Yoko Marta

Blog by Yoko Marta

ELIF SHAFAK エリフ・シャファック(小説家、アカデミック、女性の権利の活動家)
エリフ・シャファックさんは、トルコ/イギリスの小説家です。イギリスを居住地としているので、BBC等のラジオ番組にも出演し、柔らかく穏やかな話し方と鋭い考察、平等・正義への強い意志が印象的です。

彼女は、トルコ人の両親の下にフランスで生まれ育ちます。父は哲学の博士号をフランスで勉強していました。両親が離婚した後、彼女は母とともに、母の実家のトルコの首都アンカラへと引っ越します。彼女は5歳くらいでした。彼女の母方の祖母は、自分自身は高い教育を受けていなかったにも関わらず、エリフさんの母に、教育を受け、自分のキャリアを持つことを勧め励ましサポートしました。彼女は大学を卒業し、のちに外交官として活躍しま...
25.07.22 02:55 PM - Comment(s)
パンデミックと精神的な病との関連
イギリスの国営放送BBCでは、興味深いプログラムがたくさんありますが、その中の、「The Life Scientific (生命科学)」より。

科学分野、例えば気候変動、神経科学者の偏頭痛の研究、洪水の予測等、様々な科学分野の研究者や医者が、私たちの日常にどう関わっているかも含めて、とても分かりやすく語っています。

いつも、彼らの子供時代と、なぜそのプロフェッションや専門分野を選んだのかという質問があり、様々な答えがあってとても興味深いです。

また、イギリス、或いはヨーロッパならではなのかもしれませんが、誰も偉ぶっていなくて、「100パーセント正しいことなんてないし、自分たちは自分たちのできる範囲で...
25.07.22 02:49 PM - Comment(s)
「自由」とは獲得するもの ー 毎日のエクササイズが必要な筋肉のようなもの

Jean-Jacques Roussou(ジャン ジャック・ルソー)は「社会契約論」の著書の中で以下のように述べています。

"Man is born free and everywhere he is in chains."
「人間は生まれつき自由であるが、いたるところで鎖につながれている」

既に亡くなりましたが、さまざまな討論や講演に招かれていたユダヤ教のラビ、サックス氏は、上記のことばに疑問を投げかけています。
「人間は生まれつき自由であるが、いたるところで鎖につながれている」というのは、実際は、反対ではないだろうか?

私たちの幼い時のキャラクター(性格・人格)は、自分たちを生ん...
25.07.22 02:36 PM - Comment(s)
I'm worth no more, no less than you - 私はあなたより(ひととして)価値がよりあるわけでも、少ないわけでもない=私たちは(男女に関わらず全ての人間は)対等=私たちにひととしての上下はない。
2015年に公開されたイギリス映画「Suffragett(サフラジェット=婦人参政権論者)」の中で、権威側の警官に、スパイとして仲間の婦人参政権論者の動向を密告するようプレッシャーをかけられた主人公のモードが、断りの手紙の中に書いたセンテンスです。
日本語と英語では文化や慣習、宗教、歴史といった土台が大きくことなるので、直訳だと今一つしっくりこないかもしれませんが、意訳すれば、人間として私とあなたの間に上下はない、というのが近いかと思います。
日本では、なぜか、もともとの題名とも内容とも全く関係がないとしか思えない「未来を花束にして」になっているようです。

イギリスでは、ごく普通の市民の間でも、選挙...
15.07.22 03:00 PM - Comment(s)
僕たちは、未来とこの場所を平和に共有することができる。お互いの意見は違っても。

私の好きなスタンダップ・コメディアンの一人、北アイルランド出身のPatrick Kielty(パトリック・キールティ/通称ː パディー)さんのドキュメンタリーが約1年前に放映されました。
イギリス国営放送のBBCのIplayerより観れます。
北アイルランドのデリーを舞台としたコメディー「デリー・ガールズ」の作者Lisa McGee (リサ・マギー)さんとの希望のある未来への対談も含まれています。
「デリー・ガールズ」は、面白いだけでなく、当時の北アイルランドで30年続いた市民戦争下(カソリック宗派でアイルランド人のアイデンティティをもつ人々とプロテスタント宗派でイギリス人のアイデンティティをもつ人...
13.07.22 03:48 PM - Comment(s)
「恥の文化(SHAME CULTURE)」と「罪の文化(GUILT CULTURE)」- 間違いが起こった場合のアプローチの違い

イギリスの国営放送BBC Radio4では、「Thought for the Day」という、朝の7分程度、様々な宗教学者やリーダーが最近思ったことについて話す長寿番組があります。

既に亡くなりましたが、ユダヤ教のラビ、サックス氏の話は、内容も興味深く分かりやすく話してくれる人で、この番組にもよく登場しました。思考の深さとフレンドリーで親しみやすい人であったので、宗教に関係なく、さまざまな人々が対話を楽しみました。英語が分かるということは、こういった思想にも広く深く触れることが可能とし、人生の楽しみを増やします。

2014年の放送分となりますが、ざっとした内容は以下の通りです。

つい最近(2014年...

11.07.22 02:26 PM - Comment(s)
「不確かさ」と、健康な「疑い」を持ち続けることの大切さ

イギリスの国営放送BBC Radio4で最近始まったシリーズ「The Archbishop Interview (カンタベリー大主教 インタビュー)」で、カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビーさんと、私の大好きな作家/人権アクティビスト/アカデミックのトルコ・ブリティッシュのElif Shafik(エリフ・シャフィク)さんの対話がありました。

ここから聴けます。

「カンタベリー大主教」と聞いても、日本には存在しないので今一つピンとこないかもしれません。
日本では戦後、政教分離ということで、政治と宗教は分離していますが、The United Kingdom(イギリスを含む4か国の連合国)の中のイ...
11.07.22 02:19 PM - Comment(s)
基本的な情報元の解析 ー より正確な情報を見分けるために

先日、国営放送のBBC Radio4の「More or Less」という数値や統計のミスインフォメーションやミスリーディングであることを追いかける番組で、基本的な情報元の解析方法が提案されていました。
ここから視聴可能です。

International Institute of Strategic StudiesのリサーチャーHenry Boyd (ヘンリー・ボイド)さんが、ロシアのウクライナ侵攻に関しての数値(ロシア軍の兵士の数やタンクの数等)についての分析を元に語っていたのですが、基本的な数値やデータへのアプローチとして役にたちます。

全てのデータが100パーセント正しいというのはあり得ないので...

11.07.22 02:14 PM - Comment(s)
Unselfing(アンセルフィング) ー そのものをそのまま見ることの大切さ

よく聞いているBBC Radio 4の「Thought For the Day」より。

今回は物理学者でヨーク大学で教えているTom McLeish(トム・マクリーシュ)さん。
ここから、視聴ができます。

最近のグループ研究で、トムさんはHuman Vision(人間の視覚)について他の分野の研究者から興味深いことを学んだそうです。

人間の視覚は、環境の変化や素早い動きにはとてもセンシティブにできており、素早く適応し、人類が長期間生き残ってきたのはこの能力のおかげでもあります。
でも、ここには欠点もあります。
もし、見ているものが変化しないのであれば、たとえ短時間であっても、視覚は見えていても見えない状況...

11.07.22 02:11 PM - Comment(s)
Optimist(楽観的なひと)とPessimist(悲観的なひと)

楽観的、と聞いてどんなことを思うでしょう?
ヨーロピアンの中にいると、西ヨーロッパの人々は比較的楽観的な傾向が強いように思います。
楽観的、というのは、ただ単に将来は良くなるだろうとぼんやりと思って、何か良いことが起こることを期待して何もせず待っているわけではありません。

最近読んだ「Uncharted」という本の中で、イギリスのバース大学の先生であるMargaret Heffernan(マーガレット・ヘッファーナン)さんが、分かりやすく説明していて、自分の中でも腑に落ちました。

悲観的な人々=問題を避ける人々

楽観的な人々=ファイティング・スピリットをもって、問題に立ち向かい、創造的に解決する人々
2種...

11.07.22 02:05 PM - Comment(s)

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