世界はつながっているー点と点をつないで考えることの大切さ

Yoko Marta
23.04.26 04:19 PM - Comment(s)

イスラエルとアメリカによる、国際法違反のイランに対する侵略戦争 ①

2026年2月28日にはじまった、イスラエル政府とアメリカ政府による、イランに対する国際法違反の侵略戦争は、日本だけに住んでいると、どこか遠い国で起こっていることぐらいにしか感じないかもしれません。

でも、世界で起こっていることはつながっていて、石油・ガスの価格が急騰して、物価があがる可能性があるという、自分の生活の快適さに影響することだけでなく、同じ地球で生きているひとびとに起きていること、ヒューマニティーの観点から感じる・考えることも大切です。

イラン政府が、アメリカ政府との交渉を続け、完全にイランの国の主権を無視しているアメリカ政府の要望に対して、イラン政府が折り合いをつけ、仲介国だったオマーンの代表が、話し合いはほぼまとまり、次週には、技術的な点をつめる予定だと発表したあと、突然、イスラエル政府とアメリカ政府が、イランに対して空爆を始めました。
これが、国際法に完全に違反していることを理解しておくことは、とても大切です。
また、これは、イスラエル政府とアメリカ政府の繰り返し行っているパターンで、2025年6月13日にも、交渉を行っている途中に、イスラエル政府が突然、イランに対して空爆を開始し、1000人以上のイラン市民が殺されました。

アメリカ政府とイスラエル政府は、お決まりのパターンで、「自衛のための合法な先制攻撃」であったと主張しますが、これにだまされないことは大事です。
なぜなら、corporate media (コーポレート・メディア/企業のメディアー西側主流メディアは、すべて大富豪・大企業によって買収されていて、資本家と資本家にキャプチャーされている西側政府にとって都合のよいフレーミングを行うことをさしている)は、アメリカ政府の違法戦争を、まるで合法なことであるかのようにフレーミングする、とても偏った報道をするからです。

アメリカの国際法専門家である、Craig Mokhiber (クレッグ・モキバー/モカイバーと発音される場合もあり)さんは、この記事で、主権国家であるイランに対する、アメリカとイスラエルの正当な理由のない突然の攻撃は、犯罪であり、非道であるとしています。
それに対して、自国の主権を侵害されたイランが、武力を伴った反撃を行うことは、国際法でも、正当であり、法律にかなっています。

また、アメリカの国防総省は、アメリカ政府が主張した、「イランが即時にアメリカに対して攻撃する確実な証拠があった(だから、イランへの攻撃は、自衛のための先制攻撃で合法 ← この考え自体が国際法への極端な拡大解釈で間違っていることに留意)」という声明に対して、完全に反対して、イランがアメリカを攻撃する可能性もなければ、核兵器を製造する計画も全くなかったことを公式に発表したことからも、アメリカとイスラエルの攻撃が、完全に違法であったことは明らかです。

イスラエルとアメリカは、違法侵略戦争の一日目に、イラン南部の小学校(7,8歳~12歳)を爆撃し、180人近い子どもたちを殺しました。
学校の先生たちも、全員が殺されたことが確認されています。

がれきの中で、子供たちを一心不乱に探す両親たちの姿は、涙なしには見られませんでした。
子どもを大切に思う気持ちに、国境の壁も、ことばや宗教、民族の壁もありません。

これは、mistake(ミスティク/間違い)ではなく、イスラエル・アメリカのいつものパターンです。

ガザでは、9割近い学校が破壊され、多くの子どもたちが殺されました。
毎日、一クラスの教室の生徒(30人ぐらい)が殺されました。
ガザでは、2025年10月10日の停戦条約がアメリカ政府の仲介と保障(=停戦条約を誰もが守ることを保障し、それを行使するー誰かが条約を破れば、それを罰し、条約を守らせる義務がある)によって結ばれましたが、パレスチナの抵抗組織は条約を遵守しているにも関わらず、イスラエルは停戦条約を毎日破り続け、多くのパレスチナ人に対する殺人を行い続けています。
ガザだけでなく、イスラエルがパレスチナ領の多くを違法占領しているウエスト・バンクでも、イスラエルがパレスチナ人の家や土地・農地を奪うと同時に、多くのパレスチナ人を殺人・正当な理由なしで逮捕・投獄することが続いています。

レバノンでは、2024年に停戦条約が結ばれているにも関わらず、イスラエルが一方的に条約を破り続け、毎日のように市民たちを殺害し、先日は、イランと同じように、レバノンの学校への攻撃を行いました。
また、レバノン南部への地上侵攻と占領も拡大し、アメリカ政府は、停戦条約の保障国であるにも関わらず、自分たちには何もできない、ということを発表しました。
これは、イスラエルの、レバノンに対する、国際法違反の地上侵攻と占領を暗示的に認めたことになります。

イラン攻撃の1日目には、イランの最高指導者であるハメネイさんの普段の仕事場である建物を爆破し、暗殺を行いました。
イスラエルもアメリカも、どこかをピンポイントで攻撃する能力があることを示しています。
ここでも、ハメネイさんの家族ー1歳半の孫娘を含むーが殺されています。
イスラエル政府・アメリカ政府は、ハメネイさんを暗殺することを公言していましたが、ハメネイさんは、普通のイラン人たちの多くは逃げる場所がないのだから、と言い、隠れることを選択せず、通常に職務を行い続けました。
イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエルの首都テルアビブが反撃を受ける中、ドイツにわたり、反撃が少し落ち着いてから、イスラエルに戻ってきたとされています。
また、ネタニヤフ首相の息子は、アメリカで裕福な生活を送っていますが、ハメネイさんの家族は、質素にイラン国内で暮らしていました。
ここでも、リーダーの素質が大きく違うことはあらわれています。
この違法攻撃では、ハメネイさんだけでなく、イラン政府の軍隊、文民の高官たちが殺されました。
これらは、すべて国際法違反で、犯罪であることに気づいておくことは、大切です。
西側主流メディアでは、まるで、これらが合法であるかのように報道され、国際法違反や犯罪がnormalize(ノーマライズ/普通で当たり前のことで疑問すらいだかない)されることは、長い目でみると、地球上のひとびと、みんなを危険に陥れます。

違法攻撃の2日目・3日目には、イスラエル・アメリカは、イランの少女バレー・ボールのチームの練習場を爆撃し、子どもたちの公園を爆撃しました。
ハメネイさんが職務を行っている建物を狙って爆撃していることからも、イスラエル・アメリカが、特定の場所をピンポイントで爆撃できる能力があることは明らかです。
イスラエルとアメリカが、子どもたちを殺しているのは、偶然ではありません。

この状況について、イランのテヘラン大学教授、Foad Izadi(フォード・イザディ)さんがAl Jazeera(アル・ジャジーラーカタール政府が出資する西アジア地域の最大メディアの一つ)が、以下のように答えていました。

何が起こるかというと、たとえアメリカがイランのリーダーを違法に殺害することができたとしても、次世代のイラン人ー1979年以前のイランでのアメリカの残虐さ(※)を見なかった/経験しなかったひとたちで、なぜ自分たちの両親や祖父母が反アメリカなのかを理解できなかったひとたちもいるーは、(両親や祖父母の反アメリカ、反帝国主義を)引き継ぐでしょう。
今、彼らは、なぜアメリカ政府が、帝国主義者で凶暴な政府で、ほかの国を攻撃し、小さな子どもたちを殺す政府であることを理解しました。
彼らは、少女・子どもたちをレイプするか、爆弾を落とすかのどちらかであるEpstein class(エプシュティーン・クラス/エプスタイン階級ーアメリカのジェフリー・エプスタインのファイルに出てくる、少女や子どもたちを人間以下として扱っていた「いわゆる」世界のエリートたちーイギリスやほかの国々の王室メンバー、政治家、教授、大富豪・資産家、知識人など)に対して闘っていることを理解しています。
これは、私たちが目撃している政府です。
彼らは、その政府(=アメリカ政府・イスラエル政府の多くの高官を含むエプスタイン階級のいわゆるエリートたちと、その権力を保つ仕組)と闘い続け、イランは、アメリカが自分自身を破滅させた後も、長い間存在し続けることを確実にするでしょう。

子どもたちが大量に殺されることを、「Collateral damage(コラッテラル・ダメッジ/巻き添え)」として、「戦争なのだからしかたない」と、政府や主流メディアによって洗脳されることは、とても危険です。
誰かの命が巻き添えになって殺されることが、自分の快適な生活を脅かさない限りどうでもいいこと、としてしまえば、虐殺や残虐な犯罪は、どんんどん世界に広がり続けます。
いったん、ヒューマニティーが失われれば、それを取り戻すことは、とても難しいことです。

このイランへの違法侵略が、もう一つ表しているのは、アメリカの傘下にいる湾岸諸国(カタールやクウェートなど)が、アメリカにほぼ見捨てられている現実です。
湾岸諸国は、石油やガスなどの資源が主要収入である地域で、王族が独裁政治を行い、サウジ・アラビアを除いては、国民の約6割から9割が外国人で、自国民と認定されているひとびとはわずかです。
これらの国々の王族は、100年前にはほぼ存在せず、イギリスや西側諸国に豊富な資源に自由にアクセスさせる代わりに、王族として西側諸国からの認定・保護を受けることを可能にしました。
そのため、国民からの支持はほぼゼロで、国民たちを弾圧していることでよく知られています。
この王族たちは、自分たちの特権を守るために、アメリカや西側諸国に多くの資金や賄賂を渡し、多くのアメリカ基地も設置し、その設置費や運営費も支払っていますが、いったんイランからの反撃がはじまれば、アメリカは知らないふりです。
ちなみに、イランの反撃が、湾岸地域のアメリカ軍基地を含んでいることは、国際法で合法です。
なぜなら、これらのアメリカ軍基地は、イランを違法攻撃する拠点となっているからです。
給油を行う、食料などの補給を行うことも、イランを攻撃することを助けているので、反撃の対象として、法的に認められます。
また、イランからの反撃ミサイルを、イスラエルに向かう途中に撃ち落とすことも、イスラエルの違法攻撃に加担していることになり、法的に、イランが反撃として攻撃する対象となります。

アメリカは、海外に800以上のアメリカ軍事基地をもっています。
中国を軍事主義として責めたがるひともいますが、中国が海外にもっている軍事拠点は、アフリカ大陸のジブチの一か所だけです。
日本は、世界でも、アメリカ軍事基地の数がとても大きい場所です。
そのため、アメリカが侵略戦争をどこかで始めれば、日本は、湾岸諸国のように、見捨てられ、盾として使われ、多くの日本市民たちが命の危険にさらされることは確実です。
また、日本が憲法を変更して、自衛戦争ではない戦争に積極的に参加することが可能になれば、アメリカは、代理戦争にもちこみ、日本人が隣国のひとびとを理由もなく殺させることを強要することも、十分考えられます。
アメリカは、自分たちの兵士(特に白人アメリカ人)が多く死なない限り、戦争をやめることはありません。
ベトナム戦争では、20年近くにわたるベトナム人の抵抗で、アメリカ兵の死者が増えたことから、結局は手をひきましたが、アメリカ兵によるベトナムの子どもたちや女性に対する殺害やレイプ、虐殺が始終起こっていたこと、ナパーム弾のような人間に対して使うべきでない兵器が大きく使われ、人体だけでなく、農地や水にも影響を与え続けていることは覚えておく必要があります。
ベトナム・ラオスなどの地域では、いまだにアメリカの不発弾による死者や負傷者がたえません。
この死者や負傷者の多くは、子どもたちです。

戦争が始まれば、犠牲になるのは、弱い立場にいる子どもたちや女性であることは、心に留めておく必要があります。

この点については、次の記事で。

(※)1979年以前のイランでのアメリカの残虐さ
第二次世界大戦の終結までは、さまざまな国に占領されていた時代もあったものの、1951年に民主主義で選ばれた初めての首相、モサデグさんが、国民の教育や福祉を向上させ、自国の経済を発展させるために、現BP(ブリティッシュ・ペトロレアム)が独占していた自国の石油を国有化しました。
これに怒ったBPとイギリス政府が、アメリカ政府と協力して、軍事クーデーターを起こし、国民からとても人気の高かったモサデグさんを1953年に取り除きました。
そのあとには、王族だったシャーを傀儡(かいらい)政権としてすえつけ、シャーやシャーの周りのごく一部の「いわゆる」エリートたちを極端に裕福にすることと引き換えに、以前通り、西側企業がイランの石油を自由に搾取しました。
イラン国民の大多数は、極端な貧困に陥り、かつ、国民から嫌われているシャーは、アメリカ政府とイギリス政府の助けを借りて、残虐な秘密警察をつくり、国民たちを弾圧しました。
イギリスに住んでいるイラン人アナリストのAli Alizadeh (アリ・アリザデー)さんの父は、テヘラン大学の学生だったときに、シャーの秘密警察によって拷問を受け、爪をはがされたそうです。
これは、特別な例ではなく、多くのイラン国民が、秘密警察によって拷問にかけられたり、殺されたり、消されたりしたそうです。
シャーとその一家は、9割近いイラン国民がとても苦しい生活を強いられているにも関わらず、イラン国民のお金を盗み、贅沢をつくした生活をし、アメリカやヨーロッパに多くの豪邸を買い、スイスの銀行にも秘密資金として、イラン国民から盗んだお金を移していたそうです。
国民の不満が高まり、1979年に市民からの革命が起き、シャーとその一族は、イラン国民から盗んだお金をもって、アメリカへと亡命しました。
革命時には、どういったグループが国を率いることになるかは明らかでなかったものの、イスラム共和国体制を取ることを、国民たちが選択します。
この混乱期に乗じて、アメリカと西側諸国の完全バックアップを受けたイラクのサダム・フセイン大統領が、イランの石油を狙って侵略し、イランは8年の侵略戦争を生き残ります。
イランが抵抗を続けたために、西側諸国も石油を奪うことをあきらめ、停戦条約を結ぶことになります。
この戦争では、ドイツがイラクに化学兵器をわたし、イラン市民に対して化学兵器を使ったことも公式記録に残っていて、現在でも、この後遺症に苦しんでいるイラン人がいます。
西側諸国は、イラク軍が、イランに対して化学兵器を使っていることは十分知っていましたが、無視を決め込みました。
西側諸国は、イランの大きな損害について、謝罪もなければ、賠償金も支払っていません。
その後は、西側諸国は、西側諸国にひざまづかないイランを敵とみなし、一方的に、違法な経済制裁を課し、そのせいで、多くの市民が死にました。
それだけでなく、1988年には、アメリカ軍が、イラン市民たちが乗っていた民間航空機を射撃し、290人の乗客・乗務員全員が殺されました。
意図的に行われたことだとみられていますが、アメリカは謝罪をするどころか、この民間機射撃で違法大量殺人を行った軍の指導者を昇進させました。
短い間に、これだけ、アメリカや西側諸国からの残虐な扱い(大量殺人も含む)を受けていれば、反米・反帝国主義になるのは当然の成り行きだと普通は思うでしょう。
歴史を忘れないのは、特に被害者にとっては、大切で、死活問題となります。
なぜなら、加害者は、加害の責任をとらされることがなければ、同じことを繰り返す可能性がとても高いからです。
実際、イランだけでなく、アフリカ大陸の資源の豊かな国々、西アジア地域の国々しても、世界中に侵略し、資源や自然を搾取・破壊し、原住民たちを奴隷化してきた帝国主義国(アメリカやイギリス・フランスなどの元植民地宗主国)が、同じパターンを繰り返していることは、とても明らかです。


【参考】
Understanding the U.S. and Israel’s illegal war on Iran by Craig Mokhiber (Mondoweiss)
https://mondoweiss.net/2026/03/understanding-the-u-s-and-israels-illegal-aggression-in-iran/

ox.

Yoko Marta