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ヴィクティム・ブレーミングと闘うー社会・権力構造を見抜く・変える ③

前回は、ヴィクティム・ブレーミングを世界という視点から、その国や社会、地域での支配グループが被支配グループに対しての既存特益や特権を保ち続けるための権力構造がオプレッションで、そのオプレッションが見える形で現れるひとつの形が、ヴィクティム・ブレーミングで、これは性暴力だけでなく、アメリカやイギリスでの黒人への暴力や、イスラエルでのパレスチナ人虐殺にも共通することをみました。

今回は、女性への性暴力におけるヴィクティム・ブレーミングの仕組について。
ここでは、家父長制(男性が支配者で、女性や子供は支配される被支配者の男性至上主義)というオプレッションが働いています。

ちなみに、イギリスで長く働く司法精...

10.03.25 06:27 PM - Comment(s)
ヴィクティム・ブレーミングと闘うー社会・権力構造を見抜く・変える ②

今回は、少し日本を離れて、このVictim Blaming(ヴィクティム・ブレーミング)の仕組をもっと大きな視点から。

パレスチナ人の詩人、Mohammed El-kurd(モハマッド・エル=クルド)さんが、最近、「Perfect Victims(パーフェクト・ヴィクティムズ/完璧な被害者たち)」というタイトルの本を出版しました。

モハマッドさんは、パレスチナ人に対して、「完璧な被害者」を西側メディアや西側政府が求める仕組み、性加害の被害者に対してメディアや社会が「完璧な被害者」を求める仕組み、黒人差別の被害者に対してメディアや社会が「完璧な被害者」を求める仕組みは、とても似通っているとしています...

10.03.25 06:23 PM - Comment(s)
ヴィクティム・ブレーミングと闘うー社会・権力構造を見抜く・変える ①

先日、日本人ジャーナリスト伊藤詩織さんのドキュメンタリー「Black Box Diaries」を観ました。
イギリスに住んでいれば、ここから無料で観れます。

詩織さんの言動や服装を責めるあからさまなVictim Blaming(ヴィクティム・ブレーミング)がたくさん出てきて、詩織さんはどんなにつらかっただろうかと、心が痛みました。
同時に、意識がほぼない状態のひとが、別のひとに無理やりひきづられているのが明らかにも関わらず、飲食店でも、タクシー運転手も誰も警察に通報するなりして被害者の安全を守るための行動を行わなかったこと、ホテルのドアマンは警察に通報したようですが、そこでも何もアクションが取られな...

10.03.25 06:21 PM - Comment(s)
悪いWritingなんてない - 不完全な考えがあるだけ

インド出身の歴史学者・ジャーナリストで、アメリカで長く活躍するVijay Prashad(ヴィジャイ・プラシャド)さんは、書くことのコツについて聞かれて以下のように答えていました。

there is no bad writing only incomplete thinking

Vijay Prashad

悪いWriting(書くこと・執筆)なんてない。不完全な考えがあるだけだ。

ヴィジャイさんは、スタイルや文体、アウトライン等、さまざまな要素を上げられるとはいえ、たとえ文章がギクシャクしているように感じたりしても、結局はしっかりと考えられていて、言いたい内容が明瞭で、問題の根っこにたどりつくとき、読...

10.03.25 06:19 PM - Comment(s)
Bathtub Curve(バスタブ・カーヴ/浴槽のカーヴ)と原子力発電

Bathtub Curve(バスタブ・カーヴ/浴槽のカーヴ)と聞いてどんなラインを想像するでしょうか?
英語でこの言葉が使われる時は、バスタブのカーヴのように、工場の機械等が最初に問題が起こりがちで、その後は安定し、ある時(耐用年数)を境に一気に問題が起こることの比喩に使われることがあります。
ちなみに、英語圏でBathtub(バスタブ)と言われて一般的に誰もが思い浮かべるのは、日本式の正方形のバスタブではなく、この写真のような、細長く浅く、カーヴが緩やかなものです。
この比喩は、原子力発電所に使われる時もあります。

原子炉は、40年を耐用年数としてデザインされていますが、国や地域によっては40年を超...

10.03.25 06:17 PM - Comment(s)

最近、「Instruments of a beating heart(インストゥルメント・オブ・ア・ビーティング・ハート)を観て、すごく嫌な気持ちを思い出しました。
私は運よく、ほかの生徒たちからいじめられたことはないですが、クラスの生徒が少し騒いでいただけで先生から見せしめのために平手打ちをされたり(私は全然騒いでないことを先生も知っているけど、親が文句を言わない生徒数人を選んで叩いてる)、貧困家庭で給食費が遅れることで、嘘をついたと決めつけられ廊下に立たされたり、先生のほかの生徒への不当な暴力や扱いに対して抵抗したことで、テストの点数はいつもほぼ満点だったにも関わらずすべての科目の成績表が最...

10.03.25 06:14 PM - Comment(s)
AI生成された子供の性虐待イメージへの新たな法律の制定 ー イギリス

2025年2月1日づけで、The Home Office (ホームオフィス/イギリス内務省)の女性内務大臣Yvet Cooper(イヴェット・クーパー)さんが、AI(Artificial Intelligence/人工知能)によって生成された子供の性的虐待イメージの脅威をタックルする4つの新しい法律を制定することをアナウンスしました。
国営放送BBCの記事はここから。

子供に該当するのは、18歳までの子供で、男女どちらもが該当します。
日本の子供や女性に対する性犯罪に対する法律は、イギリスや他のヨーロッパと比べて信じられないくらい緩いか存在せず、イギリスでは違法なことの多くが日本では合法なため、犯罪...

05.02.25 04:22 PM - Comment(s)
わきまえる=自分が劣った地位にあることに気づいているということ(英語)

英語と日本語は言語の違いだけでなく、文化の違いも大きいので、同じ英語の動詞や単語でも、どういったContext(コンテクスト/文脈)で使われているかによって、どういう日本語の内容になるのかは、大きく違ってきます。
そういった中でも、英語に訳すと、根本的な意味がはっきりと現れる場合もあります。

日本語・日本文化では、「わきまえる」という言葉が使われる時が多いのではと思いますが、多くの場合、英語では、以下となります。

know one's place = to be aware of one's inferior position
自分の場所(社会的な地位等)を知っていること = 自分が劣った地...

31.01.25 03:28 PM - Comment(s)
和平構築とは、不正義に苦しんでいる側につくということ ー ベツレヘムの牧師、ムンター・アイザークさん

ガザの停戦で、少しほっとしている人もいるかもしれません。
でも、国際法でパレスチナ領地と定められているウエスト・バンク、ベツレヘムでは、イスラエル軍、ユダヤ系イスラエル人からのパレスチナ人に対する暴力・殺人が増加しています。

国際ジャーナリストでもあり、神学者としての研究もしたChris Hedges(クリス・ヘッジ)さんのポッドキャストに、ベツレヘムの牧師、Munther Isaac(ムンター・アイザーク)さんが登場していました。

アイザークさんは、ポッドキャストの中で以下のように語っていました。

和平構築とは、一方の側につくということです。
一方の側とは、不正義に苦しんでいる側です。
神は、不正義の真...

28.01.25 06:39 PM - Comment(s)

ニュージーランド出身で、イギリスで長く女性司法精神科医として働くGwen Adshead(グウェン・アズヘッド)さんが登場したPodcastから。

ちなみに、英語でPhsychiatrist(サイキアトリスト/精神科医)は、医師としてのトレーニングを受け医師国家資格をもっているひとで、Phychotherapist(サイコセラピスト)は、心理療法士で、医師としてのトレーニングも医師国家資格もありません。
グウェンさんは、サイキアトリストには、心理療法士の知識もスキルも必要だと信じていて、グウェンさん自身も自分のセラピーに通い、心理療法士としてのトレーニングを受け、資格も取得したそうです。
グウェンさ...

28.01.25 06:35 PM - Comment(s)

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