The Green Catalyst
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Reference:女性向け

イギリスで困ったときに。転ばぬ先の杖。プラス、転んだ時の対処法

2024年3月時点で、分かる範囲で、できる限り正しい情報を掲載しています。情報は日々変わるので、最新の情報を調べて、ここに記載しているものは参照として使い、自分で判断するようにしてください。

また、下記はThe United Kingdomの連合国4か国のうち、イギリスの情報となります。
ウェールズ、スコットランド、北アイルランドではそれぞれの国で決まりが違う場合もあるので、該当する公式な情報を確認してください。

【AIでつくられた性的なイメージについての法律】
2024年1月31日以降、イギリスでは、AIで作られたIntimate Images(インティメイト・イメージズ/このコンテクストでは、裸の写真や性的なことを連想させるもの)を、合意なしでシェアしたり、イメージをシェアすると脅すことも法律違反となりました。実際に撮られたインティメイト・イメージズについて合意なしにシェアしたり、シェアすると脅すことはずっと前から違法です。Online Safety Actと呼ばれているもので、ここから情報を確認できます。ソーシャルメディア等で女子や女性の顔をコピーし、そこにAIで身体部分を生成して、とてもリアルな場合もあるようです。既に、多くの一般女性や子供たちが被害にあっています。被害者は100パーセント悪くありません。気が付いたらすぐに、警察に相談しましょう。

【避妊(低用量ピル等)について】
NHS(National Health Service/ナショナル・ヘルス・サービス)で無料で処方してくれます。
GP(かかりつけ医)と話して、Prescription(プレスクリプション/処方箋)をもらう必要があります。処方箋をもって薬局に行くと、そこでピルを無料で処方してもらえます。通常の薬だと、Prescription Chareges(プレスクリプション・チャージズ /処方箋代)として、9.65 パウンド(2024年3月現在)を課金されますが、低用量ピルについては、女性の性を女性がコントロールできることは基本的人権の1つだと考えられているので、無料となっています。
※Englandについては、2023年12月から、一般薬局でも2種類のcontraceptive pill(コントラセプティヴ・ピル/避妊ピル)がGP(かかりつけ医)の診断・処方箋なしで手に入るようになります。無料です。なお、2種類のうち、1種類は薬剤師が血圧をはかること、体重を聞くことが義務付けられているようです。ただ、一般薬局は、このサービスを行うために、登録等の手続きがあり、多くの薬局で実際にサービスが開始されるのは2024年初めぐらいだと考えられています。ガーディアン紙の記事はここより。

私の場合は、Migrain(ミグレイン或いはマイグレイン/偏頭痛)もちのため、当時3種類あった低用量ピルのうち1種類が血栓を作る可能性が非常に低いということで処方されました。他にも避妊法(コイル装着等)はいくつかあるので、ざっと説明を受けて、資料をもらって考えたのですが、私は結局低用量ピルにしました。どの避妊法を選んでも無料です。
NHSの公式サイトに避妊方法の一覧とそれについてのQ&Aがあります。ここより。
私は、何度か引っ越してGP Surgery (ジーピー・サージェリー/かかりつけ医のいる医院)も変わりましたが、どこでも女性医師はたくさんいて、女性医師を指定することが可能でした。もし、私のように女性医師に話したいという人は、レセプションで、女性医師を指定したいと話せば大丈夫です。
処方箋代については、変更されることがあるので、ここから最新情報をチェックしましょう。

【Emergency Contraception (エマージャンシー・コントラセプション 緊急避妊薬)】
近所の薬局や、「NHS walk-in centres and minor injuries units」で無料でもらえます。
種類によって、薬が有効なのが被害にあってから(或いは性行為があってから)3日以内なのか、5日以内なのかという違いがあります。
どちらにしても非常に短い期間なので、下記で確認しておきましょう。
避妊は100パーセントではないので、気を付けていても妊娠が分かった場合は、すぐにGP(かかりつけ医)に相談しましょう。産むか産まないかを迷っているときも、ジャッジされることはないので、安心して相談できます。選択肢はたくさんあります。
上記サイトで、NHS以外から、有料で、対面或いはオンラインで購入できるとあり、その場合は、価格帯は、25ポンド~35ポンドぐらいだとしています。
薬局大手のBootsでは、以下のサイトに詳細な情報と、オンラインで購入できるリンクがあります。
ただ、もし可能であれば、薬剤師に対面で話すことをお勧めします。男性の薬剤師に話すことが躊躇されるなら、女性の薬剤師もたくさんいるので、女性と話せるよう、頼みましょう。

NHS Walk-in centre(予約なしで医師の診察を受けられる。ただし、待ち時間は長い可能性あり)は以下より探せます。
住んでいる場所の近く、職場や学校の近くを念のため確認しておきましょう。

【性犯罪にあったとき】
自分や周りの人々が性犯罪の被害者となった場合は、被害者は全く悪くない、加害者が100パーセント悪い、ということを常に頭に置いておく必要があります。
また、被害者も加害者も性別に関係ありません。男女のどちらもが、被害者、加害者になりえます。
男性が被害者となった場合、助けを求めにくいと感じるかもしれませんが、イギリスでは男性被害者へのサポートもきちんと存在するので、助けを求めてください。また、男性が被害にあうはずがないと思っている発言をするひとがいれば、できる範囲でチャレンジしましょう。正しい理解が広まると、被害者も声をあげやすくなり、加害者も加害する選択をする前に考えてやめることにつながるかもしれません。
加害者はモンスターのようなひとではなく、往々にして、社会的に地位があったり、身近な人々(家族、親族、友人、友人の友人、大学や学校の先生、会社の上司等)であることを、心に留めておきましょう。

電話できるときは、緊急通報の999へ。
電話で話すことが危険なときは、999へ電話したあと、55を押して自分の居場所を知らせる方法もあるそうです。
さまざまな事情で、その場ですぐ警察へ通報できなかった場合、いくつかの方法があります。
以下のNHSの公式サイトに記載されています。

簡単に要約すると以下となります。
Sexual assault referral centres (SARCs)  ― セクシャル アソルト リファラル センター
24時間対応しているところが多い。
性被害に特化した機関です。男女どちらもが対象です。
以下のサイトより、自分の住んでいる地域のセクシャル アソルト リファラル センターを確認できます。セクシャル アソルト リファラル センターを確認できます。

サイトには、日本語への自動翻訳ボタンもあるので、英語で読むのが難しければ日本語の自動翻訳を確認しておきましょう。
まず最初に電話で予約を取る必要があります。
通訳を手配してもらうことも可能なようなので、通訳が必要であれば予約時にお願いしておきましょう。
一人で行くのが不安な場合は、遠慮せず友人や知り合いに同伴をお願いしましょう。
ロンドン付近では、3つのセンターがあるようです。

ここでは、包括的な性被害者へのサポートを無料で行っており、性病の確認、モーニングアフターピルの処方、警察へ通報したければそのサポート、精神的なサポートが必要であればカウンセリング等へつないでくれます。
ウェブサイトでも明記していますが、被害者の意思と安全を一番に考えています。警察へ通報することが精神的に大きすぎる負担であれば、通報することを強要されることはありません。ショックから少し回復したあとに通報したいと思えば、そのときに通報することも可能です。まず、自分の安全と健康を第一に確保しましょう。
このサポートは当然ですが、Confidencial (機密)であり、無料です。
このほかには以下の方法があります。
  • GP(かかりつけ医)、或いはGP Sergeryの看護師に相談
  • ボランティア機関に連絡
  • The Rape Crisis national freephone helpline へ電話
    0808 802 9999 (12 to 2.30pm and 7 to 9.30pm every day of the year)
  • Samaritans(サマリタンズ) - 誰かに悩みを話したい場合 (24 Hours - English or Welsh) 
    日本語サービスはないようですが、トレーニングを受けている人々なので、英語が苦手と思っていても大丈夫です。
    チャット・サービスも現在はPilot Serviceですが存在します。
    https://www.samaritans.org/
   上記には、Self-helpもあり、Self-help appを使ってどう感じているかを記録することも可能です。言語化する習慣は、日本やアジアの国々のように、 
   言語を使わないコミュニケーションに大きな比重が置かれている文化で育った場合には、自分に力を与えることとなります。

【Spiking (スパイキング/(飲み物にドラッグを混入される)について】
2023年8月時点で、スパイキングが増加しているとのニュースがありました。残念ながら、スパイキングはFestive season(クリスマス、新年会等)の時期に特に増えます。
どんな状況でも、被害者は100パーセント悪くありません。
警察へ連絡、或いは、性加害を受けた、或いは記憶が飛んでいて明確ではないけれど性加害を受けた可能性がある場合は、上記の​Sexual assault referral centres (SARCs)  ― セクシャル アソルト リファラル センターへ。
UK警察の情報は以下より。
簡単に要約すると、以下です。
    もし、あなたやお友達がスパイキングされたと思ったら、以下の症状がないか観察。
         ー 混乱/気持ちが悪い・吐く/幻覚/きちんとコミュニケーションできない/意識を失う
        ※症状が悪化しているようであれば、すぐに999へコールし、救急車をよびましょう。
    もし、あなたか友達が、スパイキングをされたようだったら、以下を実行しましょう。
        ー もし、パブやコンサート会場等にいたら、働いている人(バーテンダー)や、セキュリティーに知らせてください。
        ー 友達から離れず、話ができる限り話し続けてください。
        ー ひとりでその友達を帰らせたり、知らない人にその友達を預けて去ったりしないでください。  
        ー 警察へ連絡しましょう。緊急であれば999、緊急でなければ101
    スパイキングにあう危険性を減らすためにできること
        ー 友達とお互いに注意をしておきましょう。
     ー 飲み物を常に自分の目の見えるところに置いておきましょう。トイレに行った際にドリンクをテーブルに置いた場合は、そのドリンクは飲まないよ             うにしましょう。 
      ー (たとえ友達の友達や知人でも)ドリンクをもらうことは避けましょう。ドリンクを受け入れるのは、一緒にパブのカウンターでオーダーして、                   パブのメンバーから直接ドリンクを渡されたときです。性加害の多くは、知り合いの間で起こります。
     ー 誰かが、あなたやあなたの友人のドリンクに手を延ばしているとき、近づいているときには注意しましょう。
    ー もしスパイキングをしているのでは、という怪しい行動をしているひとをみたら、すぐに、その場所で働いているひとに知らせましょう。

【Abortion (アボーション/中絶・堕胎)について】
基本は、NHSで無料です。
産みたいかどうかを決定しきれない場合も、どんな選択肢があるのかを相談できます。
一人で悩まず、早めに相談しましょう。
イギリスでは、ジャッジされたりせず、プロフェッショナルでありつつ、患者に寄り添ってくれます。

妊娠初期であれば、心臓疾患や喘息等の疾患がなく、At home Abortion pills(自分の家で処方された錠剤を飲む)を処方しても安全だと医師によって判断された場合は、手術ではなく、この錠剤を家で飲むこととなるようです。心臓疾患等がもともとある場合は、患者の安全を守るため、At home Abortion pillsは処方されず、病院での処方、或いは手術となるようです。
正しい情報は、NHSのAbortionについてのサイトを確認してください。
NHSのかかりつけ医(GP)と話すのが一番ですが、何らかの事情で難しい場合は、MSI Reproductive Choicesにコンタクトすることも可能です。
NHSと同じく基本は無料で、カウンセリングサービスもあります。

NHSのサイトでは、基本的には妊娠24週までは中絶することが可能だと記載されています。

ただ、2023年3月現在で、既にWaiting Listは長く、医師や看護師の人手不足が長期間続いていることもあり、心身に負担をかけない為にも、早めにGP(かかりつけ医)に相談しましょう。2023年10月時点でも、全体的にWaiting Listはさらに長くなっているようです。早めに相談しましょう。

【Revenge Porn(リベンジポルノ)被害にあったとき】
自分の性的な画像やビデオ(分かりやすい性行為や裸であるという場合以外でも、着衣であっても性的なことを連想させるようなものや、本人が公開してほしくないと思う画像等も含む)がインターネットに出回っているのに気付いたり、誰かが物理的に見せて回っていることに気づいても、パニックに陥らないで。
あなたは一人ではありません。
まず最初に、あなたには100パーセント非はありません。
悪いのは、プライベートにとどまるべきものをアップロードした加害者であり、あなたが恥ずかしいと思うことは全くありません。
恥ずかしいのは、卑怯なことをした加害者です。
リベンジポルノは、イギリスでは違法です。
加害者は最高2年の懲役となる可能性があります。
リベンジポルノとは、性行為をしている画像や身体の局所を映しているものだけでなく、性的なことを連想させるようなものも含まれます。基本的に、個人的な場面で取った画像を、当事者の合意なしにインターネットにアップロードしたり、携帯電話に保存した画像やビデオを他人に見せるのも違法です。
身体的な暴力がなくても、心理的に操作され、性的な画像やビデオを撮らされた場合も違法です。
また、知らないうちに隠し撮りするのも違法です。
隠し撮りの多くは、Voyeurismという犯罪になります。有罪となった場合は、最大2年間の懲役刑となります。
イギリスでの法律はここより確認できます。
公式な相談場所は以下より。
※画像やビデオをウェブサイトから取り除くことにもサポートがあるようです。

普段から、日本特有の加害者を守る考えに洗脳されていないかを自分で観察するのは大事です。
強盗にあったときに被害者が悪い、被害者に非があったという人はほぼいないのに、性的なこととなると、被害者を責め立てる人が多いのはおかしなことです。性的なことや裸であることも、人間であればごく普通のことで、恥じることはありません。それなのに、なぜか性的なことになると、「男性の性欲は抑えられないから仕方ない、男性はストレスがあるので女性をつかってストレス発散するのは仕方ない、性的な写真や画像を取らせる機会があったのは女性の落ち度」といった完全に根拠のない神話が、さも真実であるかのように語られます。
少し考えれば、警察官の目の前で女性を襲う人もいなければ、会社の女性上司を襲うことはしないのは明白です。加害者は、自分が捕まるのを避けられるようきちんと計算しています。もし、本当に理性がきかない、というのであれば、病院に通い治療を受け、かつ犯行を犯さないよう行動は規制・監視される必要があります。また、ストレスを他の人々の人権を暴力的に侵害することで晴らすのは完全に間違っているし、ほとんどの場合は犯罪です。男女関わらずストレスは誰もが経験することはあり、運動したり、友人と話したりして、自分で健全な方法を選択するべきだし、選択できます。
「性的なことは、恥ずかしいこと」と、間違った考えを押し付けることで利益を得ているのは、加害者です。
また、この間違った考えは、被害者を沈黙させ、正義が行われず、加害者は何をやっても責任も罰もなく、ますます加害行動はエスカレートするでしょう。こういったことがまかり通れば、加害行動を取る人々の数ももっと増えるでしょう。
少なくとも、自分が育った場所の慣習・文化からくる有害な刷り込みには気づき、周りでこの間違った神話を広める人がいれば、チャレンジしましょう。

友人がリベンジポルノ被害にあい、闘ったイギリス人女性のサイト:
※彼女は画像・動画を載せたサイトに直接連絡を取って取り除かせたときもあるそうですが、サイトのオーナーが、あなたが本人だと確認するために「画像と身分証明書」を送ってという場合もあったそうですが、送ってはいけません。送る必要は全くありません。上記の公式な相談場所では、画像と身分証明書を求められたりはしません。

【Economic Abuse(経済的虐待)/Domestic Abuse(家庭内の虐待)被害にあったとき】
まず、最初にパートナーや夫との関係は、Equal(対等)でCivilである(日本には存在しない概念ですが、市民としてふさわしい行動=穏やかに対等の立場で話し合いができ、相手を尊重した態度と言動を常にとる)ことが前提です。あなたの言語力のレベル、収入の多寡、人種、階級、社会的地位やマイノリティーであることによって、ひとの価値は変わりません。あなたがたまたま失業していたり病気であっても、あなたは相手と対等です。そうでなければ、健康な関係とはいえません。

経済的虐待もドメスティック・アビューズも、子供ができるまでは全く兆候を見せない場合も多いそうです。
イギリスでも6人に1人の女性が経済的虐待を経験しているそうです。
被害にあった自分を責めず、助けを求めましょう。
あなたは一人ではありません。
また、友人や身近な人が被害にあったときは、加害者が100パーセント悪く、被害者には非はないことを認識しておきましょう。
加害する人がいなければ、被害者は存在しません。

ドメスティック・アビューズの一部として経済的虐待が起こることもありますが、分かりやすい身体的・精神的な暴力を伴わない経済的虐待もあります。
まず最初に、経済的虐待が起きていることに気づく必要があります。
一見優しそうな、「子育てと仕事の両立は大変そうだから、仕事はやめていいよ」だったり、「きみは忙しそうだから、銀行口座や家の支出の管理は僕がするよ」かもしれません。いったん、経済的自立を奪われると、状況が悪くなり立ち去ろうとしても物理的にとても難しくなります。
具体的には、「自分の名前で借金をされる」「自分の銀行口座に相手はアクセスできるが、相手は自身の銀行口座については明かさない」「夫やパートナーの都合で田舎に引越し、仕事を見つけるのも難しく孤立し、生活に必要なお金も制限され、友人に会ったり電話することも難しい」等、さまざまです。働いていても、収入の差が大きいのに共通口座に払い込む金額が同じで、女性側は友人とお茶をするのもままならない、というケースもあります。
対等な関係の一例として、よく聞くのは、収入の違いを反映した金額を共有口座に入れておくケースです。
例えば、パートナーや夫が自分の2倍収入があれば、共有口座に「パートナー・夫:2、自分:1」の割合で振り込む、です。
Fair(公平)であるとお互いが納得できる方法をよく話し合って決定することが大切です。状況が変れば、見直しも必要です。

個人によって違いはあるものの、ヨーロッパ一般では専業主婦というのは珍しいです。お互いが話し合いをして納得していればそれでいいのですが、家計をどうするのかは、一緒に住む前、結婚する前に話し合っておくことは重要です。基本は、自分の人生の決定には自分で責任を持つことです。「相手が自分を幸せにする、相手が経済的に完全に自分の面倒を見る」というのは、非現実的なExpectation(期待・予測)であることを認識しておくことが大事です。
また、子供をもつ決定をする前に、産休・育休中にどの程度の収入が女性側に見込まれ、場合によってはパートナーや夫が家計のほとんどを負担する必要があるのなら、彼はそれが受け入れられるのかをお互い確認しておく必要があります。
また、ヨーロッパでは一般的に、どちらもが働いているので、お互いが自分の銀行口座を管理していて、共通口座に共通で使うもの(家賃、水道代、ガス代、住民税等)を入金しておくのもごく普通です。自分の銀行口座は自分で管理することは大切です。
子供をもつ予定であれば、お互いがどの程度年金に向けて備えていたり、どの程度貯金をしているのかは、ある程度透明化しておく必要があります。
こういった話し合いができないようであれば、関係性自体を考え直す必要があるでしょう。子供を持てば、子供が大人に育つまでは責任があります。夫婦やパートナー同士で健全で安定した関係性がつくれないところに、大人に振り回されざるをえない立場の弱い子供をもつことが、正しいことなのかどうかは自分でも鑑み、かつ相手とよく話し合う必要があります。

また、よく見たケースとしては、日本人女性とヨーロピアンのカップルの間での話し合い不足です。
女性側は「自分は外国人なのだから良い仕事にもつけないし、外国にいるのはあなたの都合に合わせているのだから、私は働かず、あなたの全給料を私がコントロールして当たり前」と考えていて、パートナーや夫側はヨーロピアンの普通の考え方で「健康な大人なら、働くのが当たり前。この国に住むのを誰かが強制したわけでもなく、きみの人生の責任は君にある。外国にきて半年ぐらいは慣れるまで仕事が見つからなくても仕方ないけど、外国人だから働かないというのはありえない。何か事情があったり、状況が変わり、話し合って合意が形成できれば、専業主婦はありうる。」
どちらが間違っているというわけではなく、言語化して話し合うことはとても大事です。
自分が無意識に常識と思っていることこそ、言語化して、一歩下がって距離を置いて観察しましょう。
私の周りのヨーロピアンで専業主婦は一人だけですが、夫が病気、突然死したときの不意の出来事に対してもきちんと計画されています。彼女は10年以上働いてBed and Breakfastができるような大きな家を買う資金を二人で貯め、家を買ってから子供を持ちました。そこは、近隣の国々の普通の人々が安く海辺で過ごすためにくる場所であり、2階部分を賃貸物件として長期に貸し出している人々も多く、夫が働けなくなったり死亡した場合、保険金だけでなく、彼女が2階部分を貸しに出して、掃除等の世話をすれば、子供を育てていくのに十分な資金となることを見込めます。この計画は定期的にプロフェッショナルも交えて見直しているそうです。彼女はいわゆる専業主婦ですが、夫も週の半分ぐらいは夕食を料理するし、当然ですが、子供の面倒を見ることもシェアしています。ヨーロッパでは、仕事は定時終わりが普通だし、特別なことがなければ、仕事の後に仕事仲間と飲み会等に夜遅くまで出かけるようなことはありません。会社より家族が大切なのは当然です。「専業主婦は夫に養われているのだから、夫の言うことに100パーセント従い、夫のご機嫌伺いをする」という考えは存在しません。また、「収入があるほうが上で収入がないのは下」という考えも存在しません。二人で話し合ってそういった家庭の形態をとっているだけであり、二人は対等です。

UK政府の経済的虐待についての資料は以下にあります。
経済的虐待に特化した、イギリスのチャリティー団体のサイト
ドメスティック・アビューズについては、イギリス政府の情報が以下にあります。
公的なサポートは多く存在するので、もし一か所があまりサポーティブでないよう感じても、別の公的機関に連絡し、諦めずに助けを求めてください。
また、日本的な考えで、「生活するお金を出してもらっているのだから、いつでも性行為には応じないといけない」ということはありません。パートナーシップや結婚という関係は、Transactional relationship(トランザクショナル・リレーションシップ/お金と物品のやりとりのような取引関係。「愛」は存在しない)ではなく、「愛」がメインのRelational relationship(リレーショナル・リレーションシップ)です。もし、あなたが性行為をしたくないときであれば、気軽にNoといえる関係が、健康で普通の関係です。夫婦間でも、相手が性行為を望まないときに無理やり行うのは、レイプで犯罪です。

対等な関係について (私のBlog記事より)
ヨーロッパと日本でのコミュニケーションの違い(私のBlog記事より
男性と女性が同等に働くと何が起こるか(私のBlog記事より)

Assertion(アサーション)について(私のBlog記事より)

【セクシャル・ハラスメント】
イギリスでは、セクシャル・ハラスメントは、雇用されている人だけでなく、Job Interview(仕事の面談)に行った人も含まれます。面談で、妊娠の有無や可能性を聞くのも違法です。ハラスメントにあったら、遠慮なく企業のHR(Human Resource/人事)か、指定されている窓口に連絡しましょう。あなたの基本的人権の侵害や、バウンダリーを踏み越えることは許されることではありません。
セクシャル・ハラスメントにはFavoriticism(フェイヴォリティシズム/贔屓)を通して、周りの人々から孤立させることも含みます。
加害者が100パーセント悪く、被害者に非はありません。
加害者が被害者に対して圧倒的な力(仕事や社会での地位、経済的、ネットワーク等の知識や人的なもの)をもっている場合が多く、また、加害を繰り返すことで狡猾な手段をマスターしている人々がいることも事実です。
多くのセクシャル・ハラスメントは日本人間で起こり、加害者は知っている人であることが大半です。
加害者の中には、社会的地位の高い人々や、周りから評判のいい人が往々にして存在することに留意しておくことが必要です。
また、既婚である/子供がいる/家庭がうまくいっているようだ、ということは、加害をするかしないかには関係ありません。
加害する人は、加害する機会を巧妙に作り出し、被害者や周りの人々を沈黙させるように仕向けます。
加害者を加害させないようにするのが一番大切ではあるものの、「加害は絶対に許さない」という社会の合意と土壌ができあがるまでは、被害にあっていることに素早く気づき、加害がエスカレートする前に加害をストップできる可能性がある手段を取ることを講じておく必要があります。
何かおかしい、不愉快だと感じたら、自分の直観を信じましょう。
何が起こっているかを記録して、パターンがないかどうかを確認しましょう。
加害者は少しずつバウンダリーを浸食し、周りの人々もそれに慣れてしまい、ハラスメントが誰からも認識しづらいようにします。
最初に加害者があなたのバウンダリーを少しでも越えたときに、明確に「No」をつきつけるのが一番なのですが、仕事を始めたばかりだったり、この国に住み始めたばかりでは難しく感じたり、何とか「気のせいだ。あの人は悪気があったわけではない」と自分を思い込ませたくなるかもしれませんが、他の人のあなたに対する悪い行動を正当化しようとしている時点で、赤信号であることに気づきましょう。
日本人に相談すると、被害者を黙らせようとすることが多いのですが、イギリスの公的な機関では、正義が行われるよう、あなたの健康と意志を尊重しつつサポートしてくれます。世の中には、あなたの味方をしてくれる人のほうがよっぽど多いのだということを覚えておきましょう。
下記に詳細な記事があります。

セクシャル・ハラスメント 基礎知識と対応、バウンダリー(私のブログ記事より)

ハラスメントへのイギリス政府の試みー加害をゼロに(私のブログ記事より

【キャリアへの基本的な考え方】
  • あなたの価値は、あなたの給料額や職種、職位で決まるものではありません。仕事は自分の人生の一部であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
  • キャリアはいつもOn goingであり、過去がどうであろうと、自分にとって良い方向に変えていくことが可能です。
  • 日本と比べると格段に良いものの、女性の賃金や昇進は男性に比べると劣ることが多いです。Strategic(戦略的)にキャリアを考える必要は、男性よりも大きいことを自覚しておきましょう。
  • ヨーロッパでは、プロフェッション・スキルが仕事での財産です。これは、誰にも奪えません。「女性の仕事は、男性のアシスタント/家庭や子供をもつと長時間働けなくなるのでキャリアを考えても仕方ない/会社が部署や勤務場所を決めるのでキャリアを考える必要はない」という考えはUnlearnしましょう。あなたのキャリアは、あなたが決めるものです。
  • 経済的自立を手放すのは、女性にとって危険を招く可能性が高いです。仕事を手放すことがやむを得ない場合も、自分のスキルや好きなことがどう社会に活かせるかを考え、必要に応じて、オンラインの無料講座を試す等、次の機会に備えましょう。
  • 仕事は、「プロフェッショナルな場」で、誰もが対等です。プロフェッショナルなバウンダリーは、私的な場面でのバウンダリーとは大きく違います。誰かがあなたのバウンダリーを踏んだら、自信をもって「No」を突きつけましょう。それは、あなたの容姿についてのコメントだったり、話すときに距離を詰めてくる等の曖昧に見えることかもしれません。これらは、仕事をプロフェッショナルに行うことについて全く関係ないものです。
  • 女性が多く働く業界は、どこの国でも低賃金業界である傾向が強いです。その業界のスキルやサービスのレベルが低いというわけでは、全くありません。社会や政治の仕組で作り出されたシステム的な不平等な構造です。この不平等なシステムと闘うことと同時に、戦略的に将来性をみて動くこと、自分の情熱やモラル、好きなこととどう適合できるのかを常に考えておく必要があります。
  • 現在のテクノロジー革命は、女性にとっては特に大きなチャンスです。これから先に伸びる業界、グリーンエコノミー、グリーンテクノロジーに関する業界を選ぶ、または、それらに関する専門分野の仕事(SDGのポリシー策定等)を選ぶ等、先を見る必要があります。STEM(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、数学)分野が好きであれば、とても有利になりますが、必ずしもそうである必要はありません。プロジェクト・マネージャーのように、テクノロジーの基礎知識と人間関係を扱うソフト・スキルの組み合わせが必要なものもあります。周りや世界で起こっていることに常に関心をもって、情報を収集し、自分で判断することが大切です。

【Night out】
イギリスの都市部は、Night out(外出して楽しく過ごす夜)も楽しいです。
お勧めは、安全のために大勢で一緒にいることと、帰りみちを複数確保(地下鉄で問題→ バスやブラックキャブ或いはライセンスを受けているミニキャブ会社にすぐ連絡できるようにしておく)、或いは友人の家にみんなで泊まる等です。
日本と同じですが、気を付けるのは、以下です。
  • 飲み物にスパイクされていないか(知らない人に勧められた飲み物は飲まない、飲み物から目を離さないートイレに行くとき等は、友人に飲み物を持っていてもらう。無理であれば、その飲み物は諦めて飲まない)」
  • なるべく大人数で過ごし、独りにならない
  • タクシーにも複数の友達で乗る。それが無理であれば、タクシーに乗っている間に友人に電話をこまめにかけてもらう(たとえ運転手が犯罪を犯そうとしても、すぐに足がつくことを恐れて犯行に及ばない可能性が高い)
  • 嫌なことには明確に「No」「Stop it」と言う。このときに、笑顔を見せないことは大事です。日本で女性は怒った顔を見せてはいけない、常に笑顔で(特に男性相手だと逆恨みされそうだから笑顔で)と言われ続けたかもしれませんが、本当に嫌なのかそうでないのか、混乱を招きます。日本での慣習は、ここではUnlearnしましょう

【Shopping trip】
  • 高価な買い物(一目でブランドものと分かり、換金性が高い)をしたときは、タクシーでDoor to Doorにするか、安い買い物袋や紙バッグで、中身が分からないようにしましょう。
  • デパートメントストアで、トイレのドアの後ろにあるフックにかけていた荷物をトイレの個室の外側から手を延ばして取られるケースもあります。貴重品は身に着けていましょう。
  • 人前で現金交換や、現金を数えたりは絶対にしない(電車の中や、パブ等も含む)

楽しく快適な生活を送るためには、安全でいることが前提条件です。
自分の安全を、正しい情報と知識から確保し、余裕があれば、周りの人々のことも気にかけてあげてくださいね。
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About Me

イギリス在住20年以上。

日本の国立大学の美学美術史卒業。

元 ITエンジニア(日本・イギリスで10年以上ーイギリスで労働許可証を取得)/ジュエリーデザイナー / リクルートメントプロフェッショナル (イギリスで8年以上)

すべての人はギフト(個人個人のよいところー誰もが違う)をもっていて、それを見つけ、伸ばし活かして、みんなで共に希望のある、信じられる未来をつくっていくことは可能だと信じています。出生や出身大学、年齢、国籍ということにとらわれず、Possibilities(可能性)を基本に、一人一人と社会にとってポジティブな未来をつくる一歩を踏み出すお手伝いをします。

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イギリスで困ったときに。転ばぬ先の杖。プラス、転んだ時の対処法


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