒を見るに違いない、と思うかもしれませんが、そういった状況になったとき、政治家などのいわゆるエリートが、海外の大富豪やエリートからの賄賂を受け取り、自国の大多数の普通の市民たちを売り払う選択を行うことは、どの地域でも、歴史上のどの段階でも、始終起こっていることです。

アメリカが世界中に脅威を与えている国であることは、歴史上、どの時点でも事実であり、プロパガンダにだまされず、ほかの国々との協力関係を築き、お互いの国の主権を尊重しながら、ともに人間の発展(福祉・教育・健康)をはかることは大切です。

キューバの高官は以下のように発言していました。
アメリカは(市民を殺すための)爆弾を世界中に送り込んでいるけど、キューバは、世界中に(ひとびとを助けるための)医師団を送り込んでいる

世界の大多数の市民にとって、望ましいのはキューバであることは明らかでしょう。
世界のとても少数のいわゆるエリートや大富豪たち(グローバル・ノースが大半だけど、グローバル・サウスの限られたエリートや大富豪も含む)にとっては、自分たちだけが巨額の利益を蓄積し、残りの9割近くの地球上の人々を奴隷のように扱える世界を好みます。

私たち普通の市民が闘わないといけないのは、世界中の多くの市民を犠牲にして、一部のひとたちに富や資本が集中する仕組であり、私たち普通の市民たちをお互いに争わせて、この仕組から目を逸らさせようとするプロパガンダに惑わされないことは重要です。

この仕組から目をそらさせるためによく使われる手法は、「戦争」や「移民が脅威であるかのような印象をねつ造すること(市民同士で争わせ、仕組みに目がいかないようにさせる)」「犯罪が大きく起きているかのような印象をつくりだす」といったことも、よく心に留めておく必要があります。

【参考】
Sovereign Media: How Do We Fight Media Psyops?
https://www.youtube.com/watch?v=gvxJVyvEbv0&list=PLyTrUpqMoFTEywKlh5iQFBWBhPjv5YsjS&index=4

ベネズエラ、グリーンランド、イラン、パレスチナで起きていることは、つながっている ー 原因は帝国主義のアレンジメントを必要とする資本主義
https://www.thegreencatalyst.com/blogs/post/20260116

世界はつながっている ー 根っこの問題を扱うことの大切さ ①
https://note.com/thegreencatalyst/n/nde3048381655

Yoko Marta