ヨーロッパで働く - 仕事の責任と権限 2/3

14.04.21 05:51 AM

ジョブディスクリプション -サラリー・福利厚生

 前回、前々回は、ジョブディスクリプションの基本的な考え方とジョブディスクリプションの全体についてお話しました。今回は、残りのサラリー・福利厚生となります。

 ヨーロッパでは年棒制が主流ですが、国によってサラリーの記載方法は違います。イギリスでは年間給料が記載されていることが多く、ヨーロッパ大陸では年棒から割り出した月毎の給料が示されているのを多く見かけます。また、通常はGross Salary(支給総額ː 税金等がひかれる前)で記載されています。トルコのように自国の通貨が不安定な場合は、アメリカドルで給料を記載・支払いする場合もあります。手取額はTake-home Pay、或いはNet salaryと呼ばれていますが、ヨーロッパ内でも国によって税制は大きく違い、イギリスが低め(支給総額が日本円で400万円相当だと仮定すると手取額は日本とほぼ同じぐらい)、福祉が高い国(ノルウェー等の北欧諸国)ほど税額は非常に高くなる傾向があります。

 交通費については、通常は支給されません。また、フラットの費用負担等も通常はありません。ヨーロッパにある日系企業だと交通費を支給するケースもありましたが、少数です。会社は仕事に直結する部分(出張費等)は費用負担はしますが、住む場所やどういった通勤方法をとるかは個人の選択であり、会社が負担をする必要性があるとは考えていません。私の友人は東欧支店に所属していたのですが、ロンドン支店での仕事を一年に2~3か月行う必要があり、その期間は会社が持っているロンドン市内の借り上げフラットに住んでいました。この場合は、仕事に直結しているので、家賃は会社全額負担となります。

 出張が多く生じるお仕事の場合は、出張費用についても簡単な記載があります。これについては、企業によっても異なる場合が多いため、きちんと詳細を確認する必要があります。私のヨーロピアンの友人たちのケースだと、自宅から出張先への移動時間も残業時間としてカウントされ支払われる場合が多かったですが、自宅から勤務先に寄ったと仮定して残業時間は勤務先から出張先までの時間とカウントするケースもあります。また、あまり聞かないですが、残業した分を代休として処理する場合もあります。食事代についても、朝食は補助がなく、昼食・夕食は全額補助、或いはビジネスパートナーや顧客と一緒だとビジネスの一部とみなし、朝食等の区分に関わらず全て支給等、企業や仕事の内容によっても異なります。また、出張の際の残業代が通常のPro-rata(時間給)で計算されるのか、1.5倍なのか2倍なのかも異なります。細かいことを聞くのを躊躇される方も多いですが、お仕事を始めてから不満となるのは誰にとっても望まないことなので、きちんと質問されることをお勧めします。出張が多い場合は、通常会社のクレジットカードを支給されます。基本は、ビジネスに必要なコストは会社負担であり、自費を持ち出すということは想定されていないし、まずありません。

 また、日本ではビジネス関係でもギフトを送る習慣がありますが、ヨーロッパでは日本のように頻繁にギフトを送るような習慣はありません。顧客先へのギフトは、どんなに小さいもの、自費だったとしても賄賂と見なされ法律違反、会社の規定違反になる場合が十分にあります。日本でのビジネス慣習は規定違反になることも常に頭に入れ、会社の規定を隅々まで確認し、不明点があれば質問して明確にしておきましょう。会社としては、規定をきちんと用意することで責任を果たしており、内容を正しく理解して遵守、またはわからない点や規定に該当しない状況が出てきた場合は会社に確認することは雇用者の責任です。