イギリスで起こっていることː 虐殺に反対する活動家たちがテロリストとして判決をくだされたこと ー Part 2

Yoko Marta
05.08.26 09:12 AM - Comment(s)

イギリスで起こっていることː 虐殺に反対する活動家たちがテロリストとして判決をくだされたこと ー Part 2

"犯罪を暴露することが、犯罪をおかしているとして扱われるとき、あなたたちは、犯罪者によって支配されています。(犯罪を暴露したひとが犯罪者として扱われるとき、私たちは、犯罪者によって支配されている世界・社会に住んでいる)"

エドワード・スノーデン


(前置き)この記事は、事実をもとに考察を述べているだけで、特定の団体を支持することもなければ、特定の団体への参加をよびかけてはいません。

(追加ー2026年7月1日)

キーア・スターマー首相の退任は決定されましたが、The UK国会では新たにNational Security(State Threats)Bill 2026を大急ぎで通過させようとしています。

これが法律として制定されると、アメリカとイスラエルによるイランへの違法攻撃でのイラン市民の死傷者数を報道することや、イスラエルが違法占領しているレバノンでのレバノン抵抗組織からの死傷者数を報道することも違法となり、最長14年の懲役刑となる可能性もあります。

既に、ガザの虐殺に反対することを表明しているUK在住のジャーナリストたちがテロリスト関連で不当に逮捕されたり、数日前には独立系メディアで、同様にガザの虐殺に反対し、The UK政府の共犯・共謀を指摘するCanaryが突然、理由もなしに主要銀行の凍結を受け、存続の危機に陥っています。

先日(2026年6月30日)には、アメリカ人法律家のDan Kovalic(ダン・コヴァリック)さん(ヴェネズエラ大統領の弁護も担当)が、イギリスのジョン・レノン国際空港で、The UKの反テロリズム警察によって拘留され、強制的に、携帯電話・PC・電子機器を取り上げられ、指紋・DNAを取られました。

反テロリズム警察は、ダンさんの、ガザ虐殺への反対とイランへの(侵略)戦争反対を表明していることが(テロリズムに関わる)心配があるということで抑留を行ったとしているそうです。

アメリカでは言論の自由をうたいながらも、ICE(アメリカ合衆国移民・関税執行局)が、片っ端から非白人を誘拐して拘留センターへと収容していることに反対して、テキサス州のPrairieland抑留センターの前でプロテストを行っていた市民たちが、テロリスト、テロリストへの協力を行ったという判決を渡され、数十年、牢獄に閉じ込められることとなりました。

市販の花火などをしながら(花火の音で、拘留センターの人々は、市民たちが応援してくれていることを感じることができる。プロテスターたちの姿を見ることは不可能だから)、平和にプロテストを行っていた市民たちを警察が蹴散らそうとし、逃げている(背中を見せている=警察に攻撃する意図も可能性もゼロ)プロテスターの一人に対して、拳銃を向けていたのをみたプロテスターの一人(おそらく元海軍で、拳銃をもつライセンスをもっていた)が、警察がプロテスターを射撃することを確信して、プロテスターの命を救うために警察官に対して射撃した(警察官のけがはとても軽く、すぐに病院から解放された)ことが原因で、周りにいたプロテスターたちの多くが「テロリスト(反ファシズム団体に所属している、協力している)」として有罪とされました。

アメリカでは、実在しない「ANTIFA(アンティーファ/反ファシズム)」団体がテロリスト団体として認定され、この団体のメンバー、このメンバーに協力していると判断されれば、とても重い判決となります。

「アンティーファ」という特定の団体が実存しないことは、誰でも知っていて、さまざまな反ファシズム団体(=現アメリカ政権の権威主義に反対するひとびとや団体)や反ファシズムを表明するひとびとが、とても広義にテロリストとして認定・判決を受けることを可能にし、政府に反対する人々を見せしめとして牢獄へいれ、それを見た市民たちが怖がって、政府への反対を表明することをやめ、沈黙させることを狙っているとみられています。

この中には、実際にプロテストには参加していなかったにも関わらず、プロテストに参加していた妻から、左派だとみられそうな本などが入っている段ボール(すべて合法な資料や本)を動かしてほしいと頼まれ、動かしたことで、テロリズムに協力しているとみなされ、30年の懲役刑となりました

イギリスでもアメリカでも、「テロリスト」の定義は、故意にあいまいにされ、政府によってとても広義に解釈され、ジャーナリストや普通の市民たちにも適用されるようになってきています。

端的にいうと、政府に反対するひとびとや団体が「テロリスト」認定されるということです。

政府に反対するひとびとや団体が何を指すのかというと、政治家は、大企業や大富豪の利益のための代弁をすることで権力や経済力を得ているため、大企業や大富豪が利益を増大しつづけることをじゃまするひとびとや団体(=戦争や虐殺に反対するひとびとー戦争は勝とうと負けようと、大企業や大富豪に大きな儲けをだすから ー アメリカや西ヨーロッパが直接戦場とはならないことを前提として)を指すことになります。これは、劣悪な労働環境を暴露して、労働環境の適正化を求めるひとびとや、適正な賃金を求める労働団体(大企業の儲けを減らすことにつながるから)、大企業が引き起こす公害や森林破壊などに抗議する環境団体などに適用されることも、そう遠くない未来だとみられています。同時に、わざわざイスラエルへ渡航し、イスラエル軍隊に加わり、ガザでの虐殺を行ったことが確認されているブリティッシュ・イスラエルの二重・多重国籍を持った人たちには、なんの尋問も調査も行われていません。イスラエルのネタニヤフ首相は、国際刑事裁判所から逮捕命令が出ているにも関わらず、アメリカ政府は逮捕するどころか、国会では何度も演説をし盛大な歓迎をされています。イスラエルからアメリカへの飛行では、多くのヨーロッパの国々の空域を通過し、本来なら自国の空域への飛行を許さない、あるいは飛行機を強制的にとめて逮捕するのが義務ですが、どの国の政府もその義務を怠っています。なぜなら、イスラエルが西アジア地域を不安定にさせ、どの国も自国の主権をもった発展を行えない状態を保っているのは、西側大企業にとって、この地域の豊富な資源(石油・ガス・鉱物)や重要な貿易ルートを簡単に独占でき、利益を出し続けることに役立つからです。(この地域で、違法で深刻な経済制裁や武力攻撃などを受けながら、なんとか主権を保ち続けているのは、イランだけ。イラク・シリアなどは既にアメリカのコントロール下)イギリス・アメリカで起こっていることは極端で、日本では起こりえないと思うかもしれませんが、これらの変化は、ある日突然起こったわけではなく、数十年かけて、この極端な段階まで進んだことを覚えておくことは重要です。


(本文)

Part 1では、ガザでの虐殺に反対する団体の活動家たちが、異例だらけの裁判で、陪審員は「Criminal Damage(器物損壊)」について有罪としただけにも関わらず、裁判官は、「テロリスト」関連として、「テロリスト」として、とても重い判決をくだしました。Part 1に詳細を記載しましたが、陪審員たちは、器物損壊で有罪とした場合、裁判官が「テロリスト」関連に結びつけて、「テロリスト」として有罪判決をくだすことを知ることを許されておらず、かつ、この裁判が終わるまでは、The UK(イギリス、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの連合4か国)のメディアすべては、この事実を報道することを法律的に禁止されていました。
この考えられないような法の適用を可能にしたのは、2000年の反テロリズム法の設定から始まっています。
反テロリズム法では、この法律が適用される条件の中に、「Property(プロパティー/所有物、財産、不動産など)に深刻な損害を与えることに関わること」が含まれているものの、設定当時は、人々の命を脅かしたり、人々の安全を大きく損なうような行動でない限り、プロパティーを壊すことを、「テロリスト」認定する意図はなかったとされています。当時の内相、Jack Straw(ジャック・ストロー)さんは、イギリス議会でこの法律について話し合っている際、これらの定義(法律でのテロリスト定義)は、現在、国内に存在する、いわゆる国内活動家グループの大多数にはあてはまらない」として、議会を安心させたそうです。
上記の(テロリストにはあてはまらないとされた)国内活動家グループには、グリーン・ピースのように、環境や軍国主義などの幅広い問題について、ダイレクト・アクション運動を繰り広げる団体も含まれています。
内務省閣僚のCharles Clarke (チャールズ・クラーク)さんも、この反テロリズム法をつかって、テロリスト団体として禁止する(法律の)力を使うのは、どうしても使わざるをえないときだ、と付け加えました。
2006年には、ロンドン同時爆発事件への対応として、先述の反テロリズム法に変更が加えられました。(Terrorism Act 2006)この変更には、テロリズムを奨励すること、テロリストの出版物を広めること起訴・罪状なしで容疑者を長期間抑留できることなどの規定が含まれ、物議をかもしだしました。この規定があまりにもあいまいで、広義な解釈を可能にし、言論の自由や個人の権利、民主主義を著しく制限する可能性がみえたからです。でも、誰もがロンドン同時爆破事件でショックと恐怖を強く感じている中、この変更は国会を通過しました。
2021年には、Counter-Terrorism and Sentencing Act (2021)(テロ対策および量刑法)が制定され、検察官は、今までよりもずっと低い基準で、刑事犯罪に対して、「テロリズム関連」を結びつけることが可能になりました。これは、テロリズムとは無関係の犯罪で、懲役2年以上の投獄の刑が科せられた場合、陪審員による審理を経ずに、テロとの関連性を理由に有罪判決をくだすことができることを可能にします。
この法律の制定にあたっては、反対する声もありました。
貴族院の(侯爵)マークさんは、証拠を一切審理することなく、裁判官単独で下される判決は、自国(The UK)の刑法の原則に反するとしました。マークさんは、異議申し立てが可能な証拠に基づき、裁判において陪審員による審理が行われる場合をのぞいて、有罪判決は行われるべきではない、としました。でも、この法案は国会を通過し、法律として制定されます。
このテロ対策および量刑法が設定された3年後の、2024年8月には、イスラエルの国営武器企業エルビットのイギリス工場の一つに忍び込み、武器と武器をつくる機器の破壊を行った若い活動家たち6人が逮捕され、その36時間後に、Terrorism Actのsection 5のもとに、再逮捕が行われました。彼らは、この武器工場がある、イギリス南西部のブリストルにあるフィルトンという町にちなんで、「Filton 6(フィルトン・シックス)」と呼ばれています。
この法律のもとで有罪となると、「テロリズムの準備を行っている、あるいは、ほかのひとがテロリズムを行うことを助けている罪」となり、終身刑となる可能性もあります。
民主主義だとされる国で、Civil disobedience(シヴィル・ディスオビーディエンス/市民不服従)として、プロパティーだけにダメージを与えるダイレクト・アクションを行う活動家たちが、「テロリスト」として刑を課されることは考えられないことで、2024年11月には、国連の特別報告者が、イギリス政府の行き過ぎの対応について、警告を鳴らしました。
後述しますが、「パレスチナ・アクション」は、2020年に創設以来、100件以上のダイレクト・アクションを実行しましたが、「人」をターゲットにしたことは一度もなく、「Filton 6(フィルトン・シックス)」で活動家のコーナーさんが女性警察官を誤って持っていたハンマーでたたいてしまったのは、ペパー・スプレーを目に吹きかけられ、強烈な痛みと目が見えない中、近くにいた仲間の女性活動家が大きな悲鳴をあげて苦しんでいるのが聞こえ(警察が違法だと思われるやり方でテーザー銃を二度使ったことが判明している)、彼女を助けようと、意識がはっきりしない中、もっていたハンマーを振り回してしまったのが原因だとみられています。このときには、工場のセキュリティーが、ほかの活動家たちに対しても、完全に度を超えた暴力をふるっていて、これも混乱に拍車をかけたとみられています。
国連の特別報告者がThe UK政府に送った文書には、The UK政府が、違法占領されているパレスチナ地域のガザでの紛争における政府の外交政策に反対する政治的な活動、パレスチナ人のself-determination (セルフ・デタミネィション/自決権)を国内サポートする文脈で、テロリスト法をますます適用していることについての懸念を示していました。この文書では、国際的な基準でみると、「パレスチナ・アクション」団体の行動は、テロリズムに該当せず、反テロリズムという法律的なフレームワークは不適切だとしています。また、The UKの法律では、テロリズムの定義が過度に広くて、テロリストという性質をもたない激しい政治的プロテストに対しても、テロリズム法の力を適用することを可能にすることについても、警告を発しています。今回の「テロリズム関連」の適用で、民主主義にはかかせない、ほかの政治的プロテストを思いとどまらせる、不正義な効果をもたらす可能性も指摘しています。この文書の最後では、The UK政府への要求として、「テロリスト目的をもって誰かの死や深刻な負傷を意図するものでない、民主主義社会のなかで、権利擁護や、違う意見や反対意見を表明する、プロテスト、インダストリアル・アクション(労働者の争議ー医師や看護師が労働環境の改善や賃金向上を求めて、団体で、前もって指定した日時に職場を離れる、など)を、The UKのテロリズムの定義から外すように修正するかどうかを説明してください」が記載されていました。なぜなら、プロテストや権利擁護、政府の外交政策に反対を表明すること(戦争反対、虐殺反対など)などは、民主主義の社会として、市民たちに不可欠の権利だからです。
国連特別報告官が、「違法占領されているパレスチナ地域のガザでの紛争における政府の外交政策に反対する政治的な活動」と挙げているのには、わけがあります。
イスラエルによるパレスチナ地域の違法占領・パレスチナ人虐殺・エスニッククレンジングに関しては、The UK政府は、完全に国際法や国内法を無視した対応を取り続け、虐殺を行うことを軍事的、経済的、外交的に加担している現実があります。多くの政治的なプロテストが起こり続けているのはそのためで、The UK政府が国際法・国内法を守り、虐殺・エスニッククレンジングへの加担をやめれば、これらのプロテスト団体は、活動する必要もなければ、存在する必要もなくなります。これらの活動家は、たまたま西側世界に住んでいて、ある程度自由があるので、その自由をつかい、虐殺を可能にしている武器や武器の部品の流れを止める・妨害することで、自分の自由を犠牲にすることを覚悟した上で、ダイレクト・アクションを行っています。
The UK政府の、イスラエルによるパレスチナ人虐殺、エスニック・クレンジング、違法占拠への共犯・共謀について、簡単に背景を記載しておきます。 
2024年4月には、当時の外務大臣だったDavid Cameron(ディヴィッド・キャメロン)さんが、イスラエル政府の首相と高官に対して、逮捕状を発行することを決定した国際刑事裁判所長官だったKarim Khan(カリム・カーン)さんに対して、逮捕状を発行しないよう怒りの電話で、脅しをかけたことが分かっています。その前も、イスラエルの犯罪が国際司法裁判所などに訴えられるたび、The UK政府は、こういった裁判に強い弁護士を裁判所に送り、細かい法律の技術面などを利用して、罪があることが明らかでも裁判が棄却されざるをえない方向にもっていくことを行ってきたことはよく知られていますが、明らかに虐殺が起きている中で、国際刑事裁判所長官に、虐殺を行っている加害者側のイスラエル首相・高官への逮捕状を発行するならば、The UK政府の国際刑事裁判所への資金提供をストップし、国際刑事裁判所が存在できないようにするという脅しをかけるのは、過激です。法律や裁判所が機能していれば、ディヴィッド・キャメロンさんは裁判で有罪となり、牢獄にいるはずですが、自身も貴族階級で裕福・ネットワークも強く、イギリス王室と血縁関係にある妻をもつディヴィッドさんは、快適な人生を送り続けています。カリム・カーンさん(ブリティッシュ国籍)は、報復行為としか思えないやり方で、国際刑事裁判所長官を停職となり、The UKの銀行口座も凍結されました。でっちあげだったとしか思えない、部下の女性に対するセクシャル・ハラスメント嫌疑についても、時間をかけた調査でも証拠は見つからず、嫌疑は法的・公的に晴らされたにも関わらず、政治的な意向で、停職がとかれず、ガザ虐殺に積極的に加担し続けたThe UK首相のキーア・スターマーさんをこの職につけることが画策されているのではないか、という噂もあります。キーア・スターマーさんは元人権弁護士で、つい先日、首相辞任を余儀なくされ、(2026年)9月には後任者に首相の座を譲ることとなります。このカリム・カーンさんに対するセクシャル・ハラスメントの嫌疑は、被害者とされる女性が訴えたのではなく、彼女の同僚が訴えたことに始まります。被害者とされる女性は、そんな事実はないとして、調査に協力を拒否したことも分かっています。
The UK政府は、ガザでの虐殺が始まって以来、ほぼ毎日、イギリス空軍の偵察機をガザ上空に飛行させ、イスラエルに軍事インテリジェンスを提供していることが、The UKの独立メディア、Declassified UKで明らかにされました。(2025年3月)これは、The UK政府が直接、イスラエルのパレスチナ人虐殺に加わっているとみられ、国際法・国際司法機関が機能していれば、The UK政府は戦争犯罪で訴えられるとみられています。「パレスチナ・アクション」は、2000年に設立以来、イスラエル武器工場を閉鎖させ、パレスチナ人たちの命を救うことを目的として、主にイスラエル国営武器企業のエルビットに侵入・武器破壊を行っていましたが、この新たな発見を受けて、2人の活動家が、2025年6月に、イギリス国内のイギリス空軍基地へ電動キックボードでこっそりと侵入し、ガザの偵察機として使われている可能性のある飛行機のタービンエンジン部分に赤いペイントを噴射して、誰にも気づかれず基地を脱出することができたことで、イギリス軍のセキュリティーに対するThe UK政府批判、閣僚への辞任要求なども出て、The UK政府は、これを契機に、「パレスチナ・アクション」をどんな手をつかってもテロリスト認定し、活動を禁止する行動を強めたとみられています。

つい最近、イスラエルが違法占領しているパレスチナ地域のウエスト・バンクの土地を売るイヴェントが、ロンドンのシナゴーグで行われましたが、政府はこれを禁止せず、逆に、これに抗議する平和なプロテスターたちを逮捕しました。違法占領地域の土地を売買を行うことは、国際法・国内法でも違法です。政府・警察の正当化の理由は、「これらのプロテスターは、反ユダヤ主義」です。国営放送BBCは、政府の意向に沿った、完全にイスラエル寄りの報道をすることで知られていますが、このときも、イスラエル・違法占領といった文脈を完全に省いて、シナゴーグの前で、反ユダヤ主義のひとびとがプロテストを行っている、というフレーミングでした。当然ですが、このプロテストは違法占拠されている土地の売買についてのプロテストであり、反ユダヤ主義ではありません。ちなみに、イスラエルが違法占領しているパレスチナ地域の土地や家屋の売買は、アメリカでも長年、堂々と行われています。特に若い人々の間で、BBC離れが進んでいることが知られていますが、この報道の偏り(ほぼ、The UK政府とイスラエル政府のプロパガンダ組織)も、大きな理由として指摘されています。

国内法でも違法にあたる、イスラエルの武器輸出を行っていることも明らかになっています。2026年3月、The UKの工場からイスラエルへ向けて輸出された武器・武器部品が、輸出途中のベルギーの港で見つかり、イスラエルへの武器輸出を禁止する厳格な法律があるベルギーでは、これらは押収されました。いくつかの部品は、アメリカ武器企業のMoogのイギリス国内工場からのものだとみられています。The UKからイスラエルへの違法な武器・武器部品の輸出が、ベルギーで押収されたのは今回が初めてではないとみられていて、数十人の国会議員が、The UK国会で、イスラエルへ武器を送らないという法律が守られているのか、輸出を担当しているロジスティック企業がこれらの法律を遵守いていないのであれば、公的調達のプロセスから外すことなどを要求しています。

Part 1でも記載したように、ブリティッシュ国籍とイスラエル国籍の二重国籍・多重国籍のひとびとが、ガザの虐殺が続いている間に、イスラエル軍に従事していたひとが少なくとも2000人いるのに、なんの調査も行われてません。

実際にガザでのパレスチナ人虐殺を指示する立場にあるイスラエル高官たちがThe UK政府とのミーティングのために、ロンドンを訪れることを許可した上に、戦争犯罪などを起こしていても逮捕されないよう、Diplomatic Immunity(ディプロマティック・イミュニティー/外交特権)を与えていた。記事はここより。
これらのThe UK政府の行動から見えるのは、The UK政府は、イスラエル政府のパレスチナ人に対する虐殺、エスニック・クレンジング、違法占拠などの違法行為を止める意図は全くないということです。
「パレスチナ・アクション」以外にも、ダイレクト・アクション(直接行動)を行っている団体はたくさんあり、「パレスチナ・アクション」がテロリスト認定され、禁止された後も、イスラエルの武器工場、アメリカやフランスの武器企業の工場(ガザでの虐殺に使われている武器や武器の部品を製造している)などで、ずっと活動は続いています。なぜなら、上述したように、The UK政府が虐殺に加わっていることは明らかで、かつ政府がその行動を止める様子は全くないため、活動家たちは、ひとびとを殺す武器が製造される過程を邪魔して、イスラエルがパレスチナ人を殺す武器が手に入らないように(=少しでも命を救う)を続けざるをえません。
先述したように、The UK政府が躍起になって、「パレスチナ・アクション」をテロリスト認定しようとしたきっかけは、活動家の空軍基地への侵入ですが、この侵入が起こる数か月前の時点で、検察機関と警察が、どうやって「パレスチナ・アクション」のテロリスト認定が可能になるかという話し合いを行っていたことが公式情報から明らかになっています。2023年の閣僚会議のブリーフィングや、2025年のスコットランド反テロリズム委員会でも、「パレスチナ・アクション」はテロリストとして認定・禁止する境界点には達していない、と結論を出していることからも、テロリスト認定・禁止を行うためには、法律を無理やり曲げることが必要となります。この法律を無理やり曲げる・拡大解釈するために目をつけられたのが、「Serious damage to property(プロパティーへの深刻なダメージ)」というテロリスト法の一文です。ここでは、何が「深刻なダメージ」として定義されるのかは、どこにも示されていません。先述したように、制定時は、抗議運動などに適用されることは、完全に想定外でした。
「パレスチナ・アクション」は2020年に創立されて以来、100以上のダイレクト・アクションを行っていますが、テロリスト関連行為に結びつけられたことは、一度もありませんでした。
「パレスチナ・アクション」がテロリスト認定・禁止となった際に、検事当局に対して、情報公開法を用いて、政策文書や法的ガイダンス、テロとの関連性が疑われる抗議活動関連事件の取り扱いの内部指針などについての情報公開が求めましたが、検事総室長は、情報が保有されているかどうかについて、肯定も否定もすることをを拒否しました。そのため、市民たちは、何を基準に、プロパティーへのダメージがテロリストへと結びつけられるのかは、不明のままです。
テロリスト関連として起訴された抗議運動から推測できるのは、損害が100万ポンド(2026年6月時点の為替レートで約2億円)を超えたときではないかということです。
Filton 6(2024年8月)以外では、2022年に起こったフランス武器企業のThalesのスコットランド・グラスゴー工場で、6人の若者が武器工場の屋根に上り占拠し、かつ工場内部の武器破壊を行ったことで、100万ポンドの損害が出たとされています。このグラスゴー工場でのダイレクト・アクションを行った活動家へのテロリスト関連としての適用は、Filton 6(2024年8月)のあとに、さかのぼって行われた(2022年に工場での破壊を行ったときには適用されていなかった)ことが明らかで、これも前例のない、異例なことです。
また、武器企業が正確な損害額を報告することを確かにするフレームワークはなく、イギリスのチェスター州の工場では、損害額を400万ポンドと報告しましたが、保険企業などが入り調査が行われると、その1割以下の22万5千ポンドと査定されたケースもあります。
武器企業や武器の部品をつくっている企業は、プロテスターからの攻撃が次に起こらないように、損害額をつりあげることは簡単に想像がつき、「テロリスト」という重罪を適用するケースで、こういった不正が許される状況があるのは、大きな問題であり、公平な裁判が行われない可能性が高まります。
合同テロ分析センターでは、「パレスチナ・アクション」は暴力を目的としない、と認めながらも、「Filton 6」のうちの一人、コーナーさんが、現場へ呼ばれた女性警察官をけがさせてしまったことを利用して、「この団体は、彼らの政治的主張のサポートのために、ひとに対して深刻な暴力をすすんで行う」とし、ほかの政治家たちも、同じことを繰り返し、一般市民立に対して、「パレスチナ・アクション」が深刻な暴力をもちいることを積極的に行っている、という印象をうえつけました。その上、主流新聞などでも、「パレスチナ・アクション」はイランから資金を受けている、という完全に根拠のないうわさが、事実であるかのように報道され、それをあたかも事実であるかのように引用する政治家たちもいました。これらをそのまま信じるひとが多いとは思えず、政府への信用度はますます下がり続けていますが、これらの絶望的だとしか見えない行動は、パレスチナ・アクションだけでなく、多くの団体やひとびとがダイレクト・アクションを通して結果を出していること(武器工場の中期・長期の停止、閉鎖ー命が少しでも救われる)、かつ、これらのダイレクト・アクションにより、国民たちの多くも政府の行動にさらに目がいく中で、必死の行動だったとみられています。
「パレスチナ・アクション」がテロリスト認定・禁止の最初のターゲットとなったのは、先述したように、大きな注目を集めたからだとみられています。「パレスチナ・アクション」がテロリスト認定・禁止となった後も、「虐殺に反対します。(団体名)を支持します。」というプラカードをもって多くの人々がThe UKのあちこちで静かに座ったり、たたずむプロテストが繰り広げられています。これは、「テロリスト団体を支持している」という罪になり、最大で14年の禁固刑になる可能性があります。すでに数千人が逮捕されたようですが、この目的は、自分の自由を犠牲にしても、虐殺を止めようとするひとびとの決意を示し、国民全員が同じ行動にでれば、政府には何もできません。普通の市民たちが立ち上がれば、政府には何もできず、だからこそ、それを抑圧するために、政府が必死の行動をとっている段階だと見られています。
先述したように、「パレスチナ・アクション」が行った100以上のダイレクト・アクションのうち、ひとにけがをさせてしまったのは、この「Filton 6」のケースだけです。ほかは、工場などへ立ち入り、セキュリティーが警察をよび、警察がくるまでの15分から20分ぐらいまでの間に、殺傷能力の高い武器や、それを製造することに関わる機器を壊すことであり、ひとびとへの攻撃は全く含まれていません。この「Filton 6」で完全に異例だったのは、セキュリティーが、過剰な暴力を活動家たちにふるったことです。通常のセキュリティーのプロトコルは、警察を呼び、警察がくるまでは状況をエスカレートすることなく観察することです。「Filton 6」のうちの一人で、器物損壊でも無罪となったDelvin(デルヴィン)さんは、丸腰だったにも関わらず、このセキュリティーからスレッジ・ハマー(大きなハンマー)で顔などを執拗にたたかれ、大きな怪我を負いました。通常であれば、このセキュリティーが「意図をもった傷害罪」で裁かれているはずというほど、度を超えたひどい暴力であったことが判明しています。コナーさんの場合、先述したように、警察官にペパー・スプレーを目に吹きかけられ、痛みのショックと何も見えず方向性を失っている中、近くにいた女性活動家の大きな悲鳴が近くで聞こえ、彼女を助けようと、武器を壊すためにもっていたハンマーを思わすふりまわしてしまい、女性警察官をたたいてしまいました。この女性活動家は、警察により至近距離でテーザー銃を撃たれた上に、床に押さえつけられた状態でも二度目にテーザー銃で撃たれ、特にこの二度目のテーザー銃は、警察規範を確実にこえていますが、警察は、「事故・間違い」と処理しているようです。警察は、この現場(エルビット工場)からすべての監視カメラ映像を回収するべきでしたが、エルビット工場側がこれらの映像をもったままで、上記の警察官とコーナーさんがもみあいになった時間の数分ぐらいの映像だけが失われたとされて、証拠がない状況だそうです。この警察官とエルビット社のメールのやり取りが明らかになっていて、その中には、警察官が、くぼみのある部分の映像(=警察官とコーナーさんがもみあいになった場所)は、被疑者の法廷弁護士によって強い弁護に使われる可能性がある、とアドヴァイスを行っている部分があり、エルビット社側が故意にこの部分の映像を消去したことも疑われましたが、警察官は、通常のアドヴァイスを行っただけで、よく覚えていない、という回答だったそうです。デルヴィンさんが、セキュリティーによって暴虐に痛めつけられている様子は、たまたま警察官の一人のボディー・キャメラに映っていたため、それが陪審員の、デルヴィンさんの器物損壊に対する無罪判決につながったのでは、とみられています。コーナーさんは、「意図のない傷害罪」で有罪となりましたが、もし、状況を説明する機会が与えられ、かつこのときのヴィデオがあれば、この結果は違っていたのではないかとも考えられています。この「Filton 6」の若者たちは、誰一人、前科もなく、多くの素晴らしい人物像がさまざまな人たちから寄せられました。
主流メディアでは、コーナーさんが直面した事実を報道せず、また「女性警察官の背骨が砕かれた」と大きく報道されましたが、実際には、病院のMRIでは見すごしたほどの小さな骨折で、病院からは市販の痛み止めを飲んで、数週間無理をせず様子をみて、ということだったそうです。
Part 1に登場した、法廷弁護士のメノンさんは、テロリスト認定・禁止についてのダブル・スタンダードについて懸念を示しています。
メノンさんは、裁判所で、テロリスト関連という有罪判決が出されるのは、マイノリティーやマイノリティーをサポートする人々や団体が関わっているという、決まったパターンがあることを指摘しています。同時に、The UKの女性国会議員のJo Cox(ジョー・コックス)さんを、射殺・刺殺した白人至上主義者のThomas Mairは、テロリスト関連として裁判にかけられていません。Thomasは、ジョーさんの移民を歓迎する姿勢が気に入らず、ジョーさん自身は白人ブリティッシュでしたが、移民を消去する目的の一環として、殺人を実行しました。また、Thomas McKennaは、「Race war(人種間戦争-Thomasは白人至上主義者で、非白人移民、特にイスラム教徒を消去する意図を明らかにしていた)」のために、多くの武器を買い集めていましたが、上記と同じく、テロリスト関連として裁判にかけられていません。法律の深い知識がなくても、「パレスチナ・アクション」をテロリスト認定・禁止するのであれば、上記の2件は、完全にテロリスト指定されて当然だとほとんどの人が思うでしょう。それ以外にも、白人至上主義で、もともと多くの犯罪歴があるトミー・ロビンソンは、パレスチナを支持するマーチなどに対して、ヘイト・スピーチにあたるようなスピーチを行い、彼の取り巻き団体に暴力をふるうよう煽っていることが明らかですが、彼らが平和なマーチを行っている市民に対して暴力をふるっても、警察はほぼ何もしません。でも、パレスチナを支持するプロテスターに対しては、プラカードをもって歩いているだけ、静かに立っているだけでも、警察が寄ってたかって押さえつけたりと、ダブル・スタンダードが適用されていることは、誰の目にも明らかです。
国民たちが政府を恐れ、抵抗をせず黙っていれば、テロリスト法は、環境に対する抗議運動、労働環境の向上を求める運動などにも適用される可能性が高まり、正当性のある、民主主義には不可欠な、活発な話し合いがもたれなくなり、ますます権威主義が支配する、普通のひとびとが搾取・抑圧される世界となり、それが進めば、それを打ち破ることはとても難しくなります。The UKの多くのひとびとは、それを理解しているものの、既に貧困の度合いが深まり、貧困層も大きくなっている現状では(← 政府の緊縮財政などの普通のひとびとを貧しくし、富裕層をさらに富裕にする政策のせい)、政策に目を向けるよりも、近くにいる、目に見えて明らかに見かけの違うひと(非白人の移民など)を叩くほうが簡単で、政府もそれをあおるような発言・政策をとり続けています。政治家は、大企業の経営者・大株主、大富豪などの代弁をすることで、大きなおこぼれを得ているので、貧困者が増え、貧困者の間でひとびとが争っていることは、好都合です。貧困状態であれば、生きるために仕事を選んでいられないので、劣悪な労働環境・異様に低い賃金などにも我慢せざるを得ず、企業や大富豪が利益を上げ続けるためには好都合であり、どこまでも利益を増やし続けなければ存在できな資本主義という仕組みでは、多くの人たちを貧困に陥れ、搾取することは必須です。人類の歴史ではとても短い期間、いわゆる西側社会(日本も含む)では、普通のひとびとがある程度豊かさのおこぼれを得られましたが、それは、グローバル・サウスの人々に対するひどい搾取によって成り立っていたことを覚えておく必要があります。でも、これは500年ぐらい続いている帝国主義、帝国主義を必要とする資本主義の仕組みのせいで、私たちには、この残酷な仕組みを変えることが可能です。
彼ら(政府)が最も恐れているのは、自分たち政治家や、自分たちに富や力を与えてくれている大企業の経営者・大株主、大富豪などに、民衆たちの正当な怒りが向かうことです。
同じ仕組みから抑圧を受けているひとびとが、少しの違い(民族、肌の色、宗教、文化など)で争うのではなく、協力して、共通の敵を倒す方向へと進むことは大切です。なぜなら、私たちマジョリティーが求めている、尊厳のある生活を送る権利や、自由は、共通しているからです。でも、普通のひとたちがそれらを得られる仕組みをつくれば、現在のエリートたちは、自分たちが不正に操作した仕組で自分たちだけに富を蓄積することが不可能になります。そのため、世界中のどこでも、エリートたちは、この不正な仕組みを保ち続けることに必死です。
自分は、政治的な意見もないし、政治的な活動に関わることはないので、自分や自分の周りのひとたちには関係ないこと、と思うかもしれませんが、司法と政治の分離が壊され、司法が政治家たちによって恣意的に使われるようになると、政府の意見に反対する分かりやすいグループがターゲットにされることからはじまり、Slipper Slopeで、どんな理由でも(出身地や反対するひとと同じ学校に通っていた、同じイヴェントに参加していた、親戚関係にある、など)ターゲットにされる日がくるのは遠い日ではなく、確実にやってきます。
そうならないよう、目を開いてよく観察し、初期の段階で周りのひとを巻き込んで声をあげることは、重要です。ほかのひとへの抑圧・困難を自分のもの(私たちは、ヒューマニティーでつながっている、一枚の布のように織られている存在)として、ともに本当の自由と尊厳のために闘うことは、生きていく上で、とても大切なことです。
次回は、The UK政府の民主主義とは反対だと思える行動についての、歴史的経緯について。

【参考】

Revealed: How Britain weaponised terrorism laws against activists (Declassified UK)

https://www.declassifieduk.org/revealed-how-britain-weaponised-terrorism-laws-against-activists/

Legal profession revolt against the UK judge whose job is to protect Israel's genocide(Jonathan Cook)

https://jonathancook.substack.com/p/legal-profession-revolt-against-the

The Filton Trial (Craig Murray)

https://www.craigmurray.org.uk/archives/2025/12/the-filton-trial/

Investigation urged over illegal UK arms shipments to Israel (Declassified UK)

https://www.declassifieduk.org/investigation-urged-over-illegal-uk-arms-shipments-to-israel/

No Investigations For 2000+ Britons Serving In Israel's Genocide | Declassified UK & ICJP

https://www.palestinedeepdive.com/p/no-investigations-for-2000-britons

How Palestine Action Shook Britain: Co-Founder Huda Ammori Goes On the Record

https://www.palestinedeepdive.com/p/how-palestine-action-shook-britain

Investigation urged over illegal UK arms shipments to Israel

https://www.declassifieduk.org/investigation-urged-over-illegal-uk-arms-shipments-to-israel/

Yoko Marta