世界はつながっているー点と点をつないで考えることの大切さ

Yoko Marta
23.04.26 04:29 PM - Comment(s)

イスラエルとアメリカによる、国際法違反のイランに対する侵略戦争 ③
​ーホルムズ海峡閉鎖による、石油・ガス供給に対する影響ー

イスラエルとアメリカは、イランに対する違法侵略攻撃を続けています。
2026年2月28日に始まり、今日(3月6日)は、7日目で、既に1300人以上のイラン市民(多くの子供を含む)が殺されたとみられています。
アメリカ・イスラエルは、ニューヨークやロンドンより大きい都市で、人口密度も高い、イランの首都、テヘランに対して、戦争犯罪である絨毯爆撃を行っています。

アメリカは、「イランの人々の自由・解放のため/民主主義/女性の権利と自由のため(イランに攻撃を行っている)」というスローガンを、イラクやアフガニスタンなどの違法侵略戦争のときと同じように使っていますが、アメリカ政府が、イラン市民(子どもや女性を含む)の命をなんとも思っていないことは明らかです。
アメリカとイスラエルは、無差別にイラン市民たちを大量に殺し、市民たちが生きるために絶対に必要な淡水化施設(飲料水のためーイランを含めた西アジア地域は、水不足に苦しんでいる)も爆撃し続けています。
私たちは、この嘘のスローガンにやすやすとだまされることから、抜け出さなくてはなりません。
パターンを見抜くことは、とても大切です。
攻撃パターンは、ガザと同じです。

ガザでも使われた戦争のためのAI技術は、この違法戦争にも使われ、製薬工場に徹底的にフォーカスした爆撃にも使われています。
このAI技術は、間違いも多いことが指摘されていますが、同時に、人間が選択するよりはるかに多くのターゲットを短時間で選択でき、それが多くの殺人・民間施設への破壊にもつながっているとみられています。
これらは、戦争犯罪ですが、今のところ、誰も責任をとっていません。
ただ、これらを記録して国際裁判所や国内裁判所へと訴える手続きを行っている団体もたくさんあり、時間はかかっても、どこかで、責任を問われる・責任を取る日はくると考えられています。
それが、実現するためにも、私たち地球上の市民は、これらの戦争犯罪、人道に対する犯罪、残虐なことに感覚を麻痺させず、ヒューマニティーに反することに対して声を上げ続ける必要があります。
日本政府も含む西側政府が狙っているのは、誰もの感覚がマヒさせられ、虐殺が起ころうと、何が起ころうと、ひとびとが平気で、無関心になることです。
そうなれば、エプスタイン・クラス(エプスタイン階級)の思い通りの世界が、世界の大多数のひとびとの抵抗なしに、実現することとなります。

イランでの製薬工場への徹底した破壊が、ほかの地域よりも残酷で大量死をもたらす可能性が高い理由は以下です。

イランは、1979年のイラン革命の後、数十年にわたる、アメリカをはじめとする西側諸国の(国際法違反である)厳しい経済制裁・経済封鎖を受けています。
そのため、インシュリンのような普通の病気を治療する薬を輸入することすら困難で、薬も含めて自国での技術開発を進めました。
製薬工場を狙って爆撃するのは、イランの状況では、本来なら死なないで済む基礎疾患の病気で死ぬ人が大量に出ることを意味します。
こんな残虐なことが許されていいわけがありません。
また、薬は輸入すればいい、と思うひともいるかもしれませんが、イランやキューバへの経済制裁は、イランやキューバに対して取引を行う国や企業も(アメリカや西側諸国によって)罰せられ、信じられないくらい多額の罰金を支払わされることになるため、西側の国に住んでいれば当然のことが、イランやキューバでは行えません。
経済制裁は、多くの市民を意図的に苦しめ、死なせて、内部から国・社会を崩壊させ、政権転覆を行わせ、その隙にアメリカや西側諸国が傀儡政権をすえつけ、資源を独占して暴利をむさぼることが目的であることは、アメリカの高官も公言しています。
この経済制裁・経済封鎖のせいで、命を落としたひとびとの数は、地球上で、戦争で死ぬ人の数よりずっと多いとされています。

イラン市民は、これをよく理解しています。

イラン市民(イランの人口は約9千万人ー日本は約1億2千万人、国土面積はイランは、日本の約4倍)に対して、アメリカのトランプ大統領は、違法攻撃の初日に呼びかけました
「あなたの自由は、あなたの手の内にあります。
安全な場所にとどまって。
家を出ないで。
外は、とても危険な場所です。
爆弾が、すべての場所に落とされています。
私たち(アメリカとイスラエル)が(爆撃を)終えたあと、政府を乗っ取りなさい。
それは、あなたたちが(奪い)取るものです。
これは、恐らく長年のなかで、たった一度のチャンスです。」

このメッセージに対して、起こったことは、正反対です。

数十万人のイラン人市民たちが、無数の爆撃をものともせず、家を出て、広場に向い、イラン最高指導者の殉教を哀悼し、(暗殺について、イスラエルとアメリカに対する)復讐を要求しました。

イランについての英語報道では、イランについて、government (政府)ではなく、regime (レジーム)が使われることに留意しておく必要があります。
アメリカや西側諸国の政府に対してはgovernment(ガヴァメント/政府)という用語が使われることに対して、レジームは、民主的ではなく独裁的で抑圧的な政府だという意味あいで使われます。
キューバやヴェネズエラ(マドゥロ大統領が誘拐されるまで)も、レジームと呼ばれています。
でも、アメリカや西側の盟友国である王族独裁で選挙もなく、一方的に市民を死刑にしているような湾岸諸国に対しては、レジームではなく、ガヴァメントが使われています。
イランは、大統領も国民選挙で選ばれ、投票率も悪くなく、アメリカなどの企業からの献金が大きく、企業の言いなりに政治を行う政治家たちのかたまりより、よっぽど民主的だという意見もあります。
どちらにせよ、このレジームとガヴァメントという用語自体が、アメリカ政府の従属国かどうかで、恣意的に使われていることに注意しておく必要があります。
たかだか用語だと思うかもしれませんが、既に、イランは悪い国だから、何をしてもいい、イラン人は殺されてもいい、といった、製造した合意を作り出しています。
殺されていいひとなんていないし、誰かを殺す権利は誰にもありません。

イランは、アメリカとイスラエルからの違法侵略攻撃への応酬として、ホルムズ海峡を事実上、ほぼ閉鎖しました。
イランは、イスラエルとアメリカによる違法の侵略攻撃を受けていて、国民の命を守るため、国家の主権を守るために、最大限の自衛・応酬を行う正当な権利があり、ホルムズ海峡の閉鎖も自衛の枠に入ります。

イランは、自国に違法攻撃を受け、イラン国内の多くの市民たちを殺され続けているているため、応戦する以外に選択はありませんが、アメリカとイスラエルは、わざわざ自国から遠い場所にいって違法侵略戦争を行っていて、アメリカとイスラエルが攻撃をやめ、違法戦争を終わらせれば、戦争はすぐ終わります。
アメリカとイスラエルによっては、この違法侵略戦争は、「選択」であり、イランのように生死をかけたものではありません。

ホルムズ海峡の閉鎖は、世界にとって、日本にとって、何を意味しているのでしょう?

ホルムズ海峡は、イランとアラブ首長国連邦・オマーンとの間にある、約33キロの狭い海の通り道です。
世界の約2割の石油がホルムズ海峡を通して輸出され、約1700万バレルの石油が毎日通過しています。

日本は、石油・ガスなどのエネルギーの9割を輸入に頼っていますが、日本が輸入している石油の約7割は、このホルムズ海峡を通過します。
日本政府は、石油については約254日分の貯蔵があるので、心配する必要はない、としていますが、この閉鎖が中期・長期にわたると、確実に、石油価格は上昇します。
実際、すでに、石油価格は大きくあがっています。
LNG(液体天然ガス)については、日本は約1割の液体天然ガスを、この地域から輸入しているようですが、日本政府は、約3週間分の貯蔵があり、心配はない、としているようです。
液体天然ガスの大きな産地である湾岸諸国の一つ、カタールが、爆撃により生産を一時停止する必要があると発表し、日本と似たような状況である韓国がかなりの懸念をいだいているとの報道があった半面、韓国は特に心配はしていない、という報道もあり、どちらが本当なのか、それらの報道の意図はなんだったのかは明確ではありませんが、既に液体天然ガスの値段も大きくあがりはじめています。

これらの湾岸諸国への攻撃についての報道で、注意しておかないといけないのは、イラン政府は、湾岸諸国のアメリカ軍事基地への攻撃だけをしており、石油施設などに攻撃は行っていないし、行う予定もない、としている点です。
イランに対して敵対的なサウジ・アラビアのジャーナリスト協会の会長であるAdhwan al-Ahmari (アドワン・アル=アフマリ)さんも、アメリカとイスラエルによるfalse flag (フォルス・フラッグ/偽旗)が行われていることを湾岸諸国の政府は確認している、と明言しています。
インタヴューの中で、アドワンさんが言っていたことは、日本にとっても警告となることです。
アドワンさんは、アメリカとイスラエルが、望んでいるシナリオは以下だとし、その罠にはまらないことは大切だと指摘しています。

アメリカとイスラエルは、湾岸諸国の石油や天然ガス施設などに攻撃を行い、それをイランが行ったと見せかける → 湾岸諸国は、イランへの攻撃を余儀なくされ、湾岸諸国全体が大きな紛争となる → 湾岸諸国がお互いに殺し合い、地域が荒廃するのを横目に、イスラエルとアメリカは無傷の自国へさっさと戻る → 湾岸諸国は、とても長い間、絶え間ない紛争と国土や資源、経済の荒廃に悩まされる

アドワンさんは、長年、湾岸諸国はアメリカの安全保障の傘のもとにいるのは安全対策だと思い、アメリカへの多額の投資、湾岸地域へのアメリカ軍基地の設置・運用資金の提供、アメリカからの多額の武器購入などを行い続けていたものの、アメリカ軍事基地は、逆に危険をもたらすことになることが判明したことで、湾岸諸国の王族たちは、アメリカへとの関係を深刻に考え始めています。
それに加えて、アメリカ政府が、韓国政府にミサイルからの防御機器を西アジアに移動するよう要請があったそうですが、その行先は、湾岸諸国ではなく、イスラエルであったことからも、さらに不信感が募っているそうです。
湾岸諸国は、あっという間にミサイルを迎撃する弾丸を使い切り、アメリカ政府に緊急に送るよう要請したものの、弾丸の追加はなかったそうです。
アメリカ政府は、湾岸諸国の石油タンカーをアメリカの海軍が護送してホルムズ海峡を通過させることを明言したものの、それが不可能なのは、明らかです。

湾岸諸国は、日本と同じように、アメリカの従属国でいることは安全をもたらす、と思っていましたが、アメリカは、従属国だろうとなんだろうと、簡単に捨て去ることが、今回のことで、とても明らかになりました。

もし、アメリカがどこかで侵略戦争をはじめ、アジア内にもっている巨大なアメリカ軍基地ネットワーク(日本、台湾、韓国、フィリピンー中国を囲い込み脅すためにアメリカが大きな軍事基地をおいている地域)を使いはじめれば、この湾岸諸国のシナリオのように、アジア全域が、アメリカのための戦争に巻き込まれ、都合よく使われ、アジアの隣人たちが殺し合い、お互いの国土・資源・経済を破壊することにもなりかねません。
アメリカは、常に自国以外の遠く離れた場所で戦争を起こすので、アジア全体を争わせ、無傷の自国へさっさと戻り、「犠牲となるひとびとがいるのは残念だけど(アメリカの利益にとっては)必要なことだった」というだけです。

また、アドワンさんが言っていることではないのですが、これはアメリカのいつものパターンで、西アジア地域を非常に不安定にしたあとは、その隙につけこんで、アメリカや西側大企業が資源を独占し、暴利をむさぼります。
そのせいで、長期にわたって、多くの市民たちが極端に暴力的な環境におかれ、深刻な貧困へと陥り、多くの死者を出しますが、アメリカ・イスラエル政府は市民の命(特に非白人)をなんとも思っていないので、少しのエイドなどを表面的に渡して、人道的なことを行っているふりをするだけでしょう。
ちなみに、エイド(救援)も、西側企業に儲けが出る仕組ができあがっていて、西側政府が国民の税金を使うエイドのうち、約1割だけが、相手国にわたり、残りの9割は西側企業へ返ってくる仕組になっています。
また、地球上のほとんどの地域の不安定さや貧困は、西側諸国が引き起こしていることで、被害者の足を故意に折った加害者が、救済主のようなふりをして、絆創膏を与えているのと同じようなことだ、という批判もあります。

日本以外の場所には、どのような影響を及ぼしているのでしょう?

このホルムズ海峡を通して、石油やガスの輸出をしているのは、以下の国々です。

サウジ・アラビア/イラン(アメリカや西側諸国の違法な経済制裁により、輸出は限られている)/イラク/クウエート/バーレーン/カタール/アラブ首長国連邦国

上記の国々の輸出する石油の約9割は、ホルムズ海峡を通過しているとみられています。

影響が大きい順にいうと以下です。

1.インド (輸入側)ː 85パーセントの石油を輸入にたより、65パーセントは、ホルムズ海峡を通した輸入経路
2.中国 (輸入側)ː 世界でも最大の製造国・石油輸入国で、そのうち40パーセントは、ホルムズ海峡を通した輸入経路。中国での製造に影響が出ると、世界中に大きな影響が出る。
3.日本 (輸入側)ː 上記に記載したので、省略。
4.サウジ・アラビア (輸出側)ː サウジ・アラビアは自国経済を、石油輸出に頼っていて、かつ、9割近くの輸出をホルムズ海峡を通して行っているため、影響が大きい。

同じような状況でも、それほど困らない国々もあります。

たとえばアラブ首長国連邦は、石油輸出にたよっている部分が多いものの、こういった事態に備えて石油パイプラインも敷いているため、そこに6割程度の石油を割り振ることで、ある程度リスクを回避できます。
ただ、サウジアラビアをのぞいた湾岸諸国は、自国の国民はとても少なく、外国人が6割~9割を占め、既に、移住が簡単にできる外国人たちー特にヨーロピアンたちーは、アラブ首長国連邦には永久に戻らない予定で国外退去をはじめ、それは、サウジアラビアの経済に大きな影響を及ぼすとみられています。
パキスタンは9割以上の石油をホルムズ海峡を通して輸入しているものの、イランと陸続きで、かつイスラエル・アメリカの、イランに対する違法侵略戦争に加担していないため、陸上輸送でイランからディーゼルなどを秘密で輸入しているとみられています。

世の中で起こっていることはつながっていて、それらに関心を持ち続けることは、とても大切です。
ヒューマニティーを持ち続けるためにも。

【参考】
Japan is facing a major energy security threat as tanker traffic through the Strait of Hormuz collapses following U.S. and Israeli strikes on Iran. by @hasanthehun
https://www.youtube.com/shorts/o4Inq-OhwYI

A LESSON IN GEOPOLITICS (Substack)
https://substack.com/@robinaqureshi/note/c-223230022

Sony Thăng (@nxt888)

Saudi journalist says 'not all attacks' on Gulf coming from Iran, fears US-Israel dragging monarchies into war (The Cradle)
https://thecradle.co/articles-id/36309

TEHRAN PROF: IRAN'S NEXT GENERATION STRIKES BACK
https://x.com/sov_media/status/2028130370969878552

Yoko Marta