Yoko Marta

Blog by Yoko Marta

世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ①

最近、ギリシャ人経済学者でアクティヴィストであるYanis Varoufakis(ヤニス・ヴァルファキス)さんのドキュメンタリー映画、「In The Eye Of The Storm」が公開されました。日本語訳は現在のところないようですが、ヤニスさんも英語が流暢ではありますが、母国語でないので、逆に英語が母国語でない人にも聞き取りやすいと思います。
どんなに翻訳機能が向上しても、ちょっとしたジョークだったり、日本語にはない概念が英語或いは西洋文化にはたくさんあるため、英語(オリジナル言語)で理解するのが一番だと思います。

ヤニスさんは、この中で、Marquis de Condorcet(コンドルセ...

12.07.24 05:37 PM - Comment(s)
キャリア・アドヴァイス ー 自由と安全の間で選択を迫られたら、自由を選べ

日本とヨーロッパでは、キャリアのありかた・考え方は、大きく違います。
ヨーロッパの中でもイギリスは少し外れていて、アメリカ社会・経済に近い状態で、賃金の低い仕事も多く、契約期間が短く、生活の安定をはかることが難しい状況となりつつあります。
ただ、賃金が低いといっても、現在(2024年度)の最低賃金は、時給11.44パウンド(約2285円)です。これは、年々、上がってきています。
また、戦後の福祉国家であった時代から大きくネオリベラリズムへと動いたものの、日本やアメリカよりは、はるかに働く人々の権利が守られています。
サービス残業なんて存在しないし(そもそも違法だし、黙って受け入れる人たちはいない)、残...

12.07.24 05:35 PM - Comment(s)
苦難の物語とともにある、もう一つの物語を見つける

ある日、いつも読んでいるイギリスの独立系新聞ガーディアン紙で、南アフリカ共和国でナラティヴ・セラピーを行っているジンバブエ出身の女性心理学者Ncazelo Ncube-Mlilo (カゼロ・ヌカンベミロ)さんの記事に偶然あいました。

「変わる勇気(Courageという英語から、Rをひとつ増やしてCOURRAGEと呼ばれるプログラム)ː 女性のデプレッションと貧困を(自分の)物語を語ることによってタックルする」という試みです。
カゼロさんは、南アフリカ共和国でエイズが原因で親を亡くし孤児になった子供たちのセラピーを行っていたときに、既に存在する心理学の手法は、この子供たちには適さないものだということ...

12.07.24 05:32 PM - Comment(s)
芸術は常にヒューマニティーと結びついている

チェコ共和国の最初の大統領となったVaclav Havel(ヴァーツラフ・ハヴェル)さんは、「教育は、さまざまな現象の間にある隠されたコネクションを見つけることのできる能力だ」といった内容のことばを言っています。

ハヴェルさんは、もともと劇作家であり、芸術を通した反体制運動も行い、劇が体制によって中止されたこともありました。
チェコ共和国が成立するまでの長年の反体制運動や革命に加わっていたことで、ハヴェルさんは、何度も投獄されています。
芸術は、さまざまなバウンダリーを越えて、人々の心に響き、それは、ほかの人々にも共鳴していき、それを止めることはできません
だからこそ、人々を抑圧する体制は、世界中の...

12.07.24 05:29 PM - Comment(s)
現在のリアリティーに基づいた未来ではなく、インクルーシヴでヴィジョナリーのある未来をつくる ー パレスチナ人女性弁護士 Diana Buttu(ダイアナ・ブットゥ)

Diana Buttu(ダイアナ・ブットゥ)さんは、パレスチナ人の両親のもとに生まれ、カナダで育った女性弁護士です。
1948年にイスラエル建国に伴い、パレスチナ地域に住んでいた多くのパレスチナ人が、ユダヤ人に大量殺害されたり、ユダヤ人からの暴力やテロ行為で家や土地を追いだされ、難民となったため、アラブ諸国を含め、多くの地域にパレスチナ人は難民として逃げざるを得ませんでした。
1948年に難民となった人々の子供や孫たちも、多くはいまだに難民として、Stateless(ステイトレス/無国籍)で、定住する家や職業、教育にも大きな制限がある人々も多い状態です。
アラブ諸国を除いて、一番大きなパレスチナ人難...

12.07.24 05:02 PM - Comment(s)
イギリス ー Relationships and Sex Education(省略してRSE/人間関係と性教育)は、子供たちを守るために必須

The UK(イギリス、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4か国の連合国)では、突然、現在のイギリス首相であるスナック首相が、2024年7月にGeneral Election(ジェネラル・エレクション/総選挙)を行うことを宣言しました。
それに伴い、法律化するよう提案されていたことのうち、宙に浮いた状態になったものもあります。

そのうちの一つは、Relationships and Sex Education(省略してRSEと呼ばれます/人間関係と性教育)の改案です。
近年、このRSEについては、政治的な目的から、この授業内容を批判する動きも広がっています。
エヴァンジェリカンとよばれる、アメ...

28.05.24 03:32 PM - Comment(s)
現在の時代や場所・仕組という制限を越えて、夢見ることの大切さ

Gary Younge(ギャリー・ヤング)さんは、ブリティッシュ・ジャーナリストで、現在は、マンチェスター大学でSociology(ソシオロジー/社会学)の教授をつとめています。
母は、大英帝国の元植民地であるBarbados(イギリスではバルベィドスと発音/バルバドスーカリブ海、西インド諸島内の国)出身で、第二次世界大戦後に、イギリスの労働者不足を解消するために、積極的にイギリスの元植民地国から人々を招へいした時期に、イギリスへと移民してきました。
ギャリーさんは、イギリスで生まれ育ちます。
母は、44歳という若さで突然亡くなったものの、看護師としてのトレーニングを受けNHS(National H...

28.05.24 03:19 PM - Comment(s)
急増している犯罪(sextortion)へのイギリスの対策

イギリスでは、sextortion(セクストーション)と呼ばれる犯罪が急激に増えていて、注意が呼びかけられています。

イギリスの独立新聞ガーディアン紙のポッドキャストでも、最近セクストーションの被害者となり、命をたってしまった少年の家族が、
セクストーションの被害者となる(性的な画像がでまわる)ことは、恥ずかしいことでもないし、あなたは全く悪くありません。
あなたは、犯罪の被害者
なのです。
これが人生・世界の終わりではありません。
被害にあったことは、あなたという人間を定義するものではありません。
多くの子供たち、若者たちが被害にあっています。
あなたは一人ではありません。
一人で悩まず、家族や学校に相談、...

28.05.24 03:13 PM - Comment(s)
怒りを感じることの大切さと、どうポジティヴな行動へと導くか

日本語だと、「怒る」と聞くと、(たとえ不当な怒りだったとしても)怒りを感じた人が、自分より弱い立場の人に対して攻撃的にあたりちらすことのようにも思うのですが、実際、「Anger/アンガー(怒り)」という感情と、怒りを感じたことにより導かれる言動とは違うもので、分けて考える必要があります
「怒り」という感情は、人間としてごく普通の感情であり、不当な扱いを受けた時、危険な目にあったときなど、自分のために立ち上がりたたかったり、状況によっては一時的に安全な場所に急いで退避するための必要な力を与えてくれます

ちなみに、Woody Allen(ウディー・アレン)の映画の中の登場人物が「私は絶対に怒らない...

30.04.24 08:51 AM - Comment(s)
ディグニティ: ひととして存在しているだけで、誰もが特別な価値をもっているー他人からどう扱われるかに関係なく

イギリスの独立新聞のガーディアン紙の日曜版には、Physchotherapist(サイコセラピスト/心理療法士)・Author(作家)であるPhilippa Perry(フィリッパ・ペリー)さんが長年担当している相談コーナーがあります。

Agony aunt(アゴニー・アーント/新聞や雑誌の相談欄に回答する女性たちを指していう)とも呼ばれています。

フィリッパさんは、女装をすることでも知られている現代陶芸家のGrayson Perry(グレイソン・ペリー)さんと結婚しています。
グレイソンさんは、陶芸家としての作品も好きなのですが、著作もいいです。
「The Descent of Man(日本語版では...

30.04.24 08:38 AM - Comment(s)

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