ヒューマニティーを持ち続けることの大切さ
自分のハート・身体の感覚を信じる
西側主流メディアが、プロパガンダを行う機関となり、ジャーナリズムー事実を追及・報道することにより、権威・権力側の責任を問う(民衆たちの関心を代表して)ーを行っていないことは、ガザの虐殺で明らかになり、英語圏では、独立系メディアをより正しい情報源として使うひとびとが増えました。
これは、若い世代では、圧倒的に顕著です。
日本は、日本語だから関係ないと思うかもしれませんが、日本語の情報だけに頼ることは、英語圏よりも、プロパガンダやディスインフォメーションにさらされる危険性を高めます。
なぜなら、日本の主流メディアでは、西側主流メディアの一部を翻訳しているだけで、しかも、日本語に訳される過程で、多くのニュアンスがそぎ取られ、英語の原文だと、それはおかしい、、、と気づくところが、日本語訳だと気づかなくなる可能性を高めます。
日本以外の国で暮らす予定はないから、日本以外の場所で起こっていることに関心をもつ必要はない、と思うひともいるかもしれませんが、世界で起こることはつながっていています。
また、私たちのヒューマニティーは、人為的に作られた国家や国境、人種などをこえてつながっています。
私たち西側(アメリカ・ヨーロッパだけでなく、アメリカの傘下で経済を発展させることを許された日本も含む)に住むひとびとが、ある程度快適で平和な生活がおくれる世界の経済・政治システムは、グローバル・サウスの多くのひとびとが、西側が直接、あるいは間接的に起こしている戦争や経済制裁で殺されたり搾取されていることの犠牲の上にしか成り立たないことを知っておくことは大切です。
アメリカやイギリス・日本などのいわゆる経済大国では、若い人々(~30代前半ぐらいまで)は、自分たちの親や祖父母の世代と比べて、仕事も不安定なものが多く、家を買うにも借りるにも収入と比較してとても高く、物価も高くなり、高い教育レヴェルでも給料があがる見込みや、それに見合う仕事や給料を得られるかは不透明で、全体的に貧しくなり、グローバル・サウスがどうなっていようと、自分の状況のほうが大変だと感じるかもしれません。
アメリカやイギリス・日本といった経済大国では、数十年前までは、グローバル・サウスから搾取した資源と労働力から生み出される利益のおこぼれが、普通のひとびとにもある程度はいきわたり、職種などに関わらず、なんらかの仕事をフルタイムでしていれば、家や車が買え、老後に備えた貯金なども可能でした。
でも、現在は、富は、いわゆるエリートたち(大富豪、政治家、大企業の経営者や大株主など ー 西側主流メディアのほとんどが大富豪家族に所有されていることも重要)に集中して蓄積され、このおこぼれにありつけないひとびとの数が圧倒的に増えました。
また、日本やイギリスのような中核国でも、労働法や環境法をとことん弱め、福祉をどんどん削る一方で、企業への補助金や税金控除を大きくし、企業が、より多くのひとびとを、さらに残虐に搾取することを可能にする状態もあります。
これは、偶然ではなく、企業にキャプチャーされている政治家たちが、企業の利益を出すための政策や法律を施行しているからです。
イギリスは、健康保険は企業ではなく、個人に結びついていて、職の有無に関係なく、少なくとも病院での治療・入院・診察などはすべて無料で、失業していると、処方箋料(全国一律料金)まで無料となる仕組がありますが、日本やアメリカのように健康保険が企業と結びついていると、職を失った途端に病院での治療費が払えないほど高くなる仕組で、さらに企業がひとびとを搾取しやすい状況となります。
資本主義では、いかに利益を出すかだけが究極の目的なので、人間まで使い捨てにする状況は、資本主義が悪い方向に向かった/たまたま悪い政治家が悪い政策をつくっている、というわけではなく、資本主義の自然な流れです。
だからこそ、この仕組を壊す必要があります。
イギリスを含むヨーロッパやアメリカで、若いひとびとが、西側主流メディアから離れているのには、上記の事情も含まれ、彼ら・彼女らは、現在の仕組み(帝国主義と帝国主義を必要とする資本主義ー戦争や人々の労働力の搾取や自然の搾取・破壊が常に必要な仕組)の残酷さにさらされ、それを変えようと行動を起こし始めています。
日本の若いひとたち、ヨーロッパやアメリカの若い人の多くが直面している問題の根っこは同じです。
また、この問題の根っこは、グローバル・サウスのひとびとの労働力や資源が搾取されていることとも同じです。
この根っこの問題は、帝国主義と帝国主義を必要とする資本主義が500年近く、形を変えながらも続いているからです。
人類の長い歴史を考えれば、500年というのはそう長くなく、この仕組みを変えることは十分可能です。
そのためには、仕組を理解する必要があります。
帝国主義については、さまざまな定義や解釈もありますが、私が、分かりやすく明瞭だと思うのは、経済人類学者のJason Hickel(ジェィソン・ヒッケル)さんと、政治学・反帝国主義学者のBikrum Gill(ビクラム・ジル)さんの考えです。
上記の二人とも、多くのポッドキャストや討論にも参加し、かつ、彼らの記事や論文もとても分かりやすい英語なので、興味があれば、ぜひポッドキャストでの討論を聞いたり、記事を読むことをおすすめします。
私の意見も、彼ら専門家の意見も、自分の意見や見方を形成する一部であって、誰かの言うことをうのみにせず、自分で調べて考える習慣をつける、それをやめないことは、とても大切です。
簡単にいえば、帝国主義は、Periphery(ペリフェリー/周縁=グローバル・サウス)から資源や労働力を搾取し、それをCore(コア/中心・核=グローバル・ノース)へと運び込む流れを管理し、利益をコアに蓄積し続ける仕組をさします。
現在の中国を帝国主義とよぶ人たちもいますが、この定義からすると、中国は、全く帝国主義ではありません。
中国は、経済的に力をつけてきてはいるものの、製造業を通してグローバル・ノースに多くの輸出を行い、グローバル・ノースに比べて賃金も安いことで、グローバル・ノースのひとびとが安い製品を買うことを可能にしているので、メキシコなどと同じく、グローバル・サウスの枠に入ります。
また、帝国主義には、他国や他地域に残虐に暴力的に攻め入り、資源を奪い取りコントロールすることも含まれますが、中国は、ここ数百年の間でも、国境に関する紛争でベトナムと短い期間争ったことがあるだけで、他国や他地域の資源をコントロールし、利益を中国本土で独り占めするための侵略を行ったことはありません。
中国は、日本やイギリスを含む多くの国々から、一方的な侵略や占領を数百年にわたって経験してきた国で、だからこそ、反帝国主義の独自の道を歩んでいます。
アメリカが、中国に対して製造された「脅威」をつくりだしているのは、アメリカはふくらみつづける大きな借金を、ペトロダラー(湾岸諸国の石油やガスをアメリカドルでやりとりすることに合意させた → 世界中の国が石油を買うためにアメリカドルを備蓄する必要がある。プラス湾岸諸国の富はアメリカのリアルエステートなどに投資される)でごまかし続けているものの、バブルがはじける日は遠くないのは明らかで、自分たちの覇権を握り続けるために、製造力も優秀な労働力もある中国をつぶしにかかっているからです。
アメリカは、既に公共事業(橋や道路といったインフラストラクチャー)もまともに機能せず、ひとびとは、治療できる病気で死に(病院治療費は考えられないほど高額で、保険も高いーアメリカの第一位の破産理由は、病院での治療費の支払い)、人口の半分以上は、働いているにも関わらず(職を複数かけもちしている人々も多い)、給料日のあと必要なもの(家賃や食費、水道・ガスなど)に支払いをすると、次の給料日までほぼ何も残らず、貯金することも不可能な状態となっています。
それにも関わらず、多額の国費を戦争に使い、軍事複合産業は、勝ち負けに関わらず、戦争は大きな利益を生み出すため、常に戦争がある状況をつくりだすことに、メディアなどのコントロール(メディア、シンクタンクなど)を通して、製造された合意、製造された脅威をつくりだしています。
帝国主義と植民地主義とどう違うのか、と思うかもしれませんが、植民地主義は、帝国主義から派生したものではありますが、植民地主義は、土地や地域を物理的に支配することを必要とし、帝国主義は、土地や地域を物理的に支配する必要はなく、資源や労働力の流れをコントロールすること(=周縁、グローバル・サウスの資源と労働力を格安に抑えるようコントロールし、富や利益を中核国、グローバルノースに集中させる)が主眼となります。
植民地主義の代表的なものは、大英帝国(現イギリスーThe UKは、イギリス・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの独立4か国の連合国から成立)のインド地域・アフリカの一部・アジアの一部などの広範囲な植民地支配で、それらの地域にイギリスの官吏を派遣し、現地のひとびとの資源や土地を奪い取り、イギリスの法律や言語、慣習などを強要し、過酷な税金を課しました。
それと同時に、イギリスに儲けがでるように、海外向けの綿花などの単一栽培を強要し、ほぼただ同然で働かせた挙句に、利益はイギリス本国へと送り込み、原住民のひとびとの多くは、極端な貧困に陥りました。
イギリスの植民地下では、何度も大規模な人為的な飢饉が発生しましたが、それは、この輸出用の単一栽培と、飢餓で死ぬひとびとが多くでても、イギリス政府は、インド地域のひとびとが栽培した穀物を海外へと輸出し続け、その地域のひとびとには配布しなかったからです。
イギリスの植民地になる前は、どの地域も、その地域のひとびとが食べられる十分なローカルな作物を栽培していて、飢餓に陥ることはありませんでした。
大日本帝国が行った植民地政策も、同じカテゴリーに入ります。
植民地主義の中でも、Settler colonialism (セトラー・コロニアリズム/入植者植民地主義)とよばれるのは、上記とは違い、侵略者が、原住民たちを虐殺、エスニック・クレンジングなどで取り除き、資源や土地・家を奪い、自分たち侵略者が原住民として置き換わる仕組を指します。
イスラエルが分かりやすい例ですが、アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドも、ヨーロッパの白人・キリスト教徒が、原住民(非白人・非キリスト教徒)を残虐に殺したり、暴力で追い出して、自分たち侵略者が原住民として置き換わった地域です。
日本だと、アイヌ地域が、この移住者植民地主義にあたり、アイヌ民族が、日本本土の主要民族(倭人)によって置き換えられた地域となります。
上記の植民地主義と比較して、帝国主義は、どこかの土地を支配する必要はなく、周縁からの資源や労働力の流れをコントロールして、中核国(アメリカ、西ヨーロッパ、日本など)に富を蓄積する仕組です。
多くの元植民地国は、第二次世界大戦終了前後で、政治的な独立を果たし、自国の資源や労働力を、自分たちの国のインフラストラクチャーの建設、福祉の充実、人間としての発展へと切り替え、短い間で、識字率を大幅に高める、赤ちゃんの死亡率を大きく下げるなど、大きな発展をとげました。
元植民地宗主国である、中核国(特にアメリカ、イギリス、フランス)は、これらの元植民地国が、帝国主義・帝国主義を必要とする資本主義とは違う仕組(多くは社会主義的な政策を実行した ー キューバ、チリ、ブルキナ・ファソ、イランなど)を適用して、短期間で成果をあげたことに焦り、自分たち中核国がいつまでも富を蓄積できる仕組みを保つために、世界中で、リーダーの暗殺・軍事クーデーターなどを数多く行いました。
なぜなら、中核国に利益が蓄積される仕組を保つには、資源が豊かな周縁国(グローバル・サウス)の資源や労働力を格安に抑える流れをコントロールする必要があり、上記のように国家主権をもって自国の開発・人間的な開発を行うことが起こると、中核国が好き勝手に資源を奪い、自然破壊や公害を起こしてもなんの責任を取る必要もない状態を続けられないからです。
また、人間としての開発が高まると(教育の無料化・福祉の充実ー多くの病院と無料治療、快適な家・安全な飲み水や栄養のある食事への無料か格安のアクセスなど)、今までのように、西側企業のパイナップル畑で、信じられないくらいの劣悪環境で労働させ(西側では絶対に許容されないレヴェル)、とても安い賃金で、長時間働かせることが不可能になります。
グローバル・サウス政府が自国資源を主権をもって管理し、好き勝手に中核国に使わせずきちんと使用料や税金を払わせ、国民の健康や自然を守るために自然環境保護・労働法の法律を厳しく設定・施行し、その国に必要なインフラストラクチャー(橋や道路、上下水道・電気、病院や学校など)や公共プロジェクト(教育率の向上、病院の無料化など)が多くあり、その地域のひとびとに必要なことが、きちんとした給料で行われるようになれば、西側企業の劣悪な環境・条件で働くことを受け入れるひとはいなくなります。
そうなると、中核国、中核国企業は、今までのように利益を上げ続けることが不可能となります。
軍事クーデターやリーダーの暗殺などのあからさまな犯罪が外見上よくないとなると、中核国は、経済制裁・貨幣のコントロールなどを使い、経済的に、周縁国が経済的に自律できず発展できない状態をつくりだしました。
例えば、フランスの元植民地の一部である、アフリカ大陸の14か国の通貨は、「植民地通貨」であるCFA(セーファー・フラン)を使うことを、フランス政府によって強制されています。
自国通貨のコントロールがなければ、経済的に主権をもった発展は不可能です。
また、これらの国々の多くは、フランス軍の駐屯を強要されていることも多く、政府は常に監視され、フランス政府(=フランス企業や西側企業ー政治家は企業から多額の献金などでキャプチャーされている)の意向に沿わない政策を取り始めると、フランス軍隊がその国の社会や政治を不安定にさせ、その政府を実質的にフランスの支配下に戻そうとしたりする介入が常に行われています。
これは、アメリカも同じで、アメリカは世界中の隅々にまでアメリカ軍基地を設置し、最近だとマドゥロ大統領と大統領夫人の誘拐、2009年には、中米のホンジュラスでのマヌエル・セラヤ大統領誘拐 (クーデター)にアメリカが関与しているとされています。
アメリカや西ヨーロッパの社会や文化、宗教(※キリスト教のはじまりはパレスチナ地域だけれど、アメリカも西ヨーロッパも、パレスチナ地域ー非白人ーのキリスト教はみくだしている。白人が信仰するキリスト教が優れていて正しいという考えが主流)マジョリティーの白人人種が優れていて、「自由・人権・民主主義を推進する洗練された文化をもつ国」という神話からも目をさます必要があります。
これは、帝国主義、帝国主義を必要とする資本主義を推進するために、意図的にねつ造された神話だからです。
西ヨーロッパの白人・キリスト教徒が、世界中に侵略し、現地のひとびとを殺し、土地や資源を奪うときに、正当化として使ったのが、侵略者の自分たちとは明らかに違ってみえる肌の色素でした。
肌の色素の違いに、優秀さ(優秀さをどうはかるか、優秀さは環境に大きく左右されることは脇においておいたとしても)が関係あるはずがありません。
肌の色素が薄い自分たちは、遺伝的・人種的に優れていて、色素が濃いひとびと(=原住民で非キリスト教徒)は、動物に近く、頭も悪く文化もないとし、土地や資源をもっていても有効に活用できることはできないので、優れた白人たちがそれらを取り上げ、管理して有効につかい、文明のない暗い世界を生きている原住民たちにキリスト教に改宗させ文明の光を与えることは、優れた白人たちに課された重責で、神から与えられた使命」という神話をねつ造し、ひとびとを殺したり奴隷化することを正当化しました。
アメリカや西ヨーロッパの経済的豊かさの基盤は、世界中の地域の原住民のひとびとに対する殺人や搾取・奴隷化によってつくりあげられました。
非白人がマジョリティーで、かつ白人ヨーロピアン・キリスト教徒によって植民地化されたことがない日本(植民地宗主国で非白人マジョリティーだったのは日本だけ)では、上記のねつ造された神話がばかばかしいことに気づくことは難しくないと思いますが、ヨーロピアンとヨーロピアンを子孫とする人々がマジョリティーの国々では、
いまだに根強く残っています。
なぜなら、帝国主義は、いまだに続き、このハイラルキーも、法律や経済、機関や社会の仕組みなどに組み込まれているからです。
前置きが長くなりましたが、これらの歴史とつながりを知っておくことは重要です。
西側主流メディアのプロパガンダに戻ると、西側主流メディアは、前述したように、多くがモノポリー状態で、複数の大富豪家族によって所有されています。
彼ら・彼女らは、帝国主義・帝国主義を必要とする資本主義から多大な利益を得ていて、この仕組を変えたくありません。
また、彼ら・彼女らのすぐ下にいて利益をえている、いわゆるエリートたちー政治家・ジャーナリズムの編集者(何を報道するか、調査するかを決定する層)・マネージメント階級(ファイナンス業界の重役、コンサルタント企業や軍事複合企業の重役など)ーも、大きなおこぼれがあるので、この仕組が続くことを望んでいます。
この中には、グローバル・ノースのひとだけでなく、グローバル・サウスに住み、西側企業や西側政府の言いなりになることで、自国のひとびとを犠牲にして、自国の資源や自然、労働力をただ同然で売り渡すことで、個人的に大きな賄賂やキックバックをもらって異様に富を蓄積しているひとびとも含みます。
複数の大富豪家族とエリート層は、地球上の人口でいえば、とても少数ですが、とても力をもっていて、残りの9割近い人々を踏みつけています。
これらの大富豪の中には、「余剰のひとびと」を地球から取り除いて、AIになるべく置き換えることを公然と言っているひともいます。
彼らにとって、利益を出すためには、悪い労働条件に正当に抵抗するような人間らしさをもったひとびとは邪魔なので、奴隷のように使えるひとびと(人数が少なければ、抑圧しやすい)とAIだけでいい、ということなのだと考えられています。
アメリカやイギリスといった西側政府・西側企業は、資源が多い地域を不安定にさせ、多くのひとびとを殺すことで、その地域の資源コントロールを行うことを容易にし、かつ、それがうまくいこうといかまいと、軍事複合産業は戦争で大きな利益を出し続けます。
軍事複合産業は、西側に集中しています。
これらの知識をもとに、西側主流メディアをみると、本当に世界がさかさまだとしか思えません。
特にひどいのは、ニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルですが、イギリスで定評のある、国営放送BBCや、左派として評判の高かったGuardian Newspaper(ガーディアン・ニュースペィパー)も、深刻にひどいレヴェルです。
日本で翻訳されるニュースのもとは、ニューヨーク・タイムズやBBC、ガーディアンなどで、これらがOriginalの記事の場合には、よく注意をする必要があります。
例えば、先日のBBCの記事。
背景は、アメリカとイスラエル合同での、イランに対する違法侵略攻撃は2026年2月28日以来、続いているなか、アメリカとイランが停戦条約について話し合うことをイランが示した条件を土台に行うことを表明した後、イスラエルが、レバノンの首都で、とても密集した都市部であるベイルートを絨毯爆撃し、現段階で250人ほどが殺されたことが分かっています。
BBCの報道は以下でした。
“Israel says it hit more than 100 command centres and military sites in 10 minutes…”
直訳すると、「イスラエルが言うには、10分間で、100以上のコマンド・センター(軍事の指揮・統制・通信を行うための中心的な施設や場所)と軍事拠点を、狙い撃ちしました」
ここには、問題がいくつかあります。
まず、「イスラエルが言うには」は、ジャーナリズムではありません。
イスラエル政府は、何度も嘘を繰り返しています。
BBCは、何が正しい情報なのかを確かめる必要がありますが、イスラエルに関してだけは、常にこの「イスラエルが言うには」ということばで、イスラエル政府の言うこと(=プロパガンダ)を繰り返すだけです。
また、「100以上のコマンド・センター(軍事の指揮・統制・通信を行うための中心的な施設や場所)と軍事拠点を、狙い撃ち」としていますが、実際には、普通の市民たちが住むフラットや、市民が集まるカフェなどの軍事とは全く関係のない場所を爆撃し、多くの市民を殺しています。
BBCは、レバノンにも多くのジャーナリストをもっていて、事実(イスラエルは、軍事施設ではなく、市民が集まる場所を絨毯爆撃)を確かめることは容易にできるので、事実を知っていても言わない(=隠している)ことは明らかです。
BBCは中立で、事実を伝える報道をすると信じ込んでいれば、この報道から理解するのは、「軍事施設を狙った合法的な攻撃で、殺されたひとがいたとしても、テロリストか軍事関係者で、殺されたひとの数は、報道する必要がないくらい小さい」であっても、おかしくはありません。
でも、実際には、絨毯爆撃(戦争犯罪)で、多くの市民を殺すことが分かり切っているので、完全に人道に違反した犯罪でもあります。
でも、それは、この報道からは伝わってきません。
もう一つも、BBCです。
BBCのシニア・ジャーナリストのイラン人女性Ghoncheh Habibiazad (ゴーンチェ・ハビビアザッド)さんが、イラン国内にいる20代の男性からのインタヴューの内容として、「原爆(核兵器)を使って(イラン国内の)エネルギー施設を攻撃すること、イランを完全に爆撃して平らな状態にすることー僕の正直なリアクションは、どれもOK。」を掲載しました。
これは、イスラエルとアメリカに対して、核攻撃をイランに対して行うことをイランのひとびとが望んでいる(=イランに核兵器を使うことはイラン人が望んでいること。だから、核兵器を使うのは正当)という製造された合意をつくりだしているととられても仕方ありません。
掲載後、数時間で、大きな批判が山のように集まり、この記事は、理由なしで書きかえられました。
本来なら、なぜ書き換えるのか理由を載せるのが通常の手続きであり、ジャーナリストであれば、当然のことです。
その上、ゴーンチェさんは、ソーシャル・メディア上で、正当な疑問や批判を行う人々をブロックしはじめました。
これは、BBCの規則にも違反しています。
アメリカの独立系メディアのThe Grayzoneで、このゴーンチェさんが、イランの現政権を倒すための活動を行い続けている人物であり、アメリカからの資金を受けて、アメリカの帝国主義に反対する政権を内部崩壊させて政権交代を行うことを目的とする機関で働いていたことも明らかになります。
The Grayzoneの記事は、ここより。
通常なら10年ぐらいの経験が必要なポジションですが、ゴーンチェさんは、英文学をイランの大学で学び(イランの大学は無償)、ジャーナリストの経験はとても少なかったにも関わらず、このポジションについていることにも疑問が残ります。
ゴーンチェさんは、彼女が話をするイラン国内のひとびとは、イランの現体制に反対しているイラン人だけで、スターリンクを使っているひとびとだと明言しています。
イランは、国土面積は日本の約4倍で、人口は日本より少い9000万人と西アジアの中でも人口が大きく、民族や言葉、宗教にも多様で、さまざまな意見が社会に存在しています。
現体制を熱烈にサポートしているひとは、約30パーセント存在するとみられ、西側からの経済制裁が大きな原因で経済が苦しいことに不満をもち、現体制を好まない人々の間でも、大多数が、アメリカとイスラエルによるイランへの違法侵略攻撃に反対し、この非常事態下では、一丸となって現体制を指示すると団結しています。
普通に考えても、自国が他国からの違法攻撃を受けて、多くの市民が殺されていることを喜ぶひとが多数派であるわけはありません。
また、スターリンクは、イランでの暴動の際に、アメリカやイスラエルの諜報機関・諜報機関とリンクした機関や組織との連携に使われたと確認されていますが、ゴーチェンさんが話している「スターリンクを使っているひとびと」は、本当に特定の少数派で、これを全体の意見であるかのように使っていることは、ジャーナリズムとは言えず、プロパガンダととられても仕方ありません。
ゴーチェンさんが、Fact Check(ファクト・チェック/事実の確認)として使っている団体は、イランの現政権への反対派がアメリカなどの資金を受けてカナダや西側諸国に拠点をおいている団体で、既に多くのジャーナリストたちから、これらの団体は、真実や事実に関心はなく、イランの現体制反対の意見を形成・押し出すために、虚偽の情報を載せていることが指摘されています。
こういった団体では、イランの2026年1月の正当なプロテストが暴動へと乗っ取られたことについても、3万人のイラン市民が警察や警察・軍隊に準ずる組織によって殺されたとしましたが、イラン政府は殺された人々すべての名前とアイデンティティーを公開し、約3000人強が殺され、そのうち300人ほどは警察などの治安を職業としているひとびとでした。
現地からの映像では、警察官が残虐に攻撃されたり、暴動者がナタや銃をもって集まっていることも記録されています。
また、病院や警察署、消防署や駅、バスといった市民が使う場所、治安を守る場所やひとびとが多く攻撃されたことからも、目的が普通の市民のプロテストではないことは明らかです。
もし3万人が数日間で殺されたのであれば、サテライトなどから隠すことは不可能ですが、そういった映像はどこにもありません。
ガザという狭い密集した地域で絨毯爆撃が繰り広げられ、約2年間で、確認されただけで7万人強がイスラエルによって殺されたことが確認されていますが、それを考えても、数日間で3万人が殺された(トランプ大統領は4万人と発言ーそれをイランへ侵略攻撃を行う正当な理由として使った)ことは、どう考えてもありえません。
これらのディスインフォメーションは、イランへの違法攻撃を正当化するために使われ、製造された合意を一般の人々の間につくりだし、戦争を煽る行為であることは明らかで、ジャーナリズムではなく、プロパガンダです。
プロパガンダは何も結果を引き起こさないわけではなく、イラン南部の小学校で180人近い子どもたちが殺されたことにも直接つながっていることを覚えておく必要はあります。
ゴーチェンさん個人の問題というよりも、ジャーナリズムの基本を完全に無視しているBBCの編集部、BBCの組織に問題があるといえ、権威のあるメディアを盲目的に信じることへの警告となっています。
ゴーチェンさんは、その上、ガーディアン紙で、2026年1月のイランでの暴動での死者数について虚偽の報道を行ったジャーナリスト(元ファッション・ブロッガー)のDeepa Parent (ディーパ・パレント)さんとも、Mahsa Amini (マーサ・アミニ)さんの死をきっかけとしたプロテスト(Women, Life, Freedom)に関して共同で記事を2022年に書いていることも判明します。
ディーパさんは、インド人のファッション・ブロッガーで、ジャーナリストの経験はほぼなく、かつ、イランの公式言語であるファルシも話さず、イランとの関係は全くないにも関わらず、ガーディアン紙の「Rights and Freedom (権利と自由)」という枠で、イランの人権に関する記事を数年にわたって記載しています。
ゴーチェンさんとディーバさんが共著した記事の情報源について聞かれたとき、二人は、多くの証言は、ソーシャルメディアから、名前もアイデンティティーも分からない人々の投稿から引用していることを、恥ずかしげもなく認めています。
この記事では、政府の警察機関が、プロテスターの女性の局部を狙って発射したなどの煽情的な情報が記載されていますが、この情報源については、ガーディアンの編集部にすら見せてない(言い訳は、あまりにも写実的すぎる、だったそうですが、証拠をもっていない可能性が高い)ということで、このような、証拠もない情報を新聞に載せることを許可した、ガーディアン紙の責任が問われるところです。
ガーディアン紙は、以前は独立系メディアとして、スノーデンさんのスクープなども協力していましたが、現在は独立系メディアであることを主張しながら、多くのスポンサー記事を掲載しています。
ディーパさんがイランの人権に関して書いている「Rights and Freedom (権利と自由)」欄は、大富豪のOmidyar(オミダイヤー)さんの組織のスポンサーを受けていますが、オミダイヤーさんは、反帝国主義の政権が出てくるたびに、それをつぶす役割をしているUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)やNational Endowment for Democracy (全米民主主義基金)と深く関与していることが分かっています。
全米民主主義基金は、フィリピンやウクライナなどの遠く離れた地域で、anti-establishment viewpoints (アンティ・エスタブリッシュメント・ヴュウポインツー従来の(既存の)慣習に基づく社会的・政治的・経済的な諸原則(エスタブリッシュメント)ー帝国主義と帝国主義を必要とする資本主義ーに対して異議を唱える立場)を抑圧するために、情報操作などを行っていることで知られています。
これらの機関は、標的にした国(反帝国主義の政策を取る国・政権)に対して、社会の内側から崩壊させようとします。
それには、その国に多くのNGOやメディア機関をつくり、特に若いひとびとに向けて、彼らが政権に反対するように洗脳し、どう軍事的にも政権を破壊するかも教え、暴動に必要な資金や武器、トレーニングを与えます。
これは、アメリカが長年にわたって行っていることで、新しい手段ではありません。
中央アメリカ、南アメリカなどで、アメリカ合衆国国際開発庁や全米民主主義基金を追い出している、追い出す動きがあるのは、これらの機関が、クーデターや社会の内部崩壊などを意図的に起こしているからです。
アメリカや西側政府が、クーデターなどで、反帝国主義の政権をつぶした後には、アメリカや西側政府の言いなりになる傀儡政権をすえつけ、多くは軍事独裁政権を行い、市民たちを拷問にかけたり、大量殺人を行い、市民たちを残虐に抑圧しますが、「民主主義、女性への人権を与えるために」という正当化で、その国の民主的に選ばれた政権をつぶしたあとは、独裁主義(民主主義の反対)、女性の人権が大きく侵害されていることについて、アメリカも西側政府も何も言わなければ、経済制裁なども行いません。
ディーパさんは、イランでの暴動での死者が3万人という数字を、証拠なしで何度も使い、ソーシャルメディアで批判されると、ジャーナリストであるにも関わらず、証拠を示す義務は彼女には全くないと明言し、decision makers (デシジョン・メィカーズ/決定を行うひとびと)が、(彼女の記事を読み)心を動かされ、アクションを起こすことにつながるかどうかだけが、焦点だとしました。
これも、ディーパさん個人というよりも、そういったジャーナリズムとしての資格が全くないひとの記事を堂々と掲載しているガーディアン紙の編集部、組織に問題があるといえます。
ここからも、権威や定評のあるガーディアン紙を信用できないことが、明確です。
また、最近、Bloomberg (ブルームバーグ)での長い経験があるジャーナリスト、Javier Blas(ハヴィエール・ブラス)さんは、以下のような投稿を行いました。
これは、イランのペゼシュキヤーン大統領の投稿(トランプ大統領のイラン市民虐殺とイランのエネルギーや市民に必要な施設を攻撃するとした投稿のあとに、11400万人のイラン市民がエネルギー施設などを守るために、これらの施設を手をつないで守っている状況の描写)へのコメントとなっています。
「Iran is likely to deploy human shields to its bridges and power plants tonight. The use of civilians as human shields is banned under the Geneva Conventions (article 51).」
簡単に直訳すると、以下です。
「イランは、今夜、橋と発電所へヒューマン・シールズを配備するようだ。市民をヒューマン・シールズとして使うことは、ジュネーヴ条約の51条で禁止されている」
ここには、いくつかの深刻な問題があります。
まず、橋や発電所などの民間施設を爆撃することは、戦争犯罪です。
また、ヒューマン・シールズとは、軍事施設に市民が盾として使われるときを指し、橋や発電所などの民間施設にひとびとが歩いたり立っていることを、ヒューマン・シールズとは呼べません。
ジュネーヴ条約をもちだし、さも彼の言っていることは、国際法にもかなった正当なことだと意図的に見せかけているのは、悪質です。
ブルームバーグは、一般的に信用の高いメディアであり、そこで働いているジャーナリストを盲目的に信じるひとびとがたくさんいるのは、残念ながら、確実です。
この投稿では、橋や発電所などの民間施設を攻撃することが、まるで当然(合法)であるかのように見せかけていて、アメリカとイスラエルが戦争犯罪をエスカレートすることを助けています。
実際、鉄道橋などはイスラエルとアメリカによる爆破を既に受けています。
西側主流メディアでは橋の爆破は報道されても、それによる死者については報道が削られることがほとんどですが、爆撃で直接殺されるひとたちだけでなく、移動することが難しくなり、必要な物資や薬などが届かず、間接的な死を引き起こすことも覚えておく必要があります。
希望がもてるのは、イランでは、ひとびとは一致団結して抵抗し、橋を守るために、有名な歌手が橋のたもとで集まっているひとびとに歌って一晩を過ごしたり、著名な音楽家がほかの音楽家とともに発電所に集まり、ほかの演奏家とともに一晩中演奏し、多くの市民たちもそれに加わっています。
アメリカとイスラエルの違法攻撃が始まってから一か月以上たち、3000人以上が殺され、絨毯爆撃が続いているものの、いまだに毎晩、多くの市民が国を守るために、広場に集まっているそうです。
イラン人女性法学者のHelyeh Doutaghi (ヘリヤー・ドゥタギ)さんは、市民たちが外に出ている間、警察や民兵組織のバシジが、車で警備を行っているのは、外部から(アメリカやイスラエルなどの諜報機関やその支持を受けている団体やひとびと)暴動者が潜入して、市民に危険を及ぼすことを防ぐためだそうです。
アメリカのトランプ大統領は、イランでの2026年1月の暴動では、アメリカが暴動を起こすために武器を大量に送ったことを認めています。
また、アメリカの元CIAの高官も、暴動当時に、イスラエルの諜報機関のひとびとも、暴動者の中に混ざっていることを公言していました。
アメリカは、多くの軍事クーデターや暴動を起こすことに関わっていて、これも、今回が珍しい例ではなく、いつものパターンであることも知っておく必要があります。
あとは、知識だけなく、自分の心のありかた、ヒューマニティーにも気を配っておく必要があります。
西側主流メディアでは、西側の国の行いについては、戦争犯罪や国際法違反であることが明らかでも、まるでそれらは西側の国々には該当しないかのような報道をし、グローバル・サウスの国々での死者についてはバックグランドか、存在しないかのような扱い(=人種差別)をしますが、橋や発電所を爆撃するのは当然犯罪であり、密集している地域に絨毯爆撃をして多くの市民たちが殺されることに、正当性があるわけはありません。
ヒューマニティーを持ち続けることは、ディスインフォメーション(帝国主義を続けるため)が、狡猾に浸透している現在では、知識と同じくらい、あるいはそれ以上に大切です。
【参考】
https://x.com/viraameli/status/2042198776366932174
https://x.com/Hamza_a96/status/2041989038966497373
https://thegrayzone.com/2026/02/01/guardian-iranian-death-toll-concocted-monarchist-doctors/
https://thegrayzone.com/2026/04/07/senior-bbc-iran-reporter-opposition-activist/