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Bathtub Curve(バスタブ・カーヴ/浴槽のカーヴ)と原子力発電

Bathtub Curve(バスタブ・カーヴ/浴槽のカーヴ)と聞いてどんなラインを想像するでしょうか?
英語でこの言葉が使われる時は、バスタブのカーヴのように、工場の機械等が最初に問題が起こりがちで、その後は安定し、ある時(耐用年数)を境に一気に問題が起こることの比喩に使われることがあります。
ちなみに、英語圏でBathtub(バスタブ)と言われて一般的に誰もが思い浮かべるのは、日本式の正方形のバスタブではなく、この写真のような、細長く浅く、カーヴが緩やかなものです。
この比喩は、原子力発電所に使われる時もあります。

原子炉は、40年を耐用年数としてデザインされていますが、国や地域によっては40年を超...

10.03.25 06:17 PM - Comment(s)
軍事主義と闘うことなしに、気候危機と闘うことはできない ⑤

前回までの記事は以下より。
   
気候危機をかたるとき、「Security/セキュリティー」というフレーミングは避けられません。
ここには、「Border security/国境セキュリティー」「Food security/食料セキュリティー」「Water security/水のセキュリティー」「Energy security/エネルギーのセキュリティー」といったものが含まれます。
ちなみに、日本語では「Security/セキュリティー」も「Safety/セーフティー」も同じ「安全」ということばに翻訳され、違いが見えなくなりますが、英語でのセキュリティーとセーフ...

18.12.24 04:57 PM - Comment(s)
軍事主義と闘うことなしに、気候危機と闘うことはできない ④

前回までの記事は以下より


気候危機と軍事主義の関係は見えてきても、それが日本に住んでいるひとびとと、どう関係あるのだろう、と思うかもしれません。
点と点をつないで考えることは重要です。
日本には、アメリカ軍の大きな軍事基地があり、近年、軍事費も増大しています。
イギリスを含むヨーロッパでも、軍事費は大きくなっており、それでなくても貧富の差が大きいイギリスでは、公共事業費がどんどん削られてきています。
公共事業に含まれるのは、ヘルスケア(病院やホスピス等)、教育、気候危機に備える資金(イギリスでも何度も洪水に見舞われる地域や海面上昇でコミュニティ―を別の地域に移動させざるを得ない場合も)といった、人...

12.12.24 05:29 PM - Comment(s)
軍事主義と闘うことなしに、気候危機と闘うことはできない ③

前々回①前回②からの続きです。

シリアで起こった2011年の民主化デモの背景についての、西側諸国での主流のナラティヴは、とても単純化されていて、意図的に人々の恐怖を引き起こすものです。
気候戦争の前触れ ー ほかの多くの地域でも同じことが起こり、(豊かで繁栄している自分たちの国に)多くの(自分たちが望まない)移民がおしかけてくる」です。
このアメリカや西側諸国がつかう「War(戦争)」ということばにはよく注意を払う必要があります。これは、存在しない脅威に対して、人々の恐怖をかりたて、軍事複合産業を拡大・儲けさせることが目的です。
アメリカは、ある特定の地域(中東やアフリカ、一部のアジア地...

10.12.24 02:02 PM - Comment(s)
軍事主義と闘うことなしに、気候危機と闘うことはできない ②

前回、戦争・紛争が引き起こす大きな温室効果ガス排出量について大まかに説明しましたが、今回は、戦争・紛争が引き起こす環境破壊、これらの戦争・紛争によってつくりだされる強制難民たち(住んでいる地域から強制的に移動せざるを得ない人々)をSecurity threat(セキュリティー・スレット/安全保障への脅威)としてフレーミングする現状が間違っていることと、なぜそういった状況がつくりだされているのかについて。
大事なのは、地球上のすべての人々の安全を第一に考えることです。

アフガニスタンでは、戦争経済の一環として、違法の木の伐採が起こりました。
1990年から2005年(アフガニスタン市民戦争/内戦)の間...

06.12.24 06:02 PM - Comment(s)

最近は、世界中で起こっている戦争・紛争のニュースに心を痛めている人もいるかもしれません。
戦争や紛争は、人々の命を奪うだけでなく、実は気候変動にも大きく影響していることを意識している人は少ないかもしれません。
中東のカタール政府が出資しているメディアAl Jazeera(アル・ジャジーラ)では、ヨーロッパやアメリカ中心の視点ではなく、地球上の大体数の人々が住んでいる地域からの視点を伝えてくれ、パレスチナや日本を含むアジアの情報も、それぞれの文化を尊重する視点となっているように感じます。
特にパレスチナの報道については、イギリスの国営放送BBCでも、イスラエル側よりの非常に偏った報道をしていることで、...

05.12.24 05:16 PM - Comment(s)
国際女性デー:再生エネルギーと女性

先週の金曜日(2024年3月8日)は、International Women's Day(国際女性の日)ということもあり、それに関連したIRENA(International Renewable Energy Agency/国際再生エネルギー機関) が主催したウェビナーに参加しました。
ウェビナーの題目は、Invest in Women: Accelerate Progress Through Renewable Energy(女性への投資ː 再生エネルギーを通して進化を速める)で、IRENAのサイトのここに説明があります。

イスラエルの歴史家のYuval Noah Harari(ユヴァル・ノア・...

11.03.24 06:26 PM - Comment(s)
原子力なしで、再生可能エネルギー90パーセント以上を実現させたウルグアイ

現在、ウルグアイは約90~95パーセントのエネルギーを再生可能エネルギーから得ています。年によっては、98パーセントとなったときもあったそうです。
このグリーン革命の旗手は、なんと原子力物理学者のRamon Mendez Glain(ラモン・メンデス)さんです。

このような明るい話題をヨーロッパを中心として、週に二回お届けしています。サインアップは下記のページの下部より。

イギリスの独立系新聞ガーディアン紙の記事は、ここより。
ちなみに、ガーディアン紙は、ほかのUKの主要新聞が特別富裕層の人々や企業に経営され...
25.01.24 04:42 PM - Comment(s)
イギリスのネット・ゼロに関する間違いだらけのシンクタンクのレポートが真実であるかのように主要新聞に掲載されることの背景と事実を知ることの大切さ

表題にあるように、ネット・ゼロ経済政策から逸れることについての正当性を主張するシンクタンクのレポートが発表されましたが、小学生レベルの間違いであふれているにも関わらず、イギリス主要新聞で、あたかも真実かのような扱いを受け、多くの新聞でヘッドラインをかざりました。
環境・エネルギー問題に関しての専門家で、 Carbon Brief/の副編集長であるSimon Evans(サイモン・エヴァンス)さんが分析しています。

イギリスの独立系新聞、ガーディアン紙の ここ からも読めます。

現与党である保守党の年に一回のConference(議会)の直前に、Civitaという55 T...

06.10.23 05:02 PM - Comment(s)
ネット・ゼローイギリスでの議論

最近、イギリス政府(正式には、The United Kingdomで、イギリス・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドの4か国の連合国)は、新たにスコットランド沖のRosebank oil field(ローズバンク油田)の開発を承認しました。イギリス政府のネット・ゼロ経済計画に反しており、かつ地球温暖化をより加速させることになるので、大きな反対も起きています。

この油田開発を手掛けるのは、ノルウェーのEquinor(エクイノール)と、イギリスのIthaca Energy(イサカ・エネルギー)です。
前者のエクイノールは、経済的に貧しかったノルウェーで石油がみつかった際、国営企業として設置され、...

04.10.23 02:09 PM - Comment(s)

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