Blog categorized as Hope and Humanity

ヴィクティム・ブレーミングと闘うー社会・権力構造を見抜く・変える ②

今回は、少し日本を離れて、このVictim Blaming(ヴィクティム・ブレーミング)の仕組をもっと大きな視点から。

パレスチナ人の詩人、Mohammed El-kurd(モハマッド・エル=クルド)さんが、最近、「Perfect Victims(パーフェクト・ヴィクティムズ/完璧な被害者たち)」というタイトルの本を出版しました。

モハマッドさんは、パレスチナ人に対して、「完璧な被害者」を西側メディアや西側政府が求める仕組み、性加害の被害者に対してメディアや社会が「完璧な被害者」を求める仕組み、黒人差別の被害者に対してメディアや社会が「完璧な被害者」を求める仕組みは、とても似通っているとしています...

10.03.25 06:23 PM - Comment(s)
ヴィクティム・ブレーミングと闘うー社会・権力構造を見抜く・変える ①

先日、日本人ジャーナリスト伊藤詩織さんのドキュメンタリー「Black Box Diaries」を観ました。
イギリスに住んでいれば、ここから無料で観れます。

詩織さんの言動や服装を責めるあからさまなVictim Blaming(ヴィクティム・ブレーミング)がたくさん出てきて、詩織さんはどんなにつらかっただろうかと、心が痛みました。
同時に、意識がほぼない状態のひとが、別のひとに無理やりひきづられているのが明らかにも関わらず、飲食店でも、タクシー運転手も誰も警察に通報するなりして被害者の安全を守るための行動を行わなかったこと、ホテルのドアマンは警察に通報したようですが、そこでも何もアクションが取られな...

10.03.25 06:21 PM - Comment(s)
悪いWritingなんてない - 不完全な考えがあるだけ

インド出身の歴史学者・ジャーナリストで、アメリカで長く活躍するVijay Prashad(ヴィジャイ・プラシャド)さんは、書くことのコツについて聞かれて以下のように答えていました。

there is no bad writing only incomplete thinking

Vijay Prashad

悪いWriting(書くこと・執筆)なんてない。不完全な考えがあるだけだ。

ヴィジャイさんは、スタイルや文体、アウトライン等、さまざまな要素を上げられるとはいえ、たとえ文章がギクシャクしているように感じたりしても、結局はしっかりと考えられていて、言いたい内容が明瞭で、問題の根っこにたどりつくとき、読...

10.03.25 06:19 PM - Comment(s)

最近、「Instruments of a beating heart(インストゥルメント・オブ・ア・ビーティング・ハート)を観て、すごく嫌な気持ちを思い出しました。
私は運よく、ほかの生徒たちからいじめられたことはないですが、クラスの生徒が少し騒いでいただけで先生から見せしめのために平手打ちをされたり(私は全然騒いでないことを先生も知っているけど、親が文句を言わない生徒数人を選んで叩いてる)、貧困家庭で給食費が遅れることで、嘘をついたと決めつけられ廊下に立たされたり、先生のほかの生徒への不当な暴力や扱いに対して抵抗したことで、テストの点数はいつもほぼ満点だったにも関わらずすべての科目の成績表が最...

10.03.25 06:14 PM - Comment(s)
わきまえる=自分が劣った地位にあることに気づいているということ(英語)

英語と日本語は言語の違いだけでなく、文化の違いも大きいので、同じ英語の動詞や単語でも、どういったContext(コンテクスト/文脈)で使われているかによって、どういう日本語の内容になるのかは、大きく違ってきます。
そういった中でも、英語に訳すと、根本的な意味がはっきりと現れる場合もあります。

日本語・日本文化では、「わきまえる」という言葉が使われる時が多いのではと思いますが、多くの場合、英語では、以下となります。

know one's place = to be aware of one's inferior position
自分の場所(社会的な地位等)を知っていること = 自分が劣った地...

31.01.25 03:28 PM - Comment(s)
和平構築とは、不正義に苦しんでいる側につくということ ー ベツレヘムの牧師、ムンター・アイザークさん

ガザの停戦で、少しほっとしている人もいるかもしれません。
でも、国際法でパレスチナ領地と定められているウエスト・バンク、ベツレヘムでは、イスラエル軍、ユダヤ系イスラエル人からのパレスチナ人に対する暴力・殺人が増加しています。

国際ジャーナリストでもあり、神学者としての研究もしたChris Hedges(クリス・ヘッジ)さんのポッドキャストに、ベツレヘムの牧師、Munther Isaac(ムンター・アイザーク)さんが登場していました。

アイザークさんは、ポッドキャストの中で以下のように語っていました。

和平構築とは、一方の側につくということです。
一方の側とは、不正義に苦しんでいる側です。
神は、不正義の真...

28.01.25 06:39 PM - Comment(s)

ニュージーランド出身で、イギリスで長く女性司法精神科医として働くGwen Adshead(グウェン・アズヘッド)さんが登場したPodcastから。

ちなみに、英語でPhsychiatrist(サイキアトリスト/精神科医)は、医師としてのトレーニングを受け医師国家資格をもっているひとで、Phychotherapist(サイコセラピスト)は、心理療法士で、医師としてのトレーニングも医師国家資格もありません。
グウェンさんは、サイキアトリストには、心理療法士の知識もスキルも必要だと信じていて、グウェンさん自身も自分のセラピーに通い、心理療法士としてのトレーニングを受け、資格も取得したそうです。
グウェンさ...

28.01.25 06:35 PM - Comment(s)
ファット・フォビアを製造して巨大な利益を得ているダイエット・ウェルネス・フィットネス業界の仕組(=資本主義の構造)に対して闘う

Kate Manne(ケイト・マン)さんは、Fat Phobia(ファット・フォビア)も家父長制のイデオロギーによる抑圧の一つで、人種差別、男尊女卑等、さまざまなSocial Justice(ソーシャル・ジャスティス/社会正義)と共通部分があるとしています。

家父長制や人種差別は、特定の誰かが(或いはグループ)が権力・資源・富を独占し続けるための社会構造や機関(司法、警察、政治・経済・教育等)をつくり、メディアも効果的に利用し、残りの人々は独占階級である人々よりすべてにおいて「下」、或いは人間以下として、彼らの力を奪い、搾取します。
家父長制だと、男尊女卑やミソジニー、セクシズムやファット・フォビ...

02.12.24 03:50 PM - Comment(s)
ミソジニーを押し返す

Kate Manne(ケイト・マン)さんの造語「Himpathy(HimとSympathyをあわせたもの)」についての、興味深いポッドキャストから。
このポッドキャストは、テック業界で働いていたSara Wachter-Boettcherさんがポッドキャスターで、サラさんのケイトさんに対する質問も話も興味深かったです。

最初に、ケイトさんがなぜ「Himpathy」という言葉を作ったのか、ということなのですが、基本は、誰もが何が起こっているのかを認識しやすくするためです。
何が起こっているのかが明確に見えないと、対応・抵抗ができないので、まず最初にみんなで気づこう、ということです。

ケイトさんが挙げてい...

02.12.24 03:47 PM - Comment(s)
ミソジニーな言動を押し返す

※ミソジニーは社会構造なので、ミソジニーな言動を行う人は男性の場合もあれば、女性の場合も

前回は、Sexism(セクシズム)の定義については、話さなかったので、そこから。

ケイトさんは、以下のように定義していました。

主に家父長制の規範や期待を自然なものとし、合理化する機能を果たす、信念や文化的なナラティヴやイデオロギーのさまざまな面を併せたセット
例)女性は、自然と/本質的に、masculine coded roles(マスキュリン・コーディット・ロールズ/男性の特質・本質に沿った男性特有の役割)である、リーダーシップや政治家や権威を持つ役割には向かない(できない)← もちろん、事実ではない

ここでい...

02.12.24 03:44 PM - Comment(s)

Tags